シネマトゥデイ

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「朝日新聞」「キネマ旬報」「テレビブロス」「週刊文春」「週刊プレイボーイ」「メンズノンノ」「Numero TOKYO」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: 執筆参加した『究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10』(洋泉社)が発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

森 直人 さんの映画短評

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  • ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣
    天才の孤独、ある家族の物語
    ★★★★

    D・ラシャペルが撮ったホージアのMVの人か……程度の前知識で観始めたら、ぐいぐい惹き込まれてしまった。開演前の楽屋で強壮剤や鎮痛剤を服用し、ブラック・サバスの「アイアンマン」が流れるオープニング。ウクライナでの貧しい幼少期から踊り始めたバレエ界の“バッドボーイ”は、想像を絶する苛酷な心身の闘いを強いられていた。

    「夢は全て叶えた。今は普通の人生が欲しい」――。ポルーニンにとっては両親の離婚が決定的なトラウマであり、天命をいかに受け入れるか、の課題と家族の再生への道のりが重なる。神がかったダンス・パフォーマンスの裏側で、愛を希求する“ありふれた青年”の姿には、胸打たれずにいられない。

  • ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー
    相当な驚きの映画論・仕事論・人生論
    ★★★★★

    実はこれ、「衝撃作」のたぐい。ハロルド・マイケルソンの絵コンテ目当てに二度観てしまった。とにかく『十戒』の決め手となった画が30代の頃の彼の手によるもので(「漫画原作」レベルですよ!)、しかもセシル・B・デミル監督とは直接会う事もなかったエピソードは強烈。色々考えさせられる。「クレジット」と、最大貢献者は違う。これはあらゆる仕事の現場で見られる光景かもしれない。

    もちろんリサーチャーのリリアンの仕事も同様。夫妻がひとつの業界の中で、長年かけて正当に評価されていく過程は世の良心を見る想いがする。『シュレック2』の国王&王妃に彼らの名前が付けられた事は、ささやかだがとても美しい称号だ!

  • コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~
    変わらないアナタにサービスポイント
    ★★★★

    ケヴィン・スミス監督の「浮上しない感」がハンパなく、つい偏愛してしまう(笑)。珍作『Mr.タスク』のスピンオフというまさかの形で、リリー=ローズ&ハーレイ・クイン(監督の愛娘)を使って『クラークス』的なカナダ女子映画を作ってしまうとは。W(ダブル)アンダーソンとかスパイク・ジョーンズとか、近い頃にデビューした同世代が立派になっていく中、彼の“ステイぼんくら”ぶりはもはやハードコア。こういう奴が一人いてもいい!

    親子二代でバカやってます、的な「身内ノリ」もさらに延長し、前作に続きジョニデ参戦。後半おっさん臭が増してくるのはご愛敬。言ってもいいと思うけど、お母ちゃん(ヴァネッサ)も出てますんで。

  • 怪物はささやく
    ママからの最後の教育、というニュアンス
    ★★★★★

    原作は有名な児童文学だが、J.A.バヨナらしい脚色で映画も傑作に仕上がったと思う。ポイントは『永遠のこどもたち』『インポッシブル』同様、母親と息子の結びつきが強調されていること。古い映写機で『キング・コング』を観る場面が素晴らしく、その“教え”からの連なりで幻想的なアニメーションで描かれる「3つの物語」が展開する。

    大枠は生死を巡る試練に直面した少年のイニシエーション物語で、彼のメンターとして機能する怪物が、母親からの使者であることを映画版は明確に打ち出す。そこからおばあちゃん(S・ウィーバー)との絆にまで繋がっていく。ちなみにバヨナ作品常連のジェラルディン・チャップリンもしっかり登場!

  • LOGAN/ローガン
    マンゴールド・スタイルのひとつの突出形
    ★★★★★

    オールドスクールな「20世紀映画の遺産」を、いかに現代的にアップデートするか。それがJ・マンゴールド監督に内在する表現的主題だろう。『3時10分、決断のとき』『ナイト&デイ』、日活・新東宝的な無国籍活劇『ウルヴァリン:SAMURAI』も然り。その意味で今回は最も明確に21世紀映画の貌をした一本!

    ジョニー・キャッシュの“The Man Comes Around”も肝(歌詞にPale Riderの言葉あり)。02年正規ラストアルバムの名曲。『ドーン・オブ・ザ・デッド』『ハンコック』『ジャッキー・コーガン』でも使われた。当然『ウォーク・ザ・ライン』繋がりの選曲で、最後まで監督の持ち味が全開だ。

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