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『太陽は動かない』藤原竜也&竹内涼真 単独インタビュー

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『太陽は動かない』藤原竜也&竹内涼真 単独インタビュー

ノースタントで挑んだ撮影で強固になった絆

取材・文:イソガイマサト 写真:杉映貴子

『怒り』『悪人』など映画化が相次ぐ吉田修一の同名小説を、『海猿』『MOZU』シリーズの羽住英一郎監督が実写映画化した『太陽は動かない』。組織から裏切り防止のため心臓に爆弾を埋め込まれた2人のエージェントが、人類の未来を決める次世代エネルギーの極秘情報を巡って世界各国のエージェントと争奪戦を繰り広げる。冷静沈着な先輩・鷹野にふんした藤原竜也と後輩・田岡役の竹内涼真が、ブルガリアロケをはじめ規格外のスケールの撮影とアクションの裏側を語った。

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ブルガリアでのアクションは怖かった

藤原竜也&竹内涼真

Q:撮影で一番印象に残っていることは?

藤原竜也(以下、藤原):日本で肉体的なトレーニングやアクションの練習など、できることは準備して臨んだんですけど、クランクインしたブルガリアは行ったことがない国だし、羽住組も初めてだったので不安もありました。でも、いざ行ってみたら優秀なスタッフと、非常にいい環境のもとで集中して撮影ができて、ブルガリアでの1か月は、とても濃かったですね。

竹内涼真(以下、竹内):僕は今回、アクションはリハーサルをやればやるほどよくなるということを実感しました。アクション部の方たちにもすごく感謝していますし、ブルガリアに行く前に竜也さんと一緒にアクションのリハを重ねることで信頼関係も出来上がっていたのでカッコいいアクションになったような気がします。ただ、ブルガリアでのアクションは、今振り返るとちょっと怖いです(笑)。

藤原:確かに……(笑)。

竹内:今やれと言われても、多分気持ちが追いつかない。何十時間もかけてブルガリアまで行き、初日から橋を飛び越えたりしながら徐々に体を慣らしていって、いい意味で麻痺していたからできたというか(笑)。日本映画としては別格の準備期間がある贅沢な生活環境だったと思います。

藤原:ブルガリアは組合もしっかりしていて、はっきり労働時間が決まっているんですよね。撮休の日もあるので身体的には楽なんですけど、その分、撮影期間が延びて拘束時間が長くなるから気持ちは複雑でした(笑)。

酸欠になるぐらいハード

藤原竜也&竹内涼真

Q:藤原さんも、冒頭から激走するトラックの荷台の上で敵のエージェントと肉弾戦を繰り広げたり、危険なアクションシーンがたくさんありました。

藤原:身体が年々動かなくなってきているのに、なぜ、こんなことばかりやらされるんだろうと思ってました(笑)。でも、今回のアクションが受け入れられなかったら挑戦し甲斐がないと思うぐらい、連続ドラマ版(WOWOWで2020年5月に放送)と合わせて半年間どっぷり集中してやれましたし、自分にとっても大きい作品になりました。ただ、監督の要求に応えることができたので結果的によかったけれど、危険な賭けをしているなと思ったところもありましたね(笑)。

竹内:撮影で集中していると、スタッフの皆さんの熱意も伝わってきてこっちも期待に応えられないのは悔しいから、竜也さんと「やるしかないな」と本番まで必死にトレーニングをして挑む。だからできたんですけど、冷静に考えたら「いやいや、ちょっと無理でしょ」っていうオーダーだったりして(笑)。我ながらよくあそこまでやれたなと。

Q:羽住監督は役者さんをノセるのが上手いんですね。

藤原:いや、これは書いておいてほしいんですけど、監督がノセるのが上手いからできたわけじゃないですよ! やらないと撮影が進まないから、やらざるを得なかったんです(笑)。

竹内:僕が貨物列車の中で戦うシーンも、もちろん列車から落ちないようにハーネス(墜落防止用器具)をつけていたけれど、緊張感はすごかったです。列車を8時間動かしっ放しにして、いい景色の場所に来たら撮影するスタイルで、酸欠になるぐらいハードだったんです。

藤原:ただ、僕は危険なことを承知で臨んで、たまたま全員が無事で、すごくいい画が撮れたとしても、それはプロの仕事ではないと思います(笑)。突っ込んで、ギリギリのアクションを撮る場合もセーフティ・ファーストは絶対ですね。

トム・クルーズの動画を見て奮い立たせた

藤原竜也&竹内涼真

Q:お二人は今回が初共演ですけど、どのように距離を縮めてバディ感を出したんですか?

藤原:僕が「もう嫌だ~。アクションも無理~」って言っていたら、涼真がニコニコしながら「竜也さん、見てくださいよ。トム・クルーズ、こんなことやってるんですよ!」って、トムのアクションシーンの動画を見せるわけですよ(笑)。

竹内:ああ、ありましたね(笑)。

藤原:それを見せられても気分は上がらないし、逆に凹むから「ふざけんなよ!」って言ったんだけど、そうやって鼓舞してくれたし、本当に支えてもらいました(笑)。

竹内:僕もそういう動画を見て自分を奮い立たせないとやれなかったですから(笑)。それに、僕はこういうハードなアクション映画をずっとやりたいと思っていたので、トムの映画にも負けないカッコいいものを作りたいという気持ちが強かったんです。

藤原:涼真は会ったときから物怖じせず、自分の信念で表現するやつだなと思っていました。自分は演劇の世界でいろいろな教育を受けて育ってきたけれど、今の若い俳優はそういうものをどこで身につけているんだろう? って思うことがあって。涼真は率先してアクションに飛び込んでいたから、僕も自然と「自分もやるしかない!」という気持ちになりました。

竹内:僕が演じた田岡は、役柄的にも自分から動いて周りを動かしていくキャラクターでしたからね。僕が発信したものを竜也さんが受け止めてくださったからこそ、このバディ感ができあがったような気がします。

「明日のことは考えるな!」の意味

藤原竜也&竹内涼真

Q:劇中の鷹野のセリフ「明日のことなんか考えなくていい! 今を生きろ!」は、強く刺さるものですが、この言葉をどう受け止めましたか?

竹内:例えば今はSNSなどで、見なくてもいい情報が入ってきて、それで落ち込んだりする人もいますよね。僕はこの映画で、そういう情報に気を取られることなく、目の前のものに向かって必死に生きることの大切さが伝わればいいなと思っています。

藤原:正しい言葉ではあるけれど、同時に(コロナ禍において)時代が乗っかってしまったという悲しさも感じます。でも、映画は本来、そんなことも考えずに没入して楽しむものだと思いますけどね。

Q:劇中の鷹野と田岡のようにタイムリミットが24時間だったら、その時間内に何をしますか?

藤原:(間髪入れずに)24時間以内に涼真と『太陽は動かない』の続編を撮りたいです。撮り切ります(笑)!

竹内:もちろん僕もそれに乗ります(笑)。でも、タイムリミットがあるのは嫌ですね……。この映画の撮影中も、ビルの上の点滅している赤いランプなんかを見ると嫌~な気持ちになりましたから(編集部注:劇中で演じるエージェントの心臓に埋め込まれた爆弾が、タイムリミットが近づくと赤く点滅する仕組みになっている)。


藤原竜也&竹内涼真

同じ事務所の先輩、後輩の間柄でもある二人は、まるで兄貴とその弟分のような距離感で息もピッタリ。座長の藤原はブルガリアロケでも共演者やスタッフを食事に招待し、竹内は毎日のようにそんな藤原と昼食を共にしたという。藤原について話す竹内の言葉や眼差しには敬意が感じられ、竹内をイジる藤原からは可愛い後輩を包み込むような優しさも。そんな彼らの普段の信頼関係が、映画のバディ感にも説得力を与えている。

映画『太陽は動かない』は3月5日より全国公開

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