シネマトゥデイ

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なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴: 映画および海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で10年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)などの著作も多い。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況: 新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください?なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆき さんの映画短評

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  • オペレーション・クロマイト
    見事なエンタメ性で韓国人の愛国心を高揚させる戦争大作
    ★★★★

     朝鮮戦争の戦況を一変させた仁川上陸作戦を題材に、その陰で作戦を成功へ導くために北側へと潜入し、命を散らせていった実在の兵士たちを描いた戦争映画だ。
     自由を守るため命懸けで任務に挑む兵士たち、朝鮮半島の平和を願い賭けに出るマッカーサー。北側の極悪非道な描写も含めて愛国プロパガンダ色は濃厚だ。この種の映画は日本だと揶揄されがちだが、しかし時局を見定めて観客の望むものを提供するのは正攻法であり、国民から高く支持される韓国映画界の強みの一つだと言えよう。
     韓国映画らしいハードなバイオレンスと絶妙な泣きのツボ、’60年代ハリウッド戦争映画を彷彿とさせるエンタメ性も見事。韓国人でなくとも感極まる。

  • スイス・アーミー・マン
    人生に絶望した若者と人生を忘れた死体の奇想天外な大冒険
    ★★★★★

     ダニエル・ラドクリフが死体を演じることでも話題の本作。これがですね、奇想天外にもほどがある前代未聞の大傑作なのだ。なにしろ、冒頭から死体のおなら=腐敗ガスの噴射圧力で無人島から脱出しちゃうんだもんね(笑)。お尻をむき出しにしたラドクリフ君の死体にまたがり、颯爽と大海原を駆け抜けていくポール・ダノ。まさに大冒険の幕開けだ。
     人生に絶望した若者と人生を忘れた死体の奇妙な友情物語。シュールでブラックな笑いを散りばめながら、生きるとは何ぞや?を問いかける脚本は素晴らしく秀逸。言葉を喋り始める死体が、果たして主人公の妄想なのかどうか、最後までハッキリとさせないところもいい。

  • オン・ザ・ミルキー・ロード
    クストリッツァ映画の醍醐味溢れる狂乱の生命賛歌
    ★★★★

     エミール・クストリッツァ久々の長編劇映画だが、戦争や死という暗く重いテーマを取り扱いつつ、溢れんばかりのバイタリティと人を食ったようなユーモアで謳いあげられる、大らかで慈愛に満ちた生命への賛歌は依然として健在だ。
     今回は戦時下の某国で繰り広げられる中年男女の恋の逃避行。牧歌的な田舎を舞台に個性的な奇人変人や愉快な動物たちが入り乱れ、情熱と哀切のバルカン・サウンドがかき鳴らされるお祭り騒ぎの中で、暴力的なリアリズムと詩的なファンタジーが交錯していく。
     マンネリと言われればそれまでだが、しかしこれこそクストリッツァ作品の醍醐味。少女のような瑞々しさを兼ね備えたモニカ・ベルッチも素晴らしい。

  • 望郷
    田舎で生きることの難しさに向き合った秀作
    ★★★★

     舞台は瀬戸内海の因島。由緒正しい家柄に生まれたゆえ、島を出ることも許されず夢を諦めた女性と、中学教師として故郷へ久しぶりに戻るも、学校のいじめ問題や地域社会のしがらみに苦悩する男性、それぞれの過去と現在を「家族」や「親子」をキーワードに描きつつ、日本の…いや、恐らく世界中の静かに衰え行く田舎が抱える暗い闇が浮き彫りにされる。
     と同時に、自らを育んだ故郷や複雑な想いのある親への深い愛情も滲む。湊かなえ原作ゆえ確かにミステリーの要素はあるものの、むしろ地方で生きることの難しさに向き合った人間ドラマとして秀逸。そして、その中でいかに前へ進んで行くのか。変化の予兆を感じさせるラストも印象深い。

  • 三度目の殺人
    人が人を裁くことの難しさ
    ★★★★★

     是枝監督としては珍しい本格的サスペンス。しかし、冷たいエリート弁護士の人間的な成長と変化、壊れかけた(もしくは壊れた)家族の関係など、過去作品と共通する要素や設定は少なからず見受けられる。ノワリーッシュでありながらも透明感のある瀧本幹也のカメラを含め、やはり見終わった後の印象は紛れもない是枝作品だ。
     法廷サスペンスでありながら最後まで真相をうやむやにすることで、日本の司法制度の危うさに警鐘を鳴らし、引いては人が人を裁くことに疑問を投げかける。多くを観客の想像や解釈に委ねる語り口は洗練されている。ただ、二転三転する物語の経緯が呑み込みづらく、次第に興味をそがれてしまうことも否めない。

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