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「カムカム」森山良子が“安子”として大切にしたこと「深津絵里さんを何度も抱きしめた」

「るいを見ただけでとても込み上げてくるものが……」
「るいを見ただけでとても込み上げてくるものが……」 - (C) NHK

 最終週に突入し、まもなく終わりを迎える連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか、土曜は1週間の振り返り)。アニー・ヒラカワ役として物語に登場した森山良子が、年齢を重ねた安子を演じるうえで大切にしたことを語った。

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 連続テレビ小説の第105作「カムカムエヴリバディ」は、昭和から令和にわたる時代をラジオ英語講座と共に歩んだ祖母・母・娘、3世代の親子の100年を描いた物語。森山が演じたアニー・ヒラカワは、ハリウッドが時代劇を撮影するために、日本に視察にやってきた日系人女性のキャスティングディレクターとして登場した。

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 映画村で出会ったひなたに意味深なメッセージを送るなど、その正体をめぐってさまざまな憶測を呼んできたが、るい(深津絵里)と生き別れた安子であることが明らかになった。そしてついに数十年の歳月を経て、愛する娘と対面することになったアニー・ヒラカワこと安子。その待望の再会は、物語を長く見続けてきた視聴者の涙を誘うこととなった。(編集部・大内啓輔)

Q:「安子」として役を演じるうえで心掛けたことを教えてください。
役作りのためにしたことは、ドラマの中の安子(上白石萌音)を見ていたこと。どういう風に育って、どういういきさつでアメリカに行ったかということや、安子がしゃべる雰囲気とか、そういうところを見ていました。でも、結局自分っぽくなっちゃうものですからね。真似ができるというものでもないですし、50年、60年のあいだに人も変わると思います。逆に、安子がアメリカに行ったあとの放送は見ていないんです。「お、ちょっとこれ見ちゃいけない」と思って、途中で視聴を止めました。私が知る必要がない内容だと思ったんです。安子はアメリカに行ってあえて日本に背をむけている。だから、ドラマで描かれている出来事をあまり情報として自分の中に入れてしまわない方が、そのまま安子が年をとってアニーになった感じが出せると思ったんです。だから、演じていて安子の気持ちのままで日本に戻って、アニーになっているような感覚です。

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Q:「安子」についての印象を教えてください。
安子は生まれてアメリカに行くまで、家柄の差や戦争など、いろんなことに阻まれてスッと生きては来られなかった。それを思うと、本当にせつないです。稔さんのことも、ずっと大事だったと思います。一番最初に好きになった人とようやく一緒になれた喜びと、その大切な人があっというまに戦争にいって帰ってこなかったせつなさは本当にやるせない。言葉に表せないくらい辛かっただろうと思うし、そういう方達があの当時たくさんいらしたんだろうなと思います。これだけの辛い思いをした人がたくさんいた、という戦争に対するメッセージにもつながっていますよね。人の気持ちや人の歩んでいく道筋、心向きが繊細に描かれているので、ひとつひとつのセリフに感動しています。

Q:撮影で印象的だったシーンを教えてください。
るいとの再会のシーンが最初の撮影だったんですが、るいを見ただけでとても込み上げてくるものがあってるい役の深津絵里さんを何度も抱きしめたほど。るいに再会できてすごくうれしかったと言うと変ですが、母である安子の思いがとてもよく理解できて、私の中に安子が存在していることを感じました。るいへのせつない気持ちはずっとありましたね。深津絵里さんはすごくすてきな女性だなと思いました。母親と離れて生きてきたことを感じさせる、凛とした美しさと佇(たたず)まいというか、強さというか、そういうものがものすごく感じられてとても感動しました。

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他にも、甥のジョージから岡山に行くことを促される場面で、アニーは明日ここを発ってもう二度と日本には戻ってこないと強がりを言うんです。その言葉の背景にはここで自分がみんなの前に出ていったら、せっかく今みんなが幸せにしているものを台無しにしてしまう、私は私でアメリカで幸せになっているんだからこれでいいんだと自分に言い聞かせている気持ちがあるんだと思います。自分の一番大切な娘のことですから片時も忘れていないんですが、自分から身を引くところに胸が詰まってしまいました。なんでこんなに強いの? 安子! って思うくらい。昔の日本の女性の慎ましくもたくましい一面を感じました。

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