シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況: YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。2月14日より、入江悠監督(『AI崩壊』)の回を配信中。ほか、タナダユキ監督(『ロマンスドール』)、岩井澤健治監督&大橋裕之さん(『音楽』)、片山慎三監督(『岬の兄妹』)と『パラサイト 半地下の家族』を語り尽くす特番、森達也監督&河村光庸プロデューサー(『i 新聞記者ドキュメント』)、小林啓一監督(『殺さない彼と死なない彼女』)、竹内洋介監督(『種をまく人』)、渡辺紘文監督&雄司さん(『普通は走り出す』など大田原愚豚舎の世界)、瀬々敬久監督(『楽園』)、今泉力哉監督(『アイネクライネナハトムジーク』)、二ノ宮隆太郎監督(『お嬢ちゃん』)、大森立嗣監督(『タロウのバカ』)、樋口尚文監督(『葬式の名人』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

森 直人 さんの映画短評

全670件中1~5件を表示しています。 Next »
  • ジュディ 虹の彼方に
    スタア全身全霊
    ★★★★

    アカデミー主演賞繋がりではないが、このR・ゼルウィガー演じるジュディ・ガーランドを観ながら『ジョーカー』のホアキンと重なる瞬間が多々あった。疎外と孤独。濃いメイクと作り笑顔。助演オスカーのブラピとL・ダーンが共にクールな立ち位置なのに対し、主演はハードコアな魂と業を宿した2人に贈られたのは興味深い。

    「アメリカの恋人」と呼ばれた女性の悲劇は『ホイットニー』等にも隣接し、スターの自分が等身大の自分を押し潰していく道の中で一縷の救いとなった愛の形はもの凄く胸に迫る。重要な役割を果たすシンボリックな“あるカップル”にも拍手。『オズの魔法使』との二本立も大丈夫――その難しい資格を有する映画だろう。

  • ハスラーズ
    祭りのあとも人生は続く
    ★★★★

    「2007年は最高の年だった」――アッシャー登場を絶頂点としたリーマンショックを分割線とするウォール街物語。これはA・マッケイ(本作製作)の『マネー・ショート』の姉妹編とも位置づけられるだろう。放電度の高い映画だが、一番インパクトがあったのはジェニファー・ロペスがOLD NAVYで働いている姿!

    出だしだけ取ると『素顔のままで』か『ショーガール』か、ブラッカイマー映画のワンシーンのようだが、中身はショーン・ベイカー監督の世界にも通じる女性の連帯劇で、『SEX AND THE CITY』が遠い昔に思えるサバイバルドラマ。監督のL・スカファリアは傑作『エンド・オブ・ザ・ワールド』(12年)の人。

  • レ・ミゼラブル
    無情のパリ郊外の“ドゥ・ザ・ライト・シング”
    ★★★★★

    このタイトルはよくつけたもの。本当にヴィクトル・ユーゴー meets スパイク・リー的な雄篇だ。『ああ無情』の旧邦題で知られる1862年の同名小説は貧困・暴動・革命の時代が背景。そこから現代にワープすると、やはり混沌とした犯罪多発エリアが広がっていた。

    振り返れば1995年、ユダヤ系・アフリカ系・アラブ系の若者を主人公とした『憎しみ』がバンリューの公営住宅地域のリアルを描き「おフランス」のロマンと仮面を引っぺがした。新鋭監督ラジ・リは2005年の暴動の記憶をベースに、前の“レミゼ”超えのボリュームで警報の音を鳴らす。猛烈なストリートの詩。カンヌで『パラサイト』のライバルの一つだったのも納得!

  • 地味な良品を超える“珠玉度”の高さにびっくり! S・ラブーフが「マーク・トウェインの世界だ」と自己言及的に呟く通り、まさにハックルベリーの素晴らしき変奏。「筏で川下り」を核にした少年性豊かな青年達の旅。米南部ジョージアの風景。カントリー・ブルース。伝統的なテンプレに則りつつ、可愛い“無法者コンビ”のひと夏の物語を開放感溢れるタッチで紡いでいる。

    「フロリダへ行く」というモチーフは『真夜中のカーボーイ』を想起するが、ヒロインの絡み方、プロレスのモチーフも良く、登場するキャラに皆嫌味がない。序盤でB・ダーンが言う「そうさ、友達ってのは自分が選べる家族だ」とのキーワードが通奏低音として鳴り続ける。

  • スキャンダル
    日本でも「あの問題」等とモロに重なる
    ★★★★

    言わばMeTooやTime's Upなど女性のエンパワーメント第一期総括。企画を立ち上げた時は運動が起きる前だったそうで、ハリウッドの現実/時代と併走する力と速度に改めて感嘆。問題意識がマスに降りてくる遙か前、川の上流で捕まえてるってことだろう。舞台は前の大統領選期(16年)だが、今年11月の準備戦にも見える。

    いわゆる右派、共和党内部の話ながら、政治的に細かいレイヤーや分断がある見取り図も今っぽい。作風は監督より脚本C・ランドルフ(『マネー・ショート』)の個性が強いか。C・セロンとN・キッドマンの二大姐御に、どこか似た匂いを受け継ぐ後輩M・ロビーの三連星ジェットストリームアタックも強力!

全670件中1~5件を表示しています。 Next »
[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク