シネマトゥデイ

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なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴: 映画および海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で10年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)などの著作も多い。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況: 新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください?なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆき さんの映画短評

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  • 十年
    決して他人事ではない香港の10年後を占う5つの物語
    ★★★★

     学生を中心とした’14年の反政府デモ「雨傘運動」の記憶も新しい香港。今年7月には親中派とされる新行政長官が就任し、香港の自由と人権はさらに不透明なものとなりつつある。5人の若手監督が10年後の香港を予想したオムニバス映画である本作には、そんな香港市民の将来に対する不安が如実に反映されていると言えよう。
     そこから垣間見えるのは、市民の分断や言論統制、中央政府の干渉など、香港社会が既に抱えている問題の数々。それは、共謀罪や憲法改正に揺れる日本、トランプ政権下で混乱するアメリカなど、世界情勢の今とも多くの点で重なる。この暗い未来予想図を避けるためにはどうすればいいのか。深く考えさせられる映画だ。

  • 彼女の人生は間違いじゃない
    福島の今に人間や世の中の不条理を見る
    ★★★★

     震災からおよそ6年。平穏な日常を奪われ、愛する家族や友人を失い、将来への不安を抱えながら生きる福島の人々の、いまだ癒えることのない悲しみや喪失感、虚無感を描く。淡々としながらも丹念にじっくりと炙り出していくドキュメンタリー的な語り口がリアリズムを増す。
     週末に東京でデリヘル嬢の仕事をするヒロイン、保証金をパチンコにつぎ込む人々など、にわかに理解しがたい部分もあり戸惑うが、しかしそこに彼らの深い心の闇を垣間見る。そもそも人間とは不条理で矛盾した不完全な生き物だから。そして、自然災害や戦争などに見舞われた世界中の町や村で、同じような葛藤を抱えた人々がいるであろうことに想いを馳せる。

  • 怪盗グルーのミニオン大脱走
    ワルな魅力の薄れたグルーはちょっと物足りない
    ★★★★★

     今や悪党を卒業して正義の味方となった「元怪盗」のグルーが、愛する家族と共に過去最強の敵に立ち向かう。その敵というのが、落ちぶれた’80年代の元子役バルタザール。全編にマドンナやネーナの80’sポップスが散りばめられ、『ナイトライダー』や『スターウォーズ』のパロディが飛び出し、グルーの双子の兄弟まで登場するなど、とにかくカラフルで賑やかな楽しさは健在だ。
     ただ、ストーリー展開は予定調和で意外性に乏しく、グルーのワルな魅力が薄れた分をバルタザールの強烈なキャラがカバーしているものの、それでも前作までのようなドラマの厚みはない。とりあえず、ミニオンズの大ファンとしては満足だけどね!

  • ハローグッバイ
    少女たちは本音を隠して仮面をかぶる
    ★★★★★

     目立たない優等生とクラスの人気者。まるで正反対の女子高生2人が、近所に住む痴呆症のお婆さんを連れて、初恋の男性に宛てたお婆さんの手紙を届ける旅に出る。
     学校であれ会社であれ、人は誰もが多かれ少なかれ表向きの顔を演じている。家族を心配させないため、自分の身を守るためなど理由は人それぞれだが、しかし本当の自分とのギャップはいずれ重荷となる。多感な年齢の少女なら尚更だ。その揺れ動く感情を繊細に捉えた青春ドラマとして共感できる点は多い。
     ただ、初恋の人を想い続ける痴呆症の老女役に、もたいまさこはちょっと違うかな。ここは例えば、市原悦子や岩本多代のようなタイプの女優さんの方が適役だったろう。

  • 甘き人生
    亡き母を想う哀切が古き良き時代への郷愁を誘う
    ★★★★

     イタリアのベテラン巨匠マルコ・ベロッキオの最新作。幼くして最愛の母親を失った男性の深い喪失感を、’60年代の幼少期と’90年代の現在を交錯させながら浮き彫りにする。
     と同時に、これは高度経済成長期の’60年代と財政赤字やEU統合に揺れる’90年代を対比することで、その間にイタリア社会が失ったものを模索する話でもある。原題の「甘い夢」が意味するのは、母親の愛情でありかつて庶民が抱いた希望でもあるのだ。
     全編に流れるドメニコ・モドゥーニョやジャンニ・モランディの懐メロ・カンツォーネ、情熱的に歌い踊るラファエラ・カッラのテレビ映像が、古き良き時代への郷愁を駆り立てる。切なくもほろ苦い映画だ。

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