シネマトゥデイ

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猿渡 由紀

猿渡 由紀

略歴: 東京の出版社にて、月刊女性誌の映画担当編集者を務めた後、渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビュー、撮影現場レポート、ハリウッド業界コラムなどを、日本の雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿する映画ジャーナリスト。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。

猿渡 由紀 さんの映画短評

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  • 追想
    若い愛の純粋さ、愚かさ、美しさ、せつなさ
    ★★★★★

     時代は1962年。映画は、結婚式の直後、海沿いのホテルにチェックインし、ロマンチックな時間を過ごす主人公ふたりの様子を、フラッシュバックを織り込みつつ描いていく。前半、ややテンポがスローなのは否めないのだが、最後になって、それら思い出のシーンは必要だったのだと納得する。ここで語られるのは、若い愛。それも、本当の愛だ。それがあまりに愚かで、せつなく、しかし美しくて、涙が流れるのである。シアーシャ・ローナンがイアン・マキューアン小説の映画化作品に出るのは、「つぐない」以来、10年ぶり。あの少女がこんな立派な大人の役者になったのだという事実にも、感動を覚えずにはいられない。

  • ミッション:インポッシブル/フォールアウト
    夏の娯楽大作に期待するものが、全部完璧に詰まっている
    ★★★★

    このシリーズ最大の売りであるアクションは、今回もすごい。ヘリコプターや車、バイクを使った大がかりなものだけでなく、素手の殴り合いも迫力満点で、終始、手に汗握りっぱなし。しかし、ミシェル・モナハンが復帰する今作では、胸にぐっとくる感動の場面もあり、意外にも泣きそうにすらなった。ストーリーも、凝っているが複雑になりすぎず、テンポも良い。夏の娯楽大作に期待するものが全部、完璧な形で詰まっている映画だ。今回も、走るわ、跳ぶわと56歳とはとても思えない元気っぷりを披露するトム・クルーズは、やはり、押しも押されぬ世界最大の映画スターだと再確認した。

  • search/サーチ
    抜群におもしろく、新鮮さたっぷりの大傑作スリラー
    ★★★★★

    シングルファザーの主人公が、警察と協力しつつ、ソーシャルメディア、電話、メールの記録をたどり、姿を消した娘を見つけ出そうとするスリラー。PCや携帯の画面は、近年映画にたびたび登場するが、1時間40分、ずっとそこから離れず、無機質になるどころか、観る者を緊張させ、胸を締め付け、感動させるのだからすごい。初めてと言えば、メジャースタジオのスリラーで主人公がアジア人というのもそう。彼が韓国系であるべき必然性はないが、舞台はシリコンバレーなのだし、そうであっていけない理由もない。ポリティカルコレクトネスというより、アーティストとしての自由な発想でこのキャスティングをしたことも絶賛したい。

  • マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー
    1作目にかなわないのは、ストーリーが薄いせい
    ★★★★★

    1作目は、見ている時に心が踊りっぱなしで、またすぐ2度目を見に行ったもの。残念ながら、この続編からは同じ興奮を得られなかった。一番の原因は、ストーリーが薄いこと。やりすぎなほどのハッピー感は、この映画が意図的にやっていることで、魅力でもあるのだが、話がないのにそれをやられると目障りに感じるのだ。また、1作目は3人の男たちの関係にユーモアと感動があったが、今作で感動は結末近くになるまでない。歌のラインナップもやや弱く、1作目でも使われた大ヒットナンバーが出てくる時には、そこを補うかのように派手なシーンが繰り広げられる。ただ、リリー・ジェームズの歌唱力には感心させられた。

  • ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男
    対極の人間は誰にもわからないことを知る唯一の相手だった
    ★★★★

    副題のとおり、ボルグとマッケンローは対極。ボルグはジェントルマンで、すでに勝利を収め続けている。ここで負けることは許されない。マッケンローは急に出てきた、マナーを知らぬ暴れん坊。失うものは少ないが、嫌われ者の扱いだ。そのふたりのウィンブルドン決勝戦を描くこの映画は、スポーツ映画を超えた人間ドラマ。パパラッチもネットもない時代ながら、ボルグはセレブであることのプレッシャーに耐えかねていた。マッケンローも、記者会見で、「実際にやらないお前らにはわからない」と言ったりする。そんな彼らは、ほかの誰にもできないところでつながれる相手だった。スポーツにまったく興味がない人も、きっと感動する一作。

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