シネマトゥデイ

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猿渡 由紀

猿渡 由紀

略歴: 東京の出版社にて、月刊女性誌の映画担当編集者を務めた後、渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビュー、撮影現場レポート、ハリウッド業界コラムなどを、日本の雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿する映画ジャーナリスト。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。

猿渡 由紀 さんの映画短評

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  • A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー
    好き嫌いの分かれる実験的映画
    ★★★★★

    タイトルからホラーを期待すると、裏切られる。今作は、後悔、悲しみ、愛、そして、必ず死ぬ運命にある人間は自分の存在をどう世の中に残していくのかといった深いテーマに迫るもの。そのアプローチは独創的かつ実験的。幽霊が、まるで幼い子供のハロウィンコスチュームみたいなシンプルなルックスで出てくるのは、そのひとつ。だが、芸術的であるのと同時に抽象的でもあり、自己満足的でもある。見る人によって好き嫌いは大きく分かれるだろう。ケイシー・アフレックにとってはオスカーにつながった「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の次にあたる主演作だけに、演技の見せどころがほとんどないのも残念。

  • アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング
    メッセージはすばらしいが効果的に伝わるかは疑問
    ★★★★★

    外見で判断されがちな世の中だが、本当の美しさとは、自信を持ち、自分らしくあること。そのメッセージを伝えるのは、人気コメディアン、エイミー・シューマー。彼女は体当たりで役に挑んでいるが、どうも心に響かない。ひとつには、シューマーが37歳という事実があるかも。ルックスに関して最も悩むのはもっと若い女性なので、20代の太め女優にしたほうが、共感度が増したのではないかと思うのだ。一方でシューマーが羨望の目で見る“美しい”女性はみんな若くて、その子たちと比べるか?と感じてしまうのである。話の展開も都合良すぎるし、何よりコメディなのに可笑しくないところが致命的だ。

  • 私は、マリア・カラス
    本人の言葉だけで語る、誠実で新鮮なドキュメンタリー
    ★★★★

     有名人のドキュメンタリーというと、識者や身近な人のコメントや、分析があったりするものだが、今作はいっさいそれらがない。ナレーションもなく、出てくるのはすべてマリア・カラスの言葉だ。それらは、インタビュー映像だったり、親しい人に宛てた手紙だったりとさまざま。そこから、オペラ歌手「カラス」の側面と、ひとりの女性「マリア」の側面、そしてふたつの葛藤が描かれていくのである。このアプローチは新鮮であり、同時に、非常に誠実だ。カラスのすばらしい歌声がたっぷり聴けるのも、もちろん大きな魅力。今作を通じてまたファンが増えるのではないだろうか。

  • 華氏119
    トランプ叩きにとどまらず、民主主義のあり方にまで突っ込む
    ★★★★

    トランプ叩きはハリウッドでもはや日常レベルだが、マイケル・ムーアだけにもっと強烈にやってくれるのかと思っていたら、いい意味で裏切られた。彼がここで攻撃するのは、トランプだけではない。トランプが大統領になってしまったのにはその土壌があり、民主党の責任も大きいのだ。アメリカの“今”をアップデートにとらえる今作では、この春のフロリダ州の高校での乱射事件や、つい最近ニュースを賑わせた学校の先生のストライキ、ミシガン州フリントの水道水汚染問題にも触れられる。それらを通じてムーアが伝えることは明確。民主主義のあり方を問うそれは、アメリカ人以外の心にも響くはずである。

  • アンセイン ~狂気の真実~
    iPhoneで撮影されたということには感心
    ★★★★★

    主人公は本当にストーカーにつきまとわれているのか、それともすべては彼女の幻想なのか。そんなところから映画は始まり、保険制度の悪用について触れられるあたりまでは、なかなかおもしろい。だが、その後の展開は、どんどんリアリティから離れていく。いくらB級映画とは言っても、もう少し信憑性があってほしかった。そんな中でも感心させられるのは、これが全編iPhoneで撮影されたという事実と、クレア・フォイの演技力。こういう実験をするところはソダーバーグらしいし、フォイはやはり今、一番注目の女優であると再確認した。

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