シネマトゥデイ

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: インターネット番組『活弁シネマクラブ』でMC始めました(YouTubeにチャンネル登録)。3月15日より、映画ジャーナリストの徐昊辰さん(中国映画産業の現在)の回を配信中。ほか、二宮健監督(『チワワちゃん』『疑惑とダンス』)、広瀬奈々子監督(『夜明け』)、緒方貴臣監督(『飢えたライオン』)、関根光才監督(『太陽の塔』『生きてるだけで、愛。』)、武正晴監督(『銃』)、塚本晋也監督(『斬、』)の回が配信中。アーカイブ動画はいつでもYouTubeで無料で観れます。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

森 直人 さんの映画短評

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  • バンブルビー
    『トランスフォーマー』第一作以来の出来、あるいはそれ以上
    ★★★★★

    87年のカリフォルニアで、プリテンダーズのC・ハインド(米生まれだがロンドンに渡った姉御)が見守る下、ザ・スミスの「ビッグマウス・ストライクス・アゲイン」で目覚め、パジャマ替わりはE・コステロのTシャツ。UKロックに自我を託すヘイリー・スタインフェルドは高濃度なジョン・ヒューズ的ヒロイン像だ。デジタルコーティングのおばけと化していた本シリーズが久々に程よいアナログ感とティーン物の瑞々しさを取り戻した。

    スミスでは「ガールフレンド・イン・ア・コーマ」が大ネタで、そこにも絡めた「DJバンブルビー」のアイデアも最高。女子とビートルのコンビはリンジー・ローハン主演の“ラブ・バッグ”=『ハービー』的!

  • 翔んで埼玉
    距離感と温度感の大勝利
    ★★★★

    満員御礼の劇場で鑑賞。国民的ヒット作へと伸びてる気配だが、まあ大きく言うと、トランプ風刺にも思えますね(笑)。バックラッシュ時代の身も蓋もなさと現状のフラット化(埼玉化)での挟み撃ちが絶妙。大らかに笑い飛ばすのがおそらく地域差別への最適解で、「程良い解放」に満ちている。『SR サイタマノラッパー』から10年、ある成熟を感じるなあ。

    漫画原作映画という日本の特殊文脈の中で、『テルマエ・ロマエ』に続き結構なスケールでニセ世界をバラエティ的に構築する武内英樹監督の力量は突出。「小倉優子(千葉)、弱い!」とかウケたわ。二階堂ふみは三島由紀夫やヴィスコンティ的にもなるが、BLへの距離感も「大衆的」。

  • 愛がなんだ
    今泉力哉テーマの端正な拡張
    ★★★★★

    角田光代が創造したハードコアな「好き」至上(原理)主義者のテルコ(岸井ゆきの)! これは今泉的主題に則った最強(狂)キャラの投入だろう。社会的転落も気にしない徹底した「100かゼロか」系。恋愛依存と共に贅肉がつくように、誰にとってもやっかいな重い存在になっていくが、「まあ別に世の中回すために生きてるんじゃないしね」等と秀逸な映画オリジナルの台詞も飛び出す。

    サークル的な群像の輪舞は『サッドティー』で完成を見た数値的な連鎖でもあるが、母のようになりたくないから父のようになっちゃってる葉子(深川麻衣。『パンとバスと2度目の~』に続く好演)など世界の縮図的精度も高い。『まんぷく』の姉妹役が親友役!

  • イップ・マン外伝 マスターZ
    大好き(単体鑑賞も無問題!)
    ★★★★★

    ずっぽりハマった。なんせマックス・チャンが最高! 『継承』の退場の続きで今や市井のパパとなった『クレイマー、クレイマー』の系譜。一線から降りた設定のせいか、いい具合に油が抜けた色気を醸し出す。むろんカンフーは美麗! そしてミシェル・ヨー! 熟年のボス役ながら一度動けばキレッキレのアクションヒロイン。ひたすら痺れる。

    『イップ・マン』本編は史実ベースの一大サーガだが、本作は完全創作スピンオフの軽さがプログラムピクチャー的な人懐っこさとテンポ感を付与させた気がする。監督はユエン・ウーピン。『ドランクモンキー 酔拳』等に夢中だった少年期の感動と興奮が蘇る。筆者にとってコレは「香港映画的に完璧」だ。

  • バイス
    マイケル・ムーアの隣にある仕事
    ★★★★

    『LBJ』がJFK物のスピンオフだとしたら、こちらはブッシュ(/トランプ)物を補完する大玉。内容はバートン・ゲルマン著『策謀家チェイニー』に沿ったものとも言えるが、『マネー・ショート』で気を吐いたアダム・マッケイのポップ&トリッキーな語り口は米国史の闇を高次元でブラックコメディ化する。

    マッケイいわく、本作は『パットン大戦車軍団』に影響を受けたらしい。かつて映画評論家・佐藤重臣はパットンが手にした権力を「自分のオモチャ」と表現した。チェイニーも同様だろう。凡人が天才になってしまう恐怖、とのラインで考えればナチス物に接続できそう。その根幹を揺るがす娘メアリーの存在はもっと強調されても良かった。

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