平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「Movie Walker」「日経エンタテインメント!」「DVD&動画配信でーた」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: オムニバス「ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋」@Netflix、第7話が『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』のパノス・コスマトス、第4話が『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』のアナ・リリー・アミールポアー、第8話が『ナイチンゲール』のジェニファー・ケントと監督の顔ぶれがナイス。

平沢 薫 さんの映画短評

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  • ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
    ピノキオが新しい物語に生まれ変わる
    ★★★★

     ギレルモ・デル・トロが、有名童話をまったく新しい物語に生まれ変わらせた。ピノキオの本質とは何なのかを、最後のコオロギの言葉が言い当てる。そして、精霊的存在たちの呪術的な造形の妖しい美しさ。獣のような女のようなもの。二足歩行のウサギ。その声も魅力的で、コオロギをユアン・マクレガー、異形のものをティルダ・スウィントン、ティム・ブレイク・ネルソンらが担当する。
     原案はデル・トロ。脚本はデル・トロとアニメシリーズ『アドベンチャー・タイム』のパトリック・マクヘイル。監督はデル・トロと『ファンタスティックMr.FOX』のアニメ監督マーク・グスタフソン。これらの顔合わせも相乗効果上げているのに違いない。

  • ハッピーニューイヤー
    クリスマスカードのようなキラキラな風景がたっぷり
    ★★★★★

     クリスマス時期を舞台にさまざまな愛を描く群像ドラマ、という形式は2003年の英国映画『ラブ・アクチュアリー』と共通だが、もちろん出来事は同じではなく、両者を比較すると社会環境や国民性の違いが見えてきそうなところも面白い。

     クリスマス時期に幸福な気分に浸りたいと思う観客のために作られて、その気持ちにしっかり応えてくれるエンターテインメントな1作。舞台が高級ホテルなので、キラキラ感満載のまるでクリスマスカードのような華やかな風景がたっぷり。キャストは人気者揃いで『ジョゼ』のハン・ジミン、『ミッドナイト・ランナー』のカン・ハヌル、TV『地獄が呼んでいる』のウォン・ジナらが出演。

  • MEN 同じ顔の男たち
    同じものが別のものに見えてくる
    ★★★★

     現在の街で暮らすどこにでもいそうな女性の経験から始まる物語が、太古から続く物語に変貌していく。教会にある中世の産物である奇妙な形をした石の彫り物が何度も登場し、光線によって表面を覆う影の形を変え、まるで違うものに見えていく。同じものが、状況が変わると別ものになる。

     タイトルになっている、同じ俳優が演じる同じ顔をした男たちは、男性であるアレックス・ガーランド監督の考える"男性的なるもの"のさまざまな嫌な側面をデフォルメして描いたものにも見え、おぞましく忌まわしい。その一方で、映画には太古の物語を連想させる光景もあり、本来あったもの、後にそうなったものについても思いを巡らせたくなる。

  • マッドゴッド
    "物"が動く。ストップモーション・アニメの至福
    ★★★★

     ただただストップモーション・アニメの醍醐味に浸らせてくれる至福の1作。このジャンルの伝説的名手フィル・ティペットが、1990年の『ロボコップ2』の後で着想し、数シーンを撮影した後に中断していた作品を、約20年後にボランティアスタッフたちと共に再始動させ、生み出したのが本作。

     画面に次から次へと出現するのは、ギョロギョロ動く眼球や粘着質の液体などで彩られた悪夢のような光景なのだが、それが実際に手でさわれる"物質"として存在し、並々ならぬ情熱によって"動き"を与えられているということが伝わってきて、ある種の温もりを感じさせる。醜くおぞましいのに愛らしい。この技法ならではの妙味を堪能したい。

  • ブラックアダム
    どこかに運ばれていく感覚が持続して気持ちいい
    ★★★★

     体ごとどこかに運ばれていく。カメラが、そうとは意識させずにずっと動き続けて、アミューズメントパークのアトラクションに乗っている時のような、どこまでも運ばれていく感覚が持続するのが心地良い。金や緑の極彩色の世界と、スピードの速さも快適。

     ブラックアダムを筆頭に、このDCキャラはマーベルだったらあのキャラだよね、とすぐに分かるヒーローばかり集めているのは、DC世界の奥行きを誇示するためだろう。白人は老いた英国人のみで、他の人種は多種多様という多国籍感も今っぽい。ドウェイン・ジョンソンの魅力が悪役設定でも変わらないのは、むしろ誇るべき持ち味。そしてやっぱり、楽しいサプライズが待っている。

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