『忍びの国』石原さとみ 単独インタビュー

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『忍びの国』石原さとみ 単独インタビュー
30歳になったいま、女優として

取材・文:磯部正和 写真:中村好伸

「のぼうの城」などで知られる人気作家・和田竜の同名小説を映画『殿、利息でござる!』の中村義洋監督が映画化した『忍びの国』。天下統一に向け、近隣諸国を次々に攻め落としていった織田信長が、唯一征服することができなかった伊賀に住む「欲に駆られた虎狼の族」と呼ばれた忍者たちを描いた本作で、大野智演じる伊賀一といわれる腕を持つ忍び・無門の妻・お国を演じたのが女優・石原さとみだ。近年、話題作への出演が続く石原が、作品に込めた思いや、30歳になった女優としての今後を語った。

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小説の大切な部分がしっかり描かれている

石原さとみ

Q:和田竜さんの小説を読んだときの感想を聞かせてください。

時代劇はそれほど詳しくないのですが、「忍者VS侍」という史実があったことにも驚きましたし、読んでいて、いろいろな知識が増えたことが楽しかったです。

Q:小説を読んだうえで、映画の台本を読んでみていかがでしたか?

小説を読んでいるとき、ちょうど世界中でさまざまな事件の報道などが飛び交っていたので、グロテスクなシーンが多かったら苦しいなと思っていたのですが、脚本がとても明るい感じだったので少しホッとしました。一方で、エンターテインメントとして描かれている中でも、人の命の大切さなど、小説の大切な要素がしっかりと内在していたのがステキだなと思いました。

Q:忍者=「欲に駆られた虎狼の族」という捉え方にはどんな印象を持ちましたか?

スパイのような役割ですからね。その中で、大切なものを見つけられない孤独な人たちが集まると、こうした無法地帯になってしまうんだということを痛感させられました。

大野智の芝居にはウソがない

石原さとみ

Q:そんな無慈悲で無機質な描かれ方をしている忍者を、大野さんが非常にコミカルで人間くさく演じていましたね。

これまでバラエティー番組での共演はあったのですが、お芝居で共演させていただくのは初めてでした。一番感じたのは、ひょうひょうとしているという表現が正しいのかわかりませんが、自分らしくその場にいる方だなと思いました。肩に力が入っていないというか、自然にお芝居に入っていかれるんですよね。

Q:オンとオフの違いがあまりないということなのでしょうか?

全てに対して自然体で臨んでいる感じなんですよね。もしかすると流れを逆算して気持ちを作っていく方なのかもしれませんが、作り込んでいる感じがしないんです。

Q:そんな大野さんのお芝居はどんな感じなのですか?

演じていることにウソがない感じがするので、感情がストレートに伝わってきます。大野さんのお芝居を見ていて、泣くつもりがなかったシーンで涙が出てきてしまいましたからね。それってすごいことだと思いました。

現実を伝えられる人間になりたい

石原さとみ

Q:数多くの映画やドラマに出演していますが、どのような思いで臨んでいるのですか?

いろいろと考えることはありますね。映画だからこそ伝わりやすいもの、影響力のあるもの、お金を出して観ていただくもの、そういう作品に出会いたいと思っていますし、ドラマではリアルタイムで届けられるものを大切にしたいという思いはあります。

Q:以前からそういう思いだったのでしょうか?

いえ。いままでは華やかさやポジティブさとか、夢を大切に……という思いで作品に取り組んできたんです。「限界を作らずに、挑戦することって美しい」みたいな考え方は、20代だからこその発想だと思うんですよね。作品でもそういう部分を強調したいと思っていました。

Q:近年、テーマ性の強い映画に出演している印象があるのですが、30歳になって作品に対する考え方などの変化はありましたか?

これからは、できれば夢や希望だけでなく、現実を伝えられる人間になりたいですね。「現実はこうだ」という気づきから、力強く一歩を踏み出してもらえるようなメッセージを伝えられる作品に出会いたいです。

Q:完成した作品を観ていかがでしたか?

この作品は20代最後に撮影した作品なので、両方の思いというか……エンタメとして楽しい時代劇である一方、忍びの残酷で卑劣な部分が現代にもはびこっているという現実もしっかり伝えているし、その中で、無慈悲な主人公が、命の大切さを愛によって気づくというのもステキだと思いました。

大切なものをちゃんと大切に

石原さとみ

Q:「欲」によって引き起こされる悲劇がコミカルでありながらもシビアに描かれていますが、石原さんは「欲」についてどう思いますか?

自分自身でコントロールできるものならばいいとは思います。わたしはどちらかというと“知識欲”が強い方だと思いますが、得たことで完結してしまうのではなく、それをどう使うか、先のことまで考えることがすごく大切だと思います。

Q:無門はお国によって大切なものに気づくことができますが、どんな心がけを持って生活をしていれば、大切なものを見失わないと思いますか?

どんな人でも気づけると思うんです。なぜなら誰でも大切にされたことがあるから。親がいて十月十日おなかの中で大切にされたから、生まれることができた。そういったことを意識できれば、人を大切にすることができるし、そのことによって人から大切に思われることもできると思います。わたしも大切なものをちゃんと大切にできるような人間になりたいです。


数々のドラマ、映画、舞台に出演し、女性誌の表紙を飾ることも多い石原さとみ。30歳になって、充実一途の印象が強いが、本人は「変わる努力をしたい」と強いまなざしで語っていた。常に視野を広く持ち、現状に甘んじない姿勢が、彼女の快進撃の大きな理由なのかもしれない。さらにアメリカの映画サイト「TC Candler」が毎年発表している「世界で最も美しい顔100人」の2016年度版で、石原は6位という順位にランクインしているが「評価していただくことはすごくありがたいですが、仕事でもプライベートでも、接している方から何か言ってもらえる方がうれしい」と語る姿に、ブレない自身の指標を感じた。

映画『忍びの国』は7月1日より全国公開

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