なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴: 日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとしてキャリア30年。TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。海外取材経験も多数。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況: 最近は今さらながらK-POPのボーイズバンドにドハマり中。一番の御贔屓はMCNDですが、NCTやTREASUREも大好き。もちろんBLACK PINKとかITZYとかEVERGLOWとかガールズにも夢中です。

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆき さんの映画短評

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  • フォーエバー・パージ
    差別や暴力は麻薬のように中毒化する
    ★★★★

     全体主義化したアメリカで国民のガス抜きのため、年に1度の12時間だけ殺人が合法化される…という設定でフランチャイズ展開してきた『パージ』シリーズ最新作。パージ法のタイムリミットに飽き足らなくなった一部の市民が暴徒化し、遂には政府の機能が麻痺したことから、6時間後に迫った国境封鎖までに国外脱出を試みる人々のサバイバルが描かれる。差別や暴力を少しでも許したら最後、麻薬のように中毒化してしまうというのはその通り。移民を快く思っていなかった白人富裕層と、差別に不満を持つ移民労働者が、生き残りを賭けて団結するうちに互いを認め合うという筋書きも、ベタではあるが現代社会に向けた大切なメッセージを孕む。

  • a-ha THE MOVIE
    ノルウェーから飛び出した世界的ポップ・バンドの軌跡
    ★★★★★

     かつて日本でも一世を風靡したポップ・バンド、a-haの40年に渡るキャリアを振り返るドキュメンタリーだ。ポップス後進国ノルウェーから初めて登場した世界的トップスター。前例のないパイオニアだからこその苦労と試行錯誤のエピソードも興味深いが、実は楽曲制作やレコーディングの主導権を巡ってメンバー間でバチバチに火花を散らしていたという裏話も、アイドル的な売り方をされていたバンドのイメージとは真逆のハードモードで実に面白い。それが結果的に良い作品を生み続ける秘訣となったわけだ。世界中で大ヒットした「テイク・オン・ミー」が実はリテイク版で、最初のバージョンは本国以外で全く売れなかったというのも驚き。

  • チェルノブイリ1986
    未曽有の原発事故を市民の視点から描いたスペクタクル大作
    ★★★★★

     チェルノブイリの原発事故を描いた作品といえば、HBOドラマ『チェルノブイリ』がすぐに思い浮かぶが、あちらが主に運営管理者たちの視点から、事故を招いてしまった全体主義国家における社会システムの様々な欠陥を鋭く糾弾したのに対し、本作では最悪の事態を防ごうと奔走する現場作業員や事故で生活を奪われた地元住民たちにフォーカスし、未曽有の困難に直面した人々の勇気をドラマチックに描く。人生の重要な決断から逃げてばかりいた消防士の主人公が、被災した息子のために心を入れ替えるというプロットを含め、極めてベタな災害メロドラマだが、スペクタクルなパニック・シーンの迫力やソ連時代の再現度の高さは評価できる。

  • ワン・セカンド 永遠の24フレーム
    国家の規範から落ちこぼれた弱者たちの痛みと哀しみ
    ★★★★

     時は1969年、文化大革命下の中国。場所は広大な砂漠に囲まれた辺境の村。数か月に一度だけ巡回してくる国策映画が唯一にして最大の娯楽だった当時、併映のニュース映画に1秒だけ映る我が娘の姿を一目見ようと脱獄した悪質分子の男と、やむにやまれぬ事情から映画フィルムを盗もうとする貧しい少女の触れ合い。チャン・イーモウが『赤いコーリャン』の頃の原点に立ち戻った作品だ。そこに描かれるのは素朴な時代へのノスタルジーというより、共産党政府が求める模範的な市民像から落ちこぼれてしまった弱者たちの痛みと哀しみ。その不条理はイデオロギーが富とすり替わっただけで、現在の中国でも依然として存在するのではと感じさせる。

  • ハケンアニメ!
    アニメ業界以外にも通じるプロの葛藤と真髄
    ★★★★

     地方公務員からアニメ業界へ転身した新人の女性監督と、天才との呼び声がむしろ重荷となっているカリスマ監督が、お互いに裏番組となった話題作で視聴率を激しく競うこととなる。アニメ制作の最前線をリアルな群像劇として鮮やかに活写しつつ、会社や視聴者からの期待と自らの作家性の狭間で主人公たちが味わう苦悩と葛藤を描いた作品。ビジネスのためにどこまで妥協すべきなのか、そもそも作品とはリーダーたる監督だけのものなのか。アニメ以外の職業にも通じるような問いが投げかけられる。そういう意味で、アニメファンでなくとも共感を得られる話だろう。また、劇中のアニメ作品のハイクオリティが物語に説得力を与えている。

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