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二流小説家 シリアリスト (2013):映画短評

二流小説家 シリアリスト (2013)

2013年6月15日公開 115分

二流小説家 シリアリスト
(C) 2013「二流小説家」製作委員会
今 祥枝

原作の趣向をばっさり!残ったのは凡庸なミステリー

今 祥枝 評価: ★★★★★ ★★★★★

原作の映画化は、原作を読んでいようがいまいが映画は映画で楽しめる(楽しむ)のが基本。とは思うが、日本のミステリー・ベストテン海外部門の3冠を獲得した話題作を、日本を舞台にどう翻案するのかミステリー好きとしては気になるところ。そもそも原作の最大の魅力は、どうしようもなく二流の小説家である主人公が執筆している、ヴァンパイアものからハードボイルド、SF、アダルト小説といったジャンル小説の挿入だったり、縦横無尽にジャンルをまたいだ思わずにやりの文学話といった趣向にある。この趣向を日本版に置き換えるのは困難と予想はしたが、だからといってばっさり落とされていたのにはがっかり。さらに、そこを落としてしまうと、比較的凡庸な殺人事件のてん末だけが残ってしまうという悲しさ。キャラクターの味がよく出ている部分が割愛されているため、主演の上川隆也の役作りも中途半端感は否めず、演じる方の戸惑いが伝わってくるよう。原作にも消化不良気味な部分はあるとしても、題材もキャストも魅力的なだけにチャレンジ精神ゼロとしか思えない作り手の姿勢が何よりも残念だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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