平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「Movie Walker」「日経エンタテインメント!」「DVD&動画配信でーた」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: マーベルの新レーベル、マーベル・スポットライトの第1弾「エコー」全5話@Disney+が一挙配信に。肉弾戦中心のアクション、夜間の戦いの画面の色調はNetflix版「Marvel デアデビル」シリーズに近い雰囲気も。

平沢 薫 さんの映画短評

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  • ゴールド・ボーイ
    クライム・サスペンスだけど13歳の思春期の物語
    ★★★★★

     中国のベストセラー作家、ズー・ジンチェンの小説が原作のストーリーが面白い。大人の犯罪者を、13歳の中学生が脅迫するという設定。知性派サイコパス同士の頭脳戦。そうしたクライム・サスペンスの刺激、先が読めないストーリーの興奮に加えて、そのうえ13歳の少年少女のキラキラした初恋物語にもなっているところが魅力。

     そうした物語の中に、映像として印象に残る光景がいくつもある。女の子がふと振り返って見る、海の青さ。男の子の背景で、青空の遠くを横切っていく飛行機。13歳の女の子の手足の、まだ柔らかさを帯びていない直線的な形が、その時期にしか持てない強く真っ直ぐな感情とシンクロしている。

  • ARGYLLE/アーガイル
    ド派手アクションにスパイ映画的ヒネリをプラス
    ★★★★★

    『キングスマン』シリーズのマシュー・ボーン監督らしい、リアリズムより派手さを優先した華麗なアクションが山盛り。恒例のポップソングに合わせてダンスのように繰り広げられるするアクションシーンは、今回は切れ味はゆるめだが量をたっぷり増量。顔ぶれを見るだけでお腹いっぱいになりそうなほどの人気スターの豪華共演も楽しく、中でもデュア・リパはブロンドがお似合いで、ミュージシャンが本業とは思えない女優ぶり。

     ド派手なアクションが楽しい映画でありつつ、予想以上のかなり大胆なストーリー展開も見どころ。スパイものというジャンルに相応しく、登場人物たちの正体の"え~っ!?"と思わせる二転三転ぶりも楽しい。

  • マダム・ウェブ
    女子たちが仲間を見つける物語でもある
    ★★★★★

     マダム・ウェブの誕生物語を、コミックとは別のオリジナルな発想で描く大胆な1作。ヒロインが未来の光景をビジュアルとして見るという設定で、その能力を反映したユニークな撮影法の映像が多用されている。

     監督は女性ヒーロードラマ「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」や「Marvel ザ・ディフェンダーズ」の監督・製作総指揮に参加した女性監督S・J・クラークソン。ヒロインに加えて旬の若手女優3人が出演、血縁関係の家族とはうまくいかない3人が、別の場所で信頼できる仲間を見つけていく物語でもある。挿入されるポップソングも女性ボーカルが多く彼女たちのパワーを感じさせ、彼女たちの未来の活躍ぶりが見たくなる。

  • DOGMAN ドッグマン
    犬だけが親友の青年のクライム・アクションに異色の味付け
    ★★★★★

     幼少時から父と兄に虐待され、檻の中で犬たちと一緒に成長した主人公が、犬たちだけを仲間に生きる話だが、シリアスではなく、犯罪ありアクションありの娯楽映画仕様。

     主演は、ジャスティン・カーゼル監督が無差別銃乱射事件を描く『ニトラム/NITRAM』の主人公役も印象的だったケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。本作のリュック・ベッソン監督がドラキュラを描く次回作への主演も決定。本作のドラァグクイーンのステージで自分でないものに変身する快楽を知った主人公が、エディット・ピアフやマレーネ・ディートリッヒ、マリリン・モンローそっくりの扮装で、彼女たちの名曲を口パクで歌う姿はビザールな魅力たっぷり。

  • ヴェルクマイスター・ハーモニー
    画面の中で動く影に目を引き寄せられる
    ★★★★

    『サタンタンゴ』『ニーチェの馬』のタル・ベーラ監督の2000年製作映画の4Kレストア版が、2月24日から公開になる。

     タイトルのヴェルクマイスター音律とは、18世紀ドイツの音楽家が提唱した調律法のことだが、本作の中で登場人物がそれについて語る時、それは世界を認識する方法について語っているように聞こえる。映画は群衆がどのように動くものなのかを寓話的に描き、その中を、主人公がただ大きな目を驚愕しているかのように見開きながら、誰かの使い走りをして歩き回るさまを映し出す。

     影が目を引き寄せる映画でもあり、冒頭近く、町に到着したコンテナが壁面に落とす影が、大きくなり、獣のように背中を丸める。

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