主演女優賞はジェシカ・チャステイン！『タミー・フェイの瞳』で初オスカー

　第94回アカデミー賞の授賞式が、28日（現地時間3月27日）に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『タミー・フェイの瞳』のジェシカ・チャステインが主演女優賞を受賞した。

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　ニューヨークの名門ジュリアード音楽院で演劇を学んだジェシカは、舞台で注目を浴びた後、2008年の『ジョリーン（原題） / Jolene』で映画デビュー。カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた『ツリー・オブ・ライフ』（2011）などに出演し、『ヘルプ　～心がつなぐストーリー～』（2011）でアカデミー助演女優賞、翌年の『ゼロ・ダーク・サーティ』（2012）で主演女優賞にノミネート。瞬く間にハリウッドを代表する女優の一人に昇りつめ、満を持してオスカー像を手にした。

　『タミー・フェイの瞳』は、1970年代から1980年代にかけて、キリスト教福音派のテレビ伝道師としてスターとなった、ジム・ベイカーとタミー・フェイ夫妻の栄華と失墜を描いた作品。妻のタミー・フェイをジェシカが演じ、夫ジム・ベイカー役を『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのアンドリュー・ガーフィールドが務めた。

　アートメイクで縁取られたアイラインと唇、マスカラを重ねたつけまつ毛など、特徴的なメイクでも知られたタミー・フェイ。ジェシカは、彼女のビジュアルや歌唱パフォーマンスを再現するだけではなく、世間から批判もされた言動の一方で、あらゆる立場の人々を受け入れる愛も兼ね備えた、先進的なキャラクターとして表現。第28回全米映画俳優組合賞（SAG賞）でも主演女優賞を受賞し、前評判通りの受賞となった。

　壇上でジェシカは、フロリダで可決された性的指向や性自認にまつわる議論を学校の授業で行わないとする法案に触れ「私たちは、差別的で偏見に満ちた法律がこの国を席巻し、私たちをさらに分断する事態に直面しています」とコメント。罪のない人々が暴力や憎悪犯罪にさらされている現状に「こうした時、私はタミーのことを思い出し、彼女の徹底した愛の行いに触発されるのです」と続け「私たちは愛について幾度も話してきました。そして私は、彼女の思いやりに触発されることが、私たちを前進させる指針のようなものだと思います。そして、何者であるのかを受け入れ、愛するものを受け入れ、暴力や恐怖のない人生を送りたいという願望で私たちをつないでいます。そして、絶望や孤独を感じている人たちには、あなたという存在が無条件に愛されていることを知ってほしいのです」と呼びかけた。（編集部・入倉功一）

第94回アカデミー賞授賞式は、3月28日（月）午前7時30分よりWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて放送・配信中（午後10時より字幕版放送・配信）