シネマトゥデイ

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「映画.com」等で執筆。著作に「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: デヴィッド・フィンチャーのNetflixオリジナルシリーズ「マインドハンター」が配信中。実在の有名シリアルキラーたちが続々登場するのも興味深く、俳優たちが演じるその佇まいが”ああ、実際もこういう感じなのかも"と思わせる。

平沢 薫 さんの映画短評

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  • ジャスティス・リーグ
    DCユニバースの行方が気になるなら見ないわけにはいかない
    ★★★★★

     本作に登場する新ヒーローたちの単独映画の製作が決定済みなので、彼らを魅力的に描くことが本作の必須条件。その条件をきっちりクリア。フラッシュ、アクアマン、サイボーグともキャラが鮮明、背景も分かりやすく、各自にちゃんと見せ場がある。中でもフラッシュのコミュニケーション障害ぽいキャラは、TV版とはまた別のキュートさだ。
     このジャンルのファンには、持ち味の異なる2監督、ザック・スナイダー監督の降板とジョス・ウェドン監督の再撮影も気になるところだが、そこを逆に楽しむ手もある。ここはスナイダーでここがウェドンかと推測しながら見るのも一興。それぞれが単独で撮ったらどうなったかを想像するのも面白い。

  • gifted/ギフテッド
    この監督はスパイダーマンよりこういう映画が似合う
    ★★★★★

     がっしりした大人の身体に、柔らかい小さな子供の身体が、猫のような柔軟さと身軽さでまとわりつく。この視覚的表現を反復して、小さな女の子とその子を守ろうとする叔父の物語を描く。そのタッチは暖かいが、背後に家族の深刻な問題が浮かび上がり、スイートなだけの物語に終わらせない。
     マーク・ウェブ監督は「アメイジング・スパイダーマン」2作でも、ピーターとハリーが川辺で石を投げているようなシーンが魅力的だった。「(500)日のサマー」もそうだが、監督は日々の細かな気持ちの揺れ動きを捉えるのが好きなのではないか。夏に全米公開された「The Only Living Boy in New York」も見たい。

  • KUBO/クボ 二本の弦の秘密
    変幻自在に舞う折り紙切り紙に幻惑される
    ★★★★★

     和紙が、折り紙や切り紙になり、自在に変化しながら動き回る。その紙の表面の手触り、先端の鋭さ、紙ならではの変形ぶり。物質としての紙の持つテクスチャーの豊かさに圧倒される。もともとストップモーション・アニメという技法は、物体が生命を得たかのように動きだすという一種の魔術的な魅力を持っている。この技法が、折り紙と切り紙という、日本の伝統的な遊戯であり芸術でもあるものの魅力を最大限に引き出す。
     そして東洋の美学が、色彩や造形、北斎や国芳の浮世絵や黒澤映画の引用もあるビジュアル面だけでなく、物語にも反映されているところが素晴らしい。変身の感覚、許しの形などに、東洋ならではの美が満ちている。

  • ローガン・ラッキー
    濃いキャラ同士のぶつかり合いが楽しい
    ★★★★★

     個性派キャラが集まって強盗計画、という設定は本作のソダーバーグ監督自身の「オーシャンズ」シリーズと同じだが、本作の首謀者であるローガン家の兄弟妹は盗みのプロでもなんでもなく、かなりアブナい性格なので、ドラマ展開はまったく違う。見事な計画にアクシデントが起きるのではなく、その計画自体がどういうものなのかが、少しずつ明らかになっていくという趣向だ。
     さらに見ものなのが濃いキャラクター同士のぶつかり合い。他作品での役を重ねると、ガンビットとカイロ・レンが兄弟で仲間が007、ウィンター・ソルジャーもちらっと登場の豪華さ。中でもダニエル・クレイグの007のクールさとは真逆の怪演ぶりが楽しい。

  • 不都合な真実2:放置された地球
    映画という媒体の持つ力を体験させてくれる
    ★★★★★

     前作は地球温暖化による現象と仕組みを解説する基礎編だったので、今回はいわば実践編。現在の温暖化解決のための試みと、それを妨げている状況を提示して、観客に身近な"今できること"の行動を促していく。
     そして、そうしたテーマと並行して、映画という媒体の持つ力というものも感じさせてくれる。もともと前作は"講演会の映画化"という発想で製作されたユニークな作品。いわゆるドキュメンタリー映画ではなく、メッセージを観客に伝えるため作られており、その目的達成のために、随所に映画的な工夫が施されている。その顕著な例が、パリ合意に至る経緯のサスペンスフルな描き方だろう。映画の持つ力のひとつを体験させてくれる。

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