シネマトゥデイ

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「映画.com」等で執筆。著作に「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: 「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督に取材。ファン・ミーティングのときと同じように、監督が「スター・ウォーズ」ファンのひとりとして発言することが多々あり、本人がとても楽しそうなのがいい感じ。

平沢 薫 さんの映画短評

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  • スイス・アーミー・マン
    祝祭的な音楽が別世界に飛ばしてくれる
    ★★★★

     笑えるだけでなく、切なく、美しい。物語だけでなく、物語に寄り添う音楽がすばらしい。無人島で暮らす男が流れ着いた死体と友人になり、2人で森の中をさまよい歩くが、音楽はその"森の中に存在する音"と"身体から発せられる音"のみで構成。打楽器類と人の声だけが使われ、主演の2俳優も声を提供。祝祭的天国的かつ土着的な音楽が、別世界に飛ばしてくれる。音楽を担当したのは、米ジョージア州アトランタ出身なのにマンチェスターのバンドが好きでバンド名を決めた"マンチェスター・オーケストラ"のメンバー2人。監督はこのバンドやフォスター・ザ・ピープル、パッション・ピットなどの音楽クリップの監督コンビ、ダニエルズだ。

  • 僕のワンダフル・ライフ
    "犬がこんなこと考えていたらいいなあ"を描くファンタジー
    ★★★★★

     犬好きの"犬がこんなことを考えていたらいいなあ"という願望をそのまま描いたファンタジーの趣き。子犬が、飼い主の少年に純粋な愛情を注がれて、自分も無償の愛を注ぎ返し、それによって幸福になる。その原体験があるために、犬は何度も死んで生まれ変わるが、そのたびに飼い主に無償の愛を注いでいく。そんな犬の心の声を演じるのは「アナと雪の女王」のオラフの声役のジョシュ・ギャッド。彼の演技が素晴らしすぎ、観客がそのときの犬の気持ちを想像するより早く、セリフでそれを語ってしまうのがちょっと残念な気もするが、そういう言わずもがななものを、あえて我慢できずに言ってしまうようなところも犬っぽいのかも。

  • ソウル・ステーション/パンデミック
    今敏ファンの監督が描く社会派ゾンビアニメ
    ★★★★★

     きっちり社会派のゾンビものなのは、オープニングから明確。人々で賑わうソウル・ステーションで、ホームレスの男がケガをして歩いているのに、誰もそれを気にせず、それに気づいた学生ふうの男も、少し近づいて悪臭が匂ってくるとそれ以上は接近しない。そこからゾンビが発生していく。ホームレスたちや借金のため店から逃げた元風俗嬢らが、ゾンビから逃れようと右往左往し、警察も役に立たない。監督は今敏監督の「PERFECT BLUE」「東京ゴッドファーザーズ」のファンとのことで、実写映画的な描写や社会風刺に共通するものがある。そんな物語の中、ヒロインの長くすんなりした脚の線が、ちゃんとエロティックなのがいい。

  • エイリアン:コヴェナント
    エイリアンが新たな物語に生まれ変わる
    ★★★★

     第1作「エイリアン」のリドリー・スコット監督自身が、新たなエイリアン神話を創造した。この映画を見ると、これまで"エイリアン"という存在について抱いていたイメージが変化する。そして、リドリー・スコット自身によるもうひとつの神話の再構築、「ブレードランナー2049」に通底するモチーフがあることにも気づかされる。この監督は今、何に興味を持っているのか。それを知る手がかりとしても見ておきたい。
     映像はこの監督らしい端正さ。色調は「エイリアン」第1作ポスターの緑色の印象を踏襲して、彩度の低い灰緑色で統一され、光は常に微量。終末的な気配と文学の香りが濃く漂う、新たなエイリアン世界が出現する。

  • チェイサー
    ひたすら追いかけるだけなのに目が離せない
    ★★★★★

     どこまでもひたすら追いかける。それだけで引っ張っていく構成が大胆。6歳の息子が誘拐犯の車に引っ張り込まれるのを見たシングルマザーが、自分の車で息子と犯人の乗った車を追いかけていく。スマホは落としてしまって持っていない。この状態で考え得るありとあらゆる困難が襲ってくるので、彼女がそれをいったいどのようにして切り抜けるのか、その行動から目が離せない。 
     ヒロインの一心不乱の追跡の過程で、事件とは無関係な人々に被害が及ぶ場面が多々あり、良識派の観客は眉をしかめるだろうが、そうした状況ゆえに変貌していくヒロインの心理が見もの。その心理の変化をハル・ベリーがほぼ一人芝居で熱演している。

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