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「カムカム」るいが歌う「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」に込められた思い

「ただただひなたに寄り添うことがエールになる」
「ただただひなたに寄り添うことがエールになる」 - (C) NHK

 第19週に突入した連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか、土曜は1週間の振り返り)。第90回放送では、五十嵐(本郷奏多)と破局し、ひなた(川栄李奈)が部屋で泣き崩れるなか、るい(深津絵里)が「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」をアカペラで歌うシーンが……。物語を象徴する音楽として流れ続けてきた曲には、どんな思いがあったのだろうか。演出を担当した松岡一史が思いを語った。

るいはやさしく慰め、ジョーは…「カムカムエヴリバディ」場面カット【写真】

 連続テレビ小説の第105作「カムカムエヴリバディ」は、昭和から令和にわたる時代をラジオ英語講座と共に歩んだ祖母・母・娘、3世代の親子の100年を描いた物語。映画『妖術七変化!隠れ里の決闘』のリメイク作品で、伊織という名前の役を勝ち取った五十嵐だったが、その後は大部屋俳優からなかなか抜け出すことができず自暴自棄に。ついにはもめごとを起こしてしまい、自ら時代劇俳優の道を諦める決断を下すのだった。

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 そんな五十嵐にひなたは「文ちゃんの夢が私の夢や」と、どこまでもついていく決意を見せるが、五十嵐は「もう傷つけたくないし、傷つきたくない。ひなたの明るさが放つ光がまぶしすぎるんだ」とひなたを突き放してしまう。自宅の部屋で泣き崩れるひなた。そんなひなたにるいは、アカペラで「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」をささやくように歌う。この曲はもちろん、るいの祖母と祖父にあたる安子(上白石萌音)と稔(松村北斗)から続く、物語にとって重要な曲である。

 松岡は「プレッシャーでしかなかったですね」といかにして物語上で魅せるかということに重圧があったという。「(るい役の)深津さんともどういった気持ちで、あの歌に至るのかというのは話をしました。最初はひなたを、日向の道に救い出してあげるようなイメージで明るく、とお伝えしたのですが、いろいろと話をするなかで、答えを導いてあげるというよりは、ただただひなたに寄り添うことがエールになるのでは、ということで、ああいった空気感の歌声になりました」と解説する。

 あの歌唱シーンで深津はほぼ実尺で歌い、編集上のカットはほとんどないという。松岡は「深津さんも、改めて人に向け、声に出して歌うということにはプレッシャーを感じていたと思います。そんななか、ダイレクトに感情が伝わるお芝居をしてくださいました」と振り返り、改めて深津の表現力に脱帽する。

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 歌唱シーンついて松岡は「『オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート』というのは、いろいろなバージョンがあるのですが、どういうメロディーラインで歌うのか、というところから議論を始めました」という。「でも、ここは、歌い方も含めて、安子さんと一緒にるいさんが聞いていたものを、ひなたに歌ってあげてほしいという思いがあったので、サッチモ(ルイ・アームストロング)が歌っているメロディーラインを採用しました」と演出意図を明かした。(取材・文:磯部正和)

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