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『福福荘の福ちゃん』大島美幸&荒川良々 単独インタビュー

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『福福荘の福ちゃん』大島美幸&荒川良々 単独インタビュー

監督の熱意が生んだオリジナル作品の魅力

取材・文:編集部 小松芙未 写真:高野広美

人気お笑いトリオ・森三中大島美幸が、自らの髪を丸刈りにして福ちゃんという愛らしいおっさんに成り切った初主演映画『福福荘の福ちゃん』。『全然大丈夫』などの藤田容介監督が手掛けたオリジナル作品で、女性恐怖症のトラウマに立ち向かう福ちゃんの姿を優しさたっぷりに映し出す。福ちゃんの親友シマッチにふんした荒川良々と大島が初共演を振り返り、本作に込めた特別な思いや魅力を語った。

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似ている? 似ていない?

大島美幸&荒川良々

Q:お二人は互いにとって掛け替えのない仕事仲間で親友という間柄で初共演されましたが、いかがでしたか?

大島美幸(以下、大島):以前から荒川さんとは似ているなと感じていました。似ている人が2人出て大丈夫かなと思っていたのですが、会ってみたらそんなに似ていなかった。表情の作り方が似ているのかもしれません。

荒川良々(以下、荒川):先日大島さんが藤田監督と現地に行ったウディネ・ファーイースト映画祭でのイタリア人の反応はどうだったんですか?

大島:見分けがついているかはわからなかったのですが、笑っていました。

荒川:僕は覚えていなくて申し訳ないのですが、京都の撮影所で大島さんとすれ違ったことがあるということで。そのとき僕は機嫌が悪かったのか、怖かったんですよね?

大島:一人で歩いていて、すごいオーラでした。

荒川:すごいオーラってそんな、若山富三郎みたいな。

大島:いや、本当に。さっさっさっと歩いていて、着物を着ていました。必殺的な感じで殺気立っていたというか。なので、最初は怖かったんですよ。

荒川:あ~必殺仕事人で通り魔役やっていたからですかね。映画の本読みのときに会ったらもう普通だったでしょ?

大島:普通でした。優しかったです。

荒川:ちゃんとお話しするのは本読みのときが初めてだったのですが、変な人じゃなくて「あっ、良かった」と思いました。もともと変な人じゃないということはわかっていたのですが、なんかこうね、しなを作ってこられても……。

大島:しなを作るって(笑)。そんなんじゃないと思います。

荒川:そう。だから大丈夫だと思って。僕も大島さんと似ていると思っていました。目が小さいじゃないですか。そうすると、見せ方などに小さいなりの努力があるんです。

1か月半で8キロ増量

大島美幸&荒川良々

Q:劇中でも似せようとお二人で話し合ったりしたのですか?

荒川:特にないですが、多分、藤田監督の狙いじゃないですかね。

大島:似ているように見えちゃうから、大島さんはもっと太ってと藤田監督に言われました。

Q:「24時間テレビ」のチャリティーマラソンランナーを務めたときに体を絞られて、映画のクランクインまでの約1か月半で8キロほど増やしたそうですね。

大島:増やしました。チョコレートを塗った食パンを一気に食べたら、すぐ太ります。

荒川:撮影現場にもパンを持ってきていましたよね。

大島:あれが一番太ります。一生分食べ過ぎて、もう食べていないです。

Q:同じものばかりを食べて、途中で嫌になったりしませんでしたか?

大島:おいしいんですよ、これが。おいしいから大丈夫でした。痩せるほうがきついですね。

Q:本作で自分の髪をそったときに、そること自体はそんなに問題ではなく、逆に女性っぽく見えないかと心配されたようですね。

大島:10年くらい前にも1回そっているのですが、そのときと今はやっぱり違うじゃないですか。10年間で女らしさが増しているんじゃないかと思って、心配になりました。昔のようにしてほしいと藤田監督がおっしゃって、昔は男っぽく見えたけど、今は10年たって今なので、女っぽくなっているんじゃないかという不安がありました。

Q:お二人が取っ組み合いをしているシーンはリプレイで何度も観たいと思うようなシーンでした。

大島:ありがとうございます。本気でやっていますからね。

Q:大島さん演じる福ちゃんの方が強いという設定ですよね。大変でしたか?

大島:そうでもないですよ。荒川さんは力加減が難しかったと思います。だからわたしは思いっ切りやらなきゃいけないと思って、思いっ切りやりました。

寅さんを思わせるもの悲しさ

大島美幸&荒川良々

Q:女性である大島さんがおっさん役ということがこの映画の大きな特徴で、シマッチ役の荒川さんは受ける側でしたが、普段の演技と何か違いはありましたか?

荒川:いえいえ、一緒です。男性ではないので、「ちょっとションベン行く?」みたいなことは言えなかったですが。

大島:行けていたら、もっと仲良くなっていると思います。

Q:福ちゃんのなまりも含めてキャラクターが確立されていると感じましたが、参考にしたものなどあるのでしょうか?

大島:なまりはもっときつい感じでやっていたのですが、藤田監督からもう少し柔らかくという指示をいただきました。あと、寅さん(『男はつらいよ』)を観てくださいとも言われたので、寅さんを観ました。

Q:寅さんのどの要素を福ちゃんに反映させたのですか?

大島:『男はつらいよ』は明るくて面白いだけではなく、もの悲しさもある作品。藤田監督から心に残る悲しさも表現したいというお話をいただいて「なるほど」と納得しました。

Q:確かに福ちゃんが号泣するシーンはとても切ないですね。

大島:切ないですね。本当に。勉強させてもらいました。

Q:荒川さんが以前、もし自分が金持ちだったら藤田監督に資金を提供して今後も映画をどんどん作り続けてほしいとおっしゃっていましたが、藤田監督のどんなところが魅力的ですか?

荒川:藤田監督のオリジナル脚本や生み出すキャラクターが大好きなんです。藤田監督の撮影や映画に対する姿勢にも共感しますし、ちょい役でもいいから出演したいと思わせてくれる監督です。出演できたときは、自分へのご褒美のような気がしています。

大島:自分の撮る映画に真正面から向き合う人間性が素晴らしいと思います。クランクイン前に手紙をいただいたのですが、「恥ずかしいものは撮りたくありません」という熱い気持ちが書かれていました。一生懸命で、この人に付いていけば大丈夫だという安心感もありました。

女性初の主演男優賞を狙う

大島美幸&荒川良々

Q:大島さんにとっては妊活休業前に撮影した作品ですが、特別な思いはありましたか?

大島:仮にも主演という大変ありがたいお話でした。たまたま妊活休業の時期と重なったので、全部出し切ろうという思いはありました。

荒川:撮影に入る前にはもう休業を考えていたんですね?

大島:2年前ぐらいから考えていました。でもこの仕事は断るわけにはいかないなと思って。男の部分は全部出し切ったので、1ミリも残っていないです。

Q:昨年10月に行われた大島さんの断髪式から主演男優賞が狙えるという話題で盛り上がっていますが、今も狙っていますか?

荒川:役所(広司)さんやケン・ワタナベと並んだら、面白いですよ。もし女性が主演男優賞に選ばれたら、初めてじゃないですか。

大島:初ですね(笑)。でもとりに行きますよ! 受賞スピーチのシミュレーションもしていますからね(笑)。


お互いの顔を見合い、確かめ合うかのように言葉を紡いだ大島と荒川。明るくゆったりとした空気感や息がぴったりで、初共演とは思えないほど。それは劇中にも表れており、二人の演技はおっさん同士のやりとりにしか見えないから不思議。男役に挑み、見事成功させた大島にとって、荒川の存在は大きかったに違いない。

映画『福福荘の福ちゃん』は11月8日より全国公開

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