社会のつまはじき者たちへ捧げる韓国産ノワール

2015年10月12日 なかざわひでゆき 無頼漢 渇いた罪 ★★★★★ ★★★★★

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無頼漢 渇いた罪

 ある殺人犯を追うはみ出し者の刑事が、犯人の恋人である場末のバーのマダムに接近し、やがて2人は奇妙な愛情で結ばれていく。
 監督によれば、タイトルの無頼漢とは一匹狼のことだという。大企業重役の元愛人で借金まみれの女盛りを過ぎたマダムと、汚職のまかり通る警察組織の暗黙のルールに背を向けた刑事。周囲の理不尽な圧力に激しく抵抗し、必死に己の尊厳を守ろうとしてきた2人が惹かれあう姿は切なく痛々しい。
 今もなお、弱者への差別や少数派への偏見が露骨で根深いと言われる韓国社会。そんな日陰者たちの孤独や怒り、そして哀しみが、暗く荒んだ世界で静かにざわめく。フィルムノワール的な洗練された映像美も見ごたえアリ。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:最近は今さらながらK-POPのボーイズバンドにドハマり中。一番の御贔屓はMCNDですが、NCTやTREASUREも大好き。もちろんBLACK PINKとかITZYとかEVERGLOWとかガールズにも夢中です。

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

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