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狂気か?無垢か?女ゴッホを描いた『セラフィーヌ』世界で脚光

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映画『セラフィーヌ』より
映画『セラフィーヌ』より

 女ゴッホと言われ、死後にやっと世に認められた画家セラフィーヌ・ルイを描いた映画『セラフィーヌ』が今、世界中の映画祭で話題になっている。フランス映画界のアカデミー賞といわれるセザール賞では7冠も獲得している。

 極貧にあえぎ、晩年は精神に変調をきたし、死後、世に認められるようになった画家といえば、ゴッホが思い浮かぶが、本作で描かれているセラフィーヌ・ルイもそのような人生を歩んだ。メイドとして働き、食うにも困るような貧しい暮らしの中で、絵を描き続けたセラフィーヌを、映画『アメリ』などに出演しているヨランド・モローが熱演。並々ならぬ宗教への傾倒、とりつかれたように絵を描き、野を歩き木に語りかけるセラフィーヌの狂気と無垢(むく)を見事に表現して見せた。

 ゴッホほどには一般に知られていない画家セラフィーヌがこの映画によって再度脚光を浴びることを願いたくなる感動作だ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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