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潜入 (2006):映画短評

潜入 (2006)

2021年6月18日公開 117分

潜入
(C) 2006 LittleBig Pictures All Rights Reserved.
なかざわひでゆき

勝ち組の巨悪に牙をむくクズな負け犬たちの意地と悲哀

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 韓国内の賞レースを賑わせた韓流ノワールが、15年の時を経てようやく日本公開。’98年のIMF経済危機の影響で麻薬密売のメッカとなった釜山を舞台に、出世のためなら手段を厭わない万年ヒラの暴力汚職刑事と、貧困から抜け出すべく裏社会で成り上がろうとする麻薬ディーラーが、検察と裏で結託して釜山の麻薬ビジネスを仕切る組織のボスに挑む。深作欣二をお手本にしたというだけあって、’70年代東映バイオレンス映画のようなギラギラ感が満載。スプリットスクリーンや主観カメラを駆使した荒々しい映像によって、ワルになり切れないがため底辺で踏みつけられる負け犬たちの悲哀を浮き彫りにする。後味の苦々しさも秀逸だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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