シネマトゥデイ

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況: 謹賀新年! YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。1月5日より、山田篤宏監督&若葉竜也さん(『AWAKE』。SYOさんとのダブルMC)の回を配信中。ほか、片山慎三監督(『そこにいた男』)、井筒和幸監督(『無頼』)、内山拓也監督(『佐々木、イン、マイマイン』)、二宮健監督(『とんかつDJアゲ太郎』)、佐藤快磨監督(『泣く子はいねぇが』)、渡辺紘文監督&雄司さん(大田原愚豚舎の世界Vol.2)、黒沢清監督(『スパイの妻』。月永理絵さんとのダブルMC)、原一男監督&島野千尋プロデューサー(『れいわ一揆』)、行定勲監督 feat.東紗友美さん(『窮鼠はチーズの夢を見る』)、足立紳監督(『喜劇 愛妻物語』)、荒木伸二監督 feat.SYOさん(『人数の町』)、城定秀夫監督&平井珠生さん(『アルプススタンドのはしの方』)、田中圭監督(『島にて』)、内藤瑛亮監督(『許された子どもたち』)、諏訪敦彦監督(『風の電話』)、想田和弘監督(『精神0』)、深田晃司監督(『本気のしるし』)、豊島圭介監督(『三島由起夫vs東大全共闘』)、入江悠監督(『AI崩壊』)、タナダユキ監督(『ロマンスドール』)、岩井澤健治監督&大橋裕之さん(『音楽』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

森 直人 さんの映画短評

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  • 聖なる犯罪者
    ポーランド映画の新たな傑作
    ★★★★★

    めちゃくちゃ面白い。ヤン・コマサ監督の弁によると『裁かれるは善人のみ』(14年)と比較されることが多いらしいが、筆者は『汚れた顔の天使』(38年)+『ディア・ドクター』(09年)ではないかと思った。犯罪者/神父のダブルカード。「なりすまし」が田舎の小さな村に行く。そこで能力と制度などの矛盾が露わになる一方、ポピュリズムの危うさも示す。全てが両面提示の鋭さ。

    コマサ監督の2020年の新作『ヘイター』はNetflixで鑑賞できる。やはり嘘つきだが、ある種のパフォーマンス能力に長けた青年が主人公。『聖なる犯罪者』とは世界の秩序と闇へのアプローチを変えた別ヴァージョンといった趣で、こちらも必見!

  • 感動した。この熱烈なスタントウーマン賛歌は、「裏方こそ真の主役」という視座からの「映画史の読み直し」作業でもある(しかも映画の黎明期から丹念に!)。ひとりのスター俳優とは「プロジェクト」であって、実際は他の肉体が演技貢献していたりする。それを我々観客は知らなくていい、という「夢」の在り方が20世紀的な把握だったわけだが、顔を隠した偉大な仕事人達の功績も込みで立体的に享受することが21世紀の映画史の読み方になるのだろう。

    『ワンダーウーマン1984』のラストには75年~79年のTVシリーズで主演を務めたリンダ・カーターが登場したが、彼女のスタントを務めていたジーニー・エッパーが本作の「神」だ!

  • チャンシルさんには福が多いね
    これが私の生きる道
    ★★★★

    ホン・サンス作品のプロデューサーを務めていたキム・チョヒ監督のデビュー作。となると、冒頭シーンの酒の席でクダまいている映画監督のモデルは……(笑)。しかし作風は師匠と随分異なるウェルメイドな構築系で、やたら似ているのは『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(19年/監督:箱田優子)。映画(映像)界で仕事に邁進してきた大人の女性の「幸福論」的な輪郭。こういう共振には時代精神が強く刻まれていると思う。

    ただ『ブルーアワー~』は(妄想的な)シスターフッドムービーなのに対し、こちらは一風変わったロマンティック・コメディ。しかも恋愛より映画愛が生命線だ。本作の白眉は「小津 vs ノーラン」の対決かもしれない!

  • キング・オブ・シーヴズ
    かっこいいオヤジたちの60年代英国の香り
    ★★★★

    シニア名優陣のチーム映画はいつしか定番企画になった。『ラストベガス』(13年)や『龍三と七人の子分たち』(15年)等々……その中で本作の大英帝国の薫り高さは最高だ。レジェンドへの敬愛と尊敬が軸で、役者自身のキャリアを踏まえたメタフィクション的な作り。マイケル・ケインらベテランの精鋭メンバーは、彼ら自身が年代物のバーバリーのコートやバブアーのオイルドジャケットのような渋さだが、各々の若き日の映像はやはり眩くて鳥肌が立つ。

    持病ネタとかデジタル音痴ネタなど、おなじみの「シニアあるある」でユルく笑わせつつ、スモール・フェイシズやトム・ジョーンズなど、シックスティーズ・ロンドンの粋が際立つ!

  • Mank/マンク
    シネホリックな「おうち映画」――2020年型の突端に立つ一本
    ★★★★★

    2020年を象徴(ベストとは異なる)する映画として、筆者が挙げたいのは『TENET』と『Mank』だ。コロナ禍へのカウンターとして、映画館主義を孤高に貫いたノーランの大型映画。その活動屋魂に対し、フィンチャーは絶妙な佇まいで進歩史観を体現する。

    本作は『市民ケーン』の二次創作だ。つまり一見いかにもシネフィリー満載の体裁にしつつ、内実は完全にNetflix映画――スマホでもどんな規格でも同じ様に味わえる、配信プラットフォームに最適化した「映画らしい映画」の形。2018年の『ROMA』は音響設計といい本領は劇場だったが、時代はさらに進んだ。フィンチャーは時代変化への対応力の点ではズバ抜けている。

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