シネマトゥデイ

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「週刊プレイボーイ」「Numero TOKYO WEB版」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: BSスターチャンネルの無料放送番組「GO!シアター」、8月は『バンクシーを盗んだ男』『オーシャンズ8』『タリーと私の秘密の時間』についてコメントしています。執筆参加した『世界のカルト監督列伝』『鬱な映画』『漫画+映画!』『新世紀ミュージカル映画進化論』『究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10』(いずれも洋泉社)が発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

森 直人 さんの映画短評

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  • ミッション:インポッシブル/フォールアウト
    エクストリーム・アクション・ドキュメンタリー
    ★★★★★

    『M:I』のレヴェルが変わった!と慄いたのは第4弾『ゴースト・プロトコル』だが、B・バードの演出はアニメ的な「軽み」が基調。それをリアル・アクションの「重さ」に変換したのが『ローグ・ネイション』のC・マッカリーだった。今回はキートン/ロイド→ジャッキー文脈における、アスリート的挑戦に接近した活劇の最高到達点である事は間違いないと思う。

    危惧はただ一点、前作までの話の流れを把握してから観てね!って事だけで、そこをクリアしていれば集大成的な「祭り」として存分に愉しめる内容だ。ついに『M:I』は「どれが歴代BESTか?」というビートルズのアルバムを巡るような会話が交わされるシリーズになったはず!

  • 高崎グラフィティ。
    無視できない「気持ち」が刻まれている
    ★★★★

    ありふれたポップソングをガレージバンドが全力で演奏しているような熱量と生っぽさが魅力。「ワンナイト」ならぬ高校卒業式後の数日間を、『ブレックファスト・クラブ』的な群馬高崎の五人組が生きる。彼らは自己決定が宙に放り出されたことで、社会から完全浮遊する特別な時間を共有することになる。

    もっと主人公達の「階層」や「校風」が絞れていればいいのに、とか、定型を活かすというより呑み込まれている部分など、正直拙いと思う点は多々ある。だが油断していると思わぬところで加点が繰り出し、こちらの心に引っ掻き傷を作る。キャストは実力者を揃えているが、メインをエモさ重視、脇をしっかり安定させたフォーメーションも好感。

  • ウルフなシッシー
    こういう人がメジャーになったら面白いのになあ
    ★★★★

    おおっ、「書ける」人だ! と率直に驚いた大野大輔(1988年生まれ)監督・脚本・主演作。彼扮するスカトロAV監督と、オーディション落ち倒しの劇団女優(根矢涼香、素晴らしい!)――ほぼ終わってるようで、負の要素でぴったり惹き合う腐れ縁アラサーカップルの小競り合いが狭くて汚い同棲部屋へとなだれ込む怒涛の約80分。

    微細に角度を変えて繰り出される、ああ言えばこう言うの応酬。「リアルな会話」を倍速で回転させ、倦怠から逆流していくどん詰まり日本のスクリューボール・コメディ。本気で磨けば高値で売れるかも、とか夢想してしまう泥まみれの原石だ。TAMA NEW WAVEの一等賞とベスト女優賞&男優賞、納得。

  • SUNNY 強い気持ち・強い愛
    新たな国民映画――「Jポップ・グラフィティ」になるかも
    ★★★★★

    大根仁×川村元気の最大膨張率をマークしたか? ディテール充実のスーパー大衆映画。韓国版がアメリカナイズされた「863世代の妹たち」を描くのに対し、日本社会の転換期としてよく語られる「95年(辺り)」の記憶をフィクション再構築。大根・川村の世代差やクラスタの違いが功を奏し、単一の認識による世界像ではなく多層的で入口の多い映画空間になった。

    選曲はある種再発見。久保田利伸「LA・LA~」の完成度など改めて聴くとびびる。フィナーレ号泣は必至。CICSOのレコ袋に初期エイプのイケメン大学生をめぐり甘酸っぱく響く「SWEET 19 BLUES」は『アメリカン・グラフィティ』ばりの恋しさとせつなさ強度!

  • ヒトラーを欺いた黄色い星
    歴史というフレームの中、個人はあの手この手で生きる
    ★★★★

    家族でドイツを離れ、アムステルダムに移住して約2年の隠れ家生活を送ったのがアンネ・フランクの悲劇だが、一方最も危険なはずのベルリンには7000人ものユダヤ人が潜伏し、なんと1500人が生き延びた。戦後70年経ち、その中の4人の貴重な証言を再現ドラマで補完した構成が秀逸。

    ポイントは青春映画でもあること。当時16歳~20歳だった彼らのエピソードは「若さ」ゆえの屈託なさも際立つ。その意味で『ルシアンの青春』や『僕を愛したふたつの国』等に隣接するナチス下の風景とも言えるだろう。市民社会を覆う疑心暗鬼の嵐と緊迫のサバイバル。この混沌から人間の愚かさと賢さ、狂気と希望の両面を一気に学ぶことができる。

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