シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴: 映画および海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で10年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)などの著作も多い。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況: 新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください?なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆき さんの映画短評

全1,045件中1~5件を表示しています。 Next »
  • ゼニガタ
    荒々しさの中にも豊かな人情味を漂わせた闇金ムービー
    ★★★★

     表向きは居酒屋の看板を掲げた地方都市の闇金業者を主人公に、金を巡って入り乱れる欲望の群像ドラマを通して、疲弊し衰退する日本の田舎の底辺を炙り出していく。セックスとバイオレンス満載のハードな描写を含め、『ナニワ金融道』や『闇金ウシジマくん』の系譜に連なる作品と言えるだろう。
     とはいえ、その視点はあくまでも閉鎖的な地域社会で行き場を失った弱者側に寄り添っており、立ち振る舞いから優しさの滲み出る主演俳優・大谷良平の個性とも相まって、荒々しさの中にも豊かな人情味を漂わせた作品に仕上がっている。ウシジマくんの後味の悪さが苦手…という人にもおススメ。

  • 犬ヶ島
    日本文化への愛と日本社会への警鐘が同時に感じられる
    ★★★★★

     江戸・明治・大正・昭和が混在する摩訶不思議な近未来ニッポン。確かに独特の合わせ技は奇抜だが、しかし一つ一つのパーツを見ていくとウェス・アンダーソン監督が日本文化を極めて正確に熟知していることが分かる。オモチャ箱をひっくり返したような賑やかさも楽しい。視覚の情報量が多いため目で追うのもやっとだが、それゆえ繰り返し見るたびに新しい発見があるはずだ。
     大衆を巧妙に欺き権力を私物化する独裁者に少年と犬たちが反旗を翻す物語には、フランク・キャプラの昔から変わらぬアメリカ映画の良心とトランプ時代への風刺が感じられる。それは、現代日本社会の全体主義的な戦前回帰の風潮に対する警鐘とも受け取れるだろう。

  • ゲティ家の身代金
    富裕層独特のマインドに迫る秀逸なケーススタディ
    ★★★★

     最愛の孫が誘拐されたにも関わらず、その身代金の支払いを拒否した世界一の大富豪ジャン・ポール・ゲティの実話を基にしたサスペンス。資産総額を考えれば微々たるような金でも徹底的にケチるゲティ、対して息子を救い出すために万策を尽くす庶民の母親。その対比によって富裕層独特のマインド、つまり彼らはなぜ圧倒的に金持ちなのかという核心に迫る。誘拐犯の方がよっぽど人間的に見えるのは皮肉だ。
     降板したケヴィン・スペイシーの代役として、たった9日間の追加撮影でゲティ役を演じたクリストファー・プラマーの存在感は圧倒的。これぞ名優だ。なお、誘拐された孫の息子が『ロスト・ハイウェイ』などの俳優バルサザール・ゲティ。

  • ダリダ あまい囁き
    ダリダ本人が降臨したようなステージ再現シーンは鳥肌もの
    ★★★★★

     フランスではピアフにも匹敵する国民的な人気を誇る、偉大なシャンソン歌手ダリダの生涯を描いた作品。熱狂的なダリダ・ファンを自負する筆者としては大いに期待していたのだが、しかし数々の破滅的な恋愛遍歴やキャリアの浮き沈みに彩られた波乱万丈の人生は2時間強に収まりきるものではなく、残念ながら全体的に表層をなぞっただけの物足りなさは否めない。
     ただ、ダリダ役のスヴェヴァ・アルヴィティは本人にかなり酷似しており、ステージ・パフォーマンスの再現シーンはまさに鳥肌ものの完成度の高さ。代表曲の大半がしっかりと網羅されているのも嬉しい。あと、サンレモ音楽祭の仕組みなど、欧州音楽界の基礎知識は見る上で必要かも。

  • 蝶の眠り
    韓国人監督の日本文化への愛情を感じる珠玉のラブストーリー
    ★★★★★

     遺伝性アルツハイマーを発症した50代の人気女流作家と、留学生の韓国人文学青年との儚い恋の行く末を軸にしつつ、徐々に記憶を失っていくヒロインの終活に焦点を当てたラブストーリーである。
     年の離れた美男美女による切ないロマンス、随所に織り込まれる日本文学の香り、スタイリッシュで端正なビジュアル。いろいろな意味で美し過ぎるゆえ、登場人物の苦悩や葛藤がいまひとつ伝わりづらいことは否めないだろう。
     一方で、中山美穂の起用の理由となった岩井俊二作品など、チョン・ジェウン監督の視点を介して現代の韓国人が受けた日本文化の影響が垣間見える点は興味深い。根津まなみのエンディング・テーマ曲も実に味わい深い。

全1,045件中1~5件を表示しています。 Next »
[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク