『宇宙でいちばんあかるい屋根』清原果耶 単独インタビュー

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『宇宙でいちばんあかるい屋根』清原果耶 単独インタビュー

自分自身と役がシンクロしていた

取材・文:坂田正樹 写真:高野広美

来年の朝の顔となるNHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」(第104作)のヒロインに抜てきされ、今最も勢いのある若手演技派女優として注目される清原果耶。初主演映画となる本作では、『デイアンドナイト』(2018)に続いて藤井道人監督とタッグを組み、謎の老婆・星ばあ(桃井かおり)との出会いを通して成長していく悩み多き少女・つばめをみずみずしく演じている。そんな進境著しい彼女が、本作に込めた熱い思いを真摯(しんし)に語った。

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妥協せず、いい作品を作りたかった

清原果耶

Q:藤井監督とは、『デイアンドナイト』以来、2度目のタッグですね。

またご一緒できるということで、「うれしい!」という気持ちが一番でしたね。『デイアンドナイト』のときは、大野奈々(役名)の気持ちで現場に入り、ずっと自分のことで手一杯だったので、あまりお話ができませんでした。今回は作風も明るく、わたしも少し大人になったので、役づくりのことや各キャラクターのイメージなど、たくさんお話させていただきました。

Q:映画初主演作が藤井監督というのも、感慨深かったのではないでしょうか?

もちろん、そうですね。藤井監督の作品に対する熱量だったり、愛だったり、キャストやロケ地への思いだったり、そういったものをヒシヒシと感じながら、頑固なまでに妥協せず、最後の最後まで追求し合って、「いい作品を作りたい」という思いはものすごく強かったと思います。

Q:藤井監督に成長した姿を見せられましたか?

うーん、どうなんでしょう。自分の演技に必死なところは以前とまったく変わっていないので……。ただ、そんな状況のなかでも、撮影の楽しさや充実感みたいなものを現場で見出すことができたので、そこは少し成長した部分かもしれません。

迷ったときは監督が導いてくれる

清原果耶

Q:作風は違いますが、『デイアンドナイト』と同じく今回も複雑な家庭環境で育った少女を演じています。その辺りは意識しましたか?

確かにそうなのですが、今回は、桃井さん演じる“星ばあ”という特異なキャラクターがキーパーソンとして登場します。14歳のつばめが夏に彼女と出会い、自分の家族のことだったり、近所の大学生との恋だったり、さまざまな悩みをともに乗り越えて成長していく物語。大人になるにつれて失ってしまう感情や、無意識に削ぎ落としてしまうものってみなさんあると思うのですが、本作は、手放してしまったものを「懐かしい」と思い出させてくれる作品になっていると思います。

Q:つばめは清原さんより4つ下の中学生ですが、どんな女の子に見えましたか?

わたしは、どこにでもいるごく普通の女子中学生だなって思いました。置かれた状況はそれぞれ違っていても、みんな悩みを抱えていて、その悩みが自分のなかではパンクしそうなくらい大きくて、でも、それを理解してくれる人は少なくて……そういうのって、つばめじゃなくても、現代に生きる中高生の誰にでも共通する部分があるんじゃないかなって、演じていて思いましたね。

Q:ただ、つばめは“自分の居場所”を探してさまよいます。複雑な感情を持っているだけに演じるのは難しかったのでは?

もちろん、つばめがさまよってきた人生をわたしがすべて体験しているわけではないので、想像できる範囲以外の感情もたくさんありましたが、迷ったときは藤井監督が正しい方へわたしを導いてくれました。つばめ自身も自分の居場所を探してさまよっているときに星ばあと出会って導かれていくわけですが、そういった意味では、わたしとつばめってシンクロしていたりするんですよね。

“和”の文化を大切にするつばめに共感

清原果耶

Q:つばめは手紙を書いたり、書道を習ったり、水墨画に興味を持ったり、古風でアナログなところがありますが、清原さんご自身はいかがです?

古風という性質が、アナログに直結するかどうかはわからないですが、わたし、中学生のときに茶道部だったんです。なので、つばめが“和”の文化を大切にしているところにすごく共感しました。ただ、すごいなぁって思ったのが、例えば水墨画に興味を持ったら、自ら行動を起こし、習えるところまで自分を持っていく意志の強さがあること。普通は「やりたいなぁ」で終わるところを、ちゃんと実行まで持っていくところは憧れますね。

Q:茶道部とは意外でした。だからいつも凜とされているんですね。

自分ではそのように思ったことはないですが……。そう言っていただけることはすごくうれしいです。ありがとうございます。

Q:つばめと星ばあとのやりとりがとても微笑ましい作品ですが、一番好きな言葉を挙げるとしたら?

星ばあがつばめに「しぶとく生きろ」って言うんですが、その言葉がすごく心に沁みましたね。14歳という若さで「わたしはこうやって生きていくんだ」という軸を持っているつばめに、星ばあはその言葉を託したんだと思います。本当に素敵なセリフ、素敵なシーンでした。

主題歌は共感できる部分がたくさん

清原果耶

Q:“清原果耶”として主題歌も担当されましたが、歌ってみていかがでしたか?

今回は作詞・作曲・プロデュースをCoocoさんが担当してくださり、つばめの目線で曲を書き下ろしていただきました。共感できる部分がたくさんあったので、つばめを演じているわたしだからこそ伝えられる何かがあると信じて、心を込めて歌わせていただきました。でも、歌はやっぱり緊張はしますね。

Q:透明感があって映画の世界観にすごくマッチしていました。

ありがとうございます。私自身、不安もあったのですが、初号を見終えたときに、スタッフさんに「最後の歌、とっても良かったよ」と言って頂けて、うれしかったです。


清原果耶

魂を震わす清原の“泣き”の演技で、これまでさんざん涙を絞り取られてきたが、本作は、涙どころか、ハートを丸ごと持っていかれそうな新たな魅力で満ちあふれている。特に星ばあ役の桃井との絶妙なコンビネーションは、女優としての可能性をさらに広げたといっても過言ではないだろう。いろいろ悩みはあるけれど、元気にしぶとく生きていく……つばめに重ね合わせながら、女優業にまい進する清原の生き様をとくとご覧あれ。

(C) 2020『宇宙でいちばんあかるい屋根』製作委員会

映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』は9月4日より全国公開

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