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イノセンス (2004):映画短評

イノセンス (2004)

3月6日公開 100分

イノセンス
(C)2004 士郎正宗/講談社・IG,ITNDDTD
平沢 薫

視覚/聴覚/言語中枢が膨大な情報量に圧倒される

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 また新たに描く「攻殻機動 SAC_2045」が配信開始された2020年4月、こういう「攻殻機動隊」があったことを再認識。
 人形をモチーフに、全編の隅々にまで押井守監督の美意識が行き渡る2004年の名作。細部まで緻密に作り込まれた光景、浮遊感溢れる無国籍風音楽、そしてレーモン・ルーセル、ベルメール、リラダンから孔子、釈迦に及ぶ夥しい引用の数々で構築され、視覚/聴覚/言語中枢のすべてが膨大な情報量に圧倒され続ける。中でも目眩を覚えるのは、極北の犯罪都市の祭のパレードの光景と、ハッカーが住む精巧な時計内部のような館で時間の迷路を体験するシーン。今見ても、その夢幻的な美しさの強度は変わらない。

この短評にはネタバレを含んでいます
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