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ありふれた事件 (1992):映画短評

ありふれた事件 (1992)

2014年3月1日公開 96分

ありふれた事件
(C) 1992 Belvaux-Bonzel-Poelvoorde for Les Artistes Anonymes.
くれい響

POV×モキュメンタリーの先駆け的作品

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

強盗殺人鬼の冷酷非道さを表すモノクロ映像に加え、POVやモキュメンタリーというワードが使われてない時代に、何気なくその融合をやってのけていた恐るべきベルギー映画。劇中のセリフや歌、『勝手にしやがれ』から『食人族』までのオマージュ描写、さらに現場で鉢合わせするTVクルーの顛末に至るまで、随所に作り手の映画愛が炸裂。独自の殺しの美学を持つ、饒舌でサイコパスな主人公のカリスマ性に惹かれる撮影クルー同様、観る側も共犯者になっていくような演出のヤバさ。また、対立組織を登場させることで強まるエンタメ展開など、『ハウス・ジャック・ビルト』に足りなかったものが、本作にあるといえる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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