シネマトゥデイ

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: 「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」@Netflix、前作「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」の元ネタはシャーリー・ジャクソンの「たたり」だったが、今回はヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」。名作を根底に置いてはいるが、今回もアレンジぶりが物凄い。

平沢 薫 さんの映画短評

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  • ジオラマボーイ・パノラマガール
    岡崎京子のTOKYOがたっぷり詰まってる
    ★★★★★

     岡崎京子のコミックを映画化するときの難しさは、彼女の作品の魅力のひとつである"時代性"をどのように取り入れるかにあるのではないか。この映画は、そこを思い切って切り捨てて、"初めて恋をする気持ち"という岡崎作品の持つ普遍的な魅力を抽出してみせる。その作戦は成功で、日常会話に「不埒な」などの文語系死語を多用して自分ツッコミするような女子高生たちの恋する気持ちがみずみずしく、眩しい。映像の明度は高いが彩度は低い色調も、この物語に相応しい。それでいて、映し出されるさまざまな都市の光景は明らかに、岡崎のコミック同様に白地が多い、東京ではないTOKYOのもの。岡崎京子のTOKYOがたっぷり詰まっている。

  • トルーマン・カポーティ 真実のテープ
    カポーティの小説を読み返したくなる
    ★★★★

     1984年に没した実在の人物を描くドキュメンタリーだが、映画の目的は、その人物のさまざまな側面を多面的に描くことではなく、ある人物像を明確に描き出すことなのではないか。映画はそのために過去の映像などの傍系証拠を集めて構成されているように見える。そして、そのようにして描き出される人物像が、一風変わった奇妙な魅力に溢れているので、彼の小説をもう一度、この映画で描かれたような人物が書いた作品として読み返したくなる。そして、実際に彼の小説を読み返してみると、これまで無意識のうちに読み落としていたさまざまなものを、今度は読み取ることが出来たような気がしてくる。そして、またこの映画を見直したくなる。

  • ストックホルム・ケース
    あの心理学用語の元になった事件は本当はこうだった!?
    ★★★★★

     心理学用語"ストックホルム症候群"は、監禁事件などの人質が「生き残るために無意識のうちに」犯人との間に共感や信頼関係を築くことだが、語源となった事件は別モノだった!?というのが本作。犯人があまりにマヌケでいい人なので、人質が本気で犯人を好きになってしまうのだ。そんな"事実は小説より奇なり"な事件を、1973年の北欧でスティーヴ・マックイーンの『ブリット』に憧れる男を主人公に、ボブ・ディランの曲満載でブラック・コメディに料理。ダメ男だが憎めない主人公役のホーク、彼にクラっとする真面目な銀行員役のラパス、主人公に親友扱いされて困惑する囚人役のマーク・ストロング、芸達者3人の共演ぶりも見もの。

  • ザ・ハント
    ブラムハウス流の社会風刺ギャグが炸裂!
    ★★★★

     製作は「ゲット・アウト」のブラムハウス、脚本家コンビはTVシリーズ「ウォッチメン」のデイモン・リンデロフとニック・キューズなんだから、ただの人間狩りモノのわけがない。日本ではアメリカ大統領選挙投票日直前に公開、というタイミングもナイスすぎ。富裕層の人々が貧困層の人々を獲物に狩りをする話だが、映画はどちらかの味方をするわけではなく、どっちもどっちとバッサリ切り捨てて、痛快かつ爆笑。人選をするときの「アフリカ系もひとりは入れないと」「移民もね」という会話やトンデモ陰謀論など、現在のアメリカの状況を風刺する小ネタが続々。こういう映画で熱演してくれるオスカー女優ヒラリー・スワンクに感動。

  • ウルフウォーカー
    突然、"匂い"と"音"がまったく別のものに変わる
    ★★★★

     少女が狼になったとき、"匂い"と"音"が、それまでとはまったく別のものになる。そのときの映像が、アニメーションならではの気持ちよさと、なるほどこうに違いないと思わせる説得力を併せ持つ。狼となった少女2人が、一緒に夜の森の走るときの、どこまでも走って行ける気がする開放感が心地よい。
     監督は、「ブレンダンとケルズの秘密」「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」のケルト紋様で描かれた世界の姿で魅了したトム・ムーア。今回も、魔術的な力が働くときに世界が抽象的な紋様と化す、"形の力"の魅力は健在。それに加えて、狼のような人間という題材を得て、"動き"と"速度"の魅力をたっぷり味合わせてくれる。

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