シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

静かな筆致で魂の遍歴を描く

  • 魂のゆくえ
    ★★★★

     物語が終わると、映像と音声が突然途絶えて画面が真暗になり、それから画面にクレジットの文字が流れ始め、耳にはかすかに風の音が聞こえてくる。その風は、遮るもののない荒野を吹きすさんでいる。このとき脳裏に見えてくる光景が、ポール・シュレイダー監督が描きたかったものなのではないか。
     物語は終始、抑えた色調の静かな映像で描かれる。主人公は、自分の過失や弱さや不安に、まっすぐに向き合うことを決め、それを毎日日記に書く。安易な逃げ道も見えるがそれを自分に禁じる。そしてどんどん身動きが取れなくなっていく。そこに突然、思わぬ形で救いがやってくる。主人公のその体験が、台詞ではなく映像で描写されている。

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。著作に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: やっとAmazonの「アメリカン・ゴッズ」シーズン2の日本配信が始まってめでたし。でも毎週1話配信でヤキモキ。全米ではAmazonで5月31日配信の「グッド・オーメンズ」の同時配信を切に希望。

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