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【ネタバレ解説】「デアデビル:ボーン・アゲイン」第8話:不吉な予感…最終話前に衝撃ラスト

 昼は弁護士、夜はクライムファイターのヒーロー・デアデビルを描くマーベルドラマ「デアデビル:ボーン・アゲイン」の第8話「歓喜の島」が配信された。今回は、衝撃の事実が判明し、大きな物語の片鱗が見えてくる。さらに、第1話で描かれたあの悲劇には、別の意味があった。(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「デアデビル:ボーン・アゲイン」第8話をまだ観ていない方はご注意ください。

フォギーの悲劇、もう一つの意味

 衝撃の事実が判明! 第1話の大事件を起こしたブルズアイ/ベンジャミン・“デックス”・ポインデクスター(ウィルソン・ベセル)が再登場。彼が、デアデビル/マット・マードック(チャーリー・コックス)の親友フォギー(エルデン・ヘンソン)を殺したのは、復讐のためではなく、フォギーが知った何かを隠蔽するためだった。

 しかもそれを依頼したのは、キングピン/ウィルソン・フィスク(ヴィンセント・ドノフリオ)ではなく、フィスクの妻バネッサアイェレット・ゾラー) 。フォギーは一体、どんな事実を掴んでいたのか。ここから大きなドラマが動き出しそうだ。

 もう一つ、フィスク夫妻の関係についても新事実が判明。前話のラストは、バネッサが配下の犯罪組織のルカ(パトリック・マーニー)の誘いに乗って、彼にフィスクを襲撃させたように見えたが、それはわざとの演出。すっかりこの演出に乗せられて誤解してしまったが、今回のドラマで、実際はバネッサがフィスクにルカの裏切りを告げ、2人が共謀してルカを抹殺したことが分かった。

 さらに今回、バネッサがかつての浮気相手アダム(ルー・テイラー・プッチ)を殺したことで、夫婦の関係は元通り……と思ったら、バネッサがフォギーの一件をこれまでフィスクに隠していたことも分かった。となると、バネッサには、まだフィスクが知らない秘密があるのかもしれない。

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 ちなみに、今回の中心となるブルズアイことポインデクスターは「Marvel デアデビル」シーズン3の主要登場人物。彼の能力はコミックと同じで、今回のように“折れた歯”や手術用メスなどの物体を、高速度で狙った標的に命中させることが出来る。元は精神疾患に悩むFBI捜査官で、フィスクの部下になって活躍するが、フィスクがかつて愛する人を殺したことを知り、彼への復讐を決意する。

 またポインデクスターは、シーズン3最終話「ア・ニュー・ナプキン」でのフィスクとデアデビルとの三つ巴の戦いで背骨を損傷し、特殊な金属コグミアム・スティールを移植する手術を受け、身体が強化されている。このドラマの第1話で屋上から落下しても生きていたのは、この手術の効果だろう。彼が今回、フィスクの命を狙ったところを見ると、今もフィスクへの復讐を諦めていないに違いない。そんなポインデクスターが、どんな経緯でバネッサの依頼殺人を引き受けたのかは、これから明らかになりそうだ。

実在する舞踏会がモチーフに

 再登場といえば、第6話の市長の慈善パーティで、フィスクと対峙したソーズマン/ジャック・デュケイン(トニー・ダルトン)も再度、姿を表す。第6話の「それは脅迫か?」「いや警告だ」という対話を、今後は逆の立場で交わす。ジャックがフィスクと敵対する背景には、彼の自警団活動だけでなく、ドラマ「ホークアイ」での出来事もあるのかもしれない。あのドラマで、ジャックは、2代目ホークアイ/ケイト・ビショップ(ヘイリー・スタインフェルド)の母親エレノア・ビショップ(ヴェラ・ファーミガ)と婚約していたが、エレノアはフィスクの犯罪に関わったため、警察に逮捕されてしまっているのだ。

 また、前話には実在のイタリアン・レストランが登場したが、今回は実在のイベントを踏まえた舞踏会が出てきた。会のオープニングにアナウンスされたように、フィスク市長開催の舞踏会の名称は「Black and White Ball(白と黒の舞踏会)」。これは、1966年に『ティファニーで朝食を』の作家トルーマン・カポーティがニューヨークのプラザホテルで開催し、映画スターなど厳選されたセレブ500名が出席、20世紀最高の舞踏会と言われた実在の舞踏会の名称と同じ。参加者の衣装が、白または黒だったのも同じだ(ドラマではバネッサのみ赤いドレスだが)。おそらくフィスクとバネッサが、この舞踏会を意識して催したという設定だろう。

 事実ネタはもう一つある。フィスクは市長の椅子に座り、机を撫でながら「バネッサが調べた。これはまさにラガーディアのデスクだそうだ」と言うが、これは実在のニューヨーク(NY)市長フィオレロ・ラガーディアのこと。1934年~1945年にNY市長を3期務めた人物だ。この発言は、第2話で初めて市長の机に座ったフィスクが「この机は年代物か? ラガーディア市長は使っただろうか バネッサなら知ってる」と言ったのを踏まえたもの。机の由来を誇らしげに語るフィスクは、バネッサと仲直りしたことを自慢しているようにも見える。

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マットが撃たれる…衝撃ラスト

 今回は、ラストも衝撃的だった。マットは、ポインデクスターがフィスクに向けた射撃に気付き、それを阻止しようとして、彼自身が撃たれてしまう。この行動は、彼の信念である「悪人であっても殺してはならない。死は改心の機会を奪ってしまう」に基づくものだろう。だが、ここで撃たれたマットが床に横たわる姿は、第1話で射撃されたフォギーが地面に倒れている姿を連想させ、不吉な予感がしてしまう……。

 先が気になる要素が山盛りだが、シーズン1はあと1話を残すのみ。すでにシーズン2の撮影開始が報じられており、ストーリーは次回では完結しないとは思うが、それでもシーズンラストには何かが起きるのが、ドラマシリーズのお約束。また予想外の何かが起きるのか?

 最終話の監督は、この第8話に続き、第1話を手がけたコンビのジャスティン・ベンソンアーロン・ムーアヘッド(「ムーンナイト」「ロキ」シーズン2)。今回も、冒頭の凍ったような青い薔薇、中盤の豪奢な白と黒の舞踏会、バルコニーに立つポインデクスターを包む青い光、倒れたマットに降り注ぐ赤い光……鮮烈なビジュアルでも目を奪うこの監督コンビが、最後にどんな光景を見せてくれるのかにも期待したい。

「デアデビル:ボーン・アゲイン」ディズニープラスにて独占配信中

(c) 2025 Marvel

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