紀伊国の道成寺では、恋の執念で大蛇と化した清姫に焼き滅ぼされた鐘にかわり、新しい釣鐘の供養が行われていた。そこへ白拍子の花子(坂東玉三郎/尾上菊之助)が現れ、さまざまに舞い踊る。花子は清姫の怨霊で安珍をかくまい、自分との仲を隔てた釣鐘を恨んでいた彼女は、やがて大蛇の正体を現すと釣鐘(つりがね)もろとも去ってゆく。