斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴: 1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとしてさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況: 次回ゴールデングローブ賞への投票資格をもらい、申請もできたのですが、ゴールデングローブを主宰するHFPAが買収され、本会員は年間75000ドルの報酬がもらえるようになった一方で、新たな投票者(つまり、アメリカ国外のわれわれ)は、HFPAが批判を受ける「多様性欠如」のための「人数集め」の対象にされてるような気がして、とりあえず今年度は申請をやめました。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

斉藤 博昭 さんの映画短評

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  • そばかす
    恋愛感情が起こらない「アセクシュアル」に真摯にアプローチ
    ★★★★

    周囲から何かと「恋人は?」と聞かれ、親は見合い話をもってくる。そんな状況に抗い、自分で決めた人生を生きたい…という映画は過去にもたくさんあったが、本作は主人公が恋愛感情が起こらない「性質」にきっちり向き合っている。生半可で甘い感動を誘いそうな予感もはらませつつ、絶対にそうしない作り手の意志が貫かれて好感。
    初の単独主演となる三浦透子は、自分の内面との葛藤、相手の思いやりへの柔軟さ、瞬発的行動など、難しい曲線を熱演ではなく、あくまでも淡々と流れるように演じ、こちらも誠実な印象。希望を見つける瞬間の彼女の表情は、誰が観ても幸せな気分になるのではないか。
    さりげない映画ネタ、音楽の持つ意味も効果的。

  • ブラックアダム
    “倍速不可”を主張する作りなので、これは映画館で観るべき
    ★★★★★

    本作の最大の持ち味は、圧倒的なスピード感とテンポ。最近のアクションヒーロー映画の中でも突出した“勢い”の良さに平伏す。
    5000年前から始まるドラマも余計な枝葉を削って重要部分にフォーカス。アクションにしても動きの途中を省略し、発端と結果が瞬時に描かれたりして、まさに息つく間を与えない。この演出に賛否あるかもしれないが、作品の特徴にはなっている。上映時間124分とは思えない濃厚な内容かと。
    ドウェインは、スッキリ体型で登場するシーンが新鮮。ブラックアダムの妙な皮肉っぽさや、無敵のオレ様ぶりは、差し替え不能のキャストだと心から納得。相手側ではホークマンの正統的カッコよさ、アダムのユルさも好味。

  • ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
    原作の基本を守り、膨らませたパートと作家性の感動に打ち震える
    ★★★★★

    木の人形が主人公なので、ストップモーションの手法が最高にハマる。ただ最先端テクノロジーも配合され、全体として“観やすい”映像になってるかと。
    ホラー風の演出や、邪悪な表現、異世界への扉、虫の擬人化具合、見世物小屋…と監督の志向がはっきり打ち出され、ミュージカルの点でもデスプラの楽曲が耳に残る。
    物語では、ゼペットがなぜ人形を作り、ピノッキオが何を求めるかというアレンジが軸をきっちり固定化。ムッソリーニ時代のイタリア、戦争の脅威も加わり、深みと感動、現代に伝える意味が倍増。
    限りある命と永遠の生命。普遍的テーマを鮮やかに作品に落とし込み、「両親へ」と献辞を捧げるギレルモ。リスペクトしかない。

  • MEN 同じ顔の男たち
    現代的テーマを、空前絶後のおぞましい映像で…
    ★★★★

    タイトルどおりの「現象」に主人公が襲われるので、ある程度の心構えで作品に向き合ったところ、微妙に“同じじゃない”感じが妙に恐ろしく、それ以上に男たちの言動の常軌を逸するレベルが激しかったりして、心が落ち着かない状態がずっとキープされる。「じわじわ来る」感じと「ドッキリ」のバランスも、じつに映画っぽい。作り手の意図がきっちり作品の特徴になった好例。
    人によっては拒絶反応も起こるであろう衝撃シーンには、ジェンダー問題への鋭い批判精神が込められつつ、それを本能的に伝える巧妙さに感心しきり。
    主人公とともにイギリス郊外の豪邸の優雅さ、どこか異世界に繋がっていそうな非日常感も少しだけ味わえ、そこも魅力。

  • ビー・ジーズ 栄光の軌跡
    世界をフィーバーさせた後に、まさかそんな事態だったとは…
    ★★★★★

    多くのミュージシャンがリスペクト溢れるコメントで登場するなか、ジャスティン・ティンバーレイクの「人間トランペット」という評価に笑いながら納得。『サタデー・ナイト・フィーバー』各曲の、あの高音が生み出された経緯など、まさに音楽史に残る兄弟バンドの真実が痛いほど伝わってくる、アーカイブ的な必見作。
    初期の繊細極めるメロディラインの名曲、コーラスの美しさとは裏腹に、兄弟間の確執や、突然の人気に躍らされる人間臭さ、そしてディスコブームを作った直後の“被害”は知らなかっただけに衝撃を受けた。
    今は亡きメンバーのインタビュー映像や、若くして逝った弟のアンディの姿に、長年のファンなら自然と涙がこぼれるはず。

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