シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴: 1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況: 今年もトロント国際映画祭に参加。ほぼ全回を満席にする熱いトロントの観客と一緒だと、日頃忘れかけてしまう映画を観る喜びが復活します。一週間いても観たい作品がありすぎてまったく追いつきません。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

斉藤 博昭 さんの映画短評

全262件中1~5件を表示しています。 Next »
  • 草間彌生∞INFINITY
    その足跡を初めて知る人には、衝撃の作品になるだろう
    ★★★★★

    何度かドキュメント作品も作られているので、草間の足跡を知る人に、この映画は目新しさはないだろう。しかし知ってて観ても、改めて後頭部から殴られたインパクトを与えるのが、彼女の人生。1950~60年代のNY時代の超レアな写真や映像の数々は、いま観ても斬新を極め、ウォーホールらよりはるかに先駆的だった、草間の溢れまくるアイデアを刻印する。当時の自分を「キュートでラブリー」と表現する愛おしさ。トラウマが創作へと昇華する奇跡。77分にコンパクトにまとめたアーティストの一代記となった。一部、日本人の証言の音声がやや不明瞭なのが気になる。アメリカ映画なので、日本以外の上映では字幕がつくのだろうが…。

  • オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁
    雪山のファイト一発!を、大らかな心で楽しめばいい
    ★★★★

    冒頭から、いきなり怒涛の雪上アクション。その、ありえないシチュエーションと勢いを受け止められるかどうかが、今作に入り込めるか否かのポイント。その後のサスペンスは大味で既視感があり、重要パートになりそうな人間関係も特にドラマを大きく動かすわけではない。妙にのんびりしたシーンが挿入されたりと、やや謎めいた構成ではあるので、豪快なスペクタクル部分を視覚と音で楽しむべき作品か。

    吹替版で観たが、役所広司は本人の日本語セリフで、他のキャストは日本の声優(字幕版は逆に、役所のセリフが吹替となる)。本人の声と、当てた声が混じることで不思議な感覚がもたらされる。中国・日本の合作として斬新な体験にはなるはず

  • アナと雪の女王2
    本格派ミュージカルの堂々たる作り
    ★★★★★

    「レリゴー」ほど強烈にリフレインする曲はないものの、前作以上に、曲の抑揚やドラマとの切り替えに細かくこだわった「ミュージカル形式」の演出が冴えまくり、1曲終わるごとにうっかり拍手したくなってしまう。クリストフのナンバーの映像など、ミュージカル的テンションの上げ方がパーフェクトだ。

    さらに前作よりインパクトが強いのが、アナとエルサのアクション。特に新たな大冒険へ踏み出すエルサが繰り出すスーパーパワーは、もはやマーヴェルのヒーローたちをもしのぐ勢い。めくるめくダイナミズムに、美しすぎる雪と氷の一大アトラクションを観ているかのよう。オラフの役割はもはや名人芸。感動という点は続編らしく健闘レベルか。

  • アイリッシュマン
    一時停止せず、その長さがもたらす熟成を体感するべき
    ★★★★

    巨匠の演出は、ひたすら重厚である。過剰な仕掛けは抑えに抑え、それゆえに時折、勃発するバイオレンスは、その衝撃をさらに鮮やかに刻印する。メイクアップも駆使し、アウトローの半生を演じきったデ・ニーロやパチーノも、それぞれのキャリアの集大成といえる渾身の迫力。過去を回想する老いた主人公の言葉は屈折感も伴いながら心の奥まで響き、人間の人生は何なのかという壮大なテーマもあぶり出す。

    ただ、体感的に明らかに冗長で、まだろっこしいシーンがある。しかしその冗長さがクライマックスの「熟成」につながる感覚。これは配信で一時停止したら味わえないはずで、その長さの意味、本質を受け止めるために劇場で観た方がいいかも。

  • スペインは呼んでいる
    心地よい哀愁に包まれて、これで完結でも悪くない
    ★★★★★

    背景の国と、旅先の料理は変わっても、基本的にここまで徹底して同じスタイルを貫く姿勢はアッパレ。「寅さん」や「水戸黄門」を観ているような「お約束」の美学が、この3作目にも溢れている。相変わらず、マニアなネタについてこられない観客もおかまいなし…も潔い。

    1作目と比べると、主演2人の外見にもわずかに「老い」が忍び寄ってきて、何かと話題になるのが、年齢に伴う肉体的&精神的な衰えだったりして、やけに切実で胸を締めつけてきたりも。その切なさがじわじわ蓄積され、ラストでは、過去2作とは違う、そこはかとない哀愁が漂うのであった。これで3部作完結なら美しいが、悪あがきでもいいから続いてほしいと、複雑な心境。

全262件中1~5件を表示しています。 Next »
[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク