シネマトゥデイ

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くっきり骨太なメッセージ

  • 続けて公開となる『サラエヴォの銃声』が緻密な設計を見せるのに対し、こちらはえらく大ぶりな作りのタノヴィッチ作品。善良な庶民の出世物語、からぐるっと反転して告発劇が進む展開はO・ストーン的、あるいは今井正か。インド映画チームとのコラボも影響しているのか、愚直だが太い筆致。

    モデルの事件は90年代のもので、粉ミルクに特化して本作を捉えると誤解も生じる気がする。あくまでグローバル企業と医療の結託、食品と健康、「最たる被害者は子供」ってことについて、数々のドキュメンタリーが伝えてきた問題の本質を改めて俎上に載せている感じ。基本は直球勝負だが、ユニークなのは映画作家の信念を重ねたメタ構造の部分だろう。

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「週刊プレイボーイ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: 10月12日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町にて『運命は踊る』18:55の回上映後、脚本家の會川昇さんとトークさせていただきます。BSスターチャンネルの無料放送番組「GO!シアター」、10月は『ピッチ・パーフェクト ラストステージ』『ガンジスに還る』についてコメントしています。執筆参加した『世界のカルト監督列伝』『鬱な映画』『漫画+映画!』『新世紀ミュージカル映画進化論』『究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10』(いずれも洋泉社)が発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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