『ブレイブ -群青戦記-』新田真剣佑 単独インタビュー

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『ブレイブ -群青戦記-』新田真剣佑 単独インタビュー

幼少期から習得した武術の経験が生きた

取材・文:折田千鶴子 写真:高野広美

現在も第2部が「週刊ヤングジャンプ」で連載中の笠原真樹の人気コミック「群青戦記 グンジョーセンキ」を、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督が実写映画化。突如、戦国時代にタイムスリップしてしまったスポーツ強豪校の高校生たちが、部活で培った身体能力や現代人の知識を生かして元の世界に帰ろうと奮闘する……。弓道部所属の西野蒼役で初の国内映画単独主演を務めた新田真剣佑が、座長として作品に込めた“熱い”思いを“淡々と”語った。

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部活のような撮影現場

新田真剣佑

Q:共演俳優たちから絶対的な信頼を寄せられていると感じましたが、座長を務めるにあたって、これまでの撮影現場での居方と異なる点はありましたか。

とにかく明るい現場にしたいと、それだけを考えて現場に居た感じです。スタッフや出演者の皆さんと距離を近づけることによって、いい現場になるとも思いました。僕はもともと一つのことに全集中するタイプなので、撮影期間中は100パーセント、役と向き合って没頭したいんです。今回、やっとそれが出来たように思います。

Q:大勢の同年代の俳優が参加していますが、どのようにまとめていったのでしょう?

映画はトップアスリートが集結した高校を舞台にしていて、いろいろな部活が多数ある設定ですが、撮影現場も、その部活が集まって一つの大きな部活動をしているような感じでした。みんなといろいろなことを語り合いましたし、一つの作品に対して全員がアツくなって、同じ気持ちを持って撮影に没頭できているのを肌で感じていました。

Q:そんな撮影現場のクランクアップでは、さすがの新田さんも目頭が熱くなった!?

みんなとやり切った気持ちがあり、それがとても嬉しかったです。また撮影現場が楽しかったので寂しいという気持ちはもちろんありました。

リアリストの主人公に共感

新田真剣佑

Q:タイムスリップ前後は、蒼は本気を出したり戦うことに尻込みする、少し引っ込み思案なキャラクターでもありました。撮影現場に蒼として立った時の心境は?

蒼としては「どうしても(命を懸けて)立ち向かわなければいけないのか!?」という気持ちでした。原作にもあるように、蒼は非常にリアリストです。だから周りが「砦を攻めよう」と言っても「それは無茶だろ」と思う。その蒼の考えは、すごくわかります。でも、蒼がずっと憧れていた、強くて情熱的でロマンチストな幼なじみの考太に、「大丈夫だ、俺らなら行けるよ。だってトップアスリートだろ」と勇気づけられて、「よし、やろうかな」となるわけです。蒼の人生にとって、伸君(鈴木伸之)が演じた剣道部員・考太の存在は大きかったと思います。

Q:その考太に対して、蒼はどこかコンプレックスを抱いている印象です。

劇中でも蒼は「考太ってすごいな」と何度も言っていますが、憧れていると同時に、どこか考太に譲ってしまうようなところがあるんです。演じながら、何か蒼は前に出られないんだなと感じていました。そこにもどかしさも感じますが、なかなか破れない殻を遂に破って大きく変化を遂げ、蒼が大人になっていく過程が、本作の見どころでもあると思います。

Q:新田さん自身が、もし蒼と同じ立場に置かれたらどうしますか。今回共演して絆を育んだ仲間に頼られたら?

砦を攻めるなんて、絶対に嫌です(笑)! 生きて帰れる状況じゃないですから。まずは「これは映画じゃないんだ、ガチなんだぞ」と頑張って説得すると思います。その上で「で、どうやって元の世界に帰るの!?」と聞きます(笑)。いや、本当にそんな状況で頼られてしまったら……。でも僕の性格上、みんなを守るため結局は戦いに行くことになるでしょうね。

いつの間にか武術全般が得意になっていた

新田真剣佑

Q:蒼は秀でた弓道の腕の持ち主という設定ですが、今回ノースタントだそうですね。もともと経験があったのですか?

ありません。ですから撮影の数か月前から練習を始めました。と言っても、鏑流馬(やぶさめ)をやったことがあったので、弓を射ることはできるんです。ただ弓道には流派というものがあるので、その流派をちゃんと習得してから撮影に臨みました。

Q:弓道未経験と言いつつ、馬に乗りながら的を射る鏑流馬をされていたとは……! 鏑流馬は、一体いつどこで習得されたのですか?

小さな頃からJAC(新田の父、千葉真一が創設したアクション中心の俳優事務所)の合宿に参加してやっていたんです。幼少期からいろんなことに興味を持っていたので、そこでさまざまなことに挑戦しているうちに、いつの間にか得意になっていただけなんです。鏑流馬も、その一つです。

Q:戦国武将たちと戦うことになる後半は、弓だけでなく剣道など、いろいろな技を駆使して戦っています。アクションにおける身体のキレが素晴らしかったですね。

剣道というより途中から剣さばきというか、素早い殺陣のような感じになりました。その辺りの武術も「やって損はないな」と幼少期より習得していたので、スムーズだったように思います。乗馬も、どんな馬でも連れてきていただければすぐに乗れます。アクション全般において練習時間が少なくて済むので、スタッフさんにとって僕は楽な役者だと思います(笑)。

面倒くさいほどの完璧主義者

新田真剣佑

Q:高校生たちそれぞれの部活動の技や強みを駆使する戦法が面白さでもありますが、新田さんの推しキャラはいますか?

僕の推しキャラは、“全身凶器”(福山翔大演じる空手部員の相良煉)ですね。あの空手バカが、ちょくちょく面白いことをしているんですよ(笑)。あとは、みんな戦場で真剣に戦っているのに、アメばかり食べているやつ(草野大成演じる特進クラスの小暮サトシ)がいて。息詰まるシーンの間に、笑えるキャラがちょこちょこ存在している。そんな本広監督のセンスが好きです(笑)。僕が演じた蒼はシリアスで、アドリブを入れられるような隙や余裕もなかったので、彼らがちょこちょこ入れるアドリブを、撮影現場でも楽しんで見ていました。

Q:高校生たちのエネルギッシュな熱さがみなぎっていますが、新田さんご自身はどんな高校生でしたか?

水球とレスリングをやっていましたが、基本的には個人競技が好きです。団体競技である水球でも、ゴールキーパーでした。もちろんゴールを守れたら盛り上がりますし、先輩に褒められたりしたことはとてもいい経験でしたが、やっぱり何をするにも自分が全責任を負い、すべて自分で仕切れるスポーツが好きで。一番の思い出は、レスリングの試合。アメリカは高校が4年間で、1年生のときから3、4年生と試合をしていたのですが、2年生に進級したとき、1、2年生しか出られない試合があって、完全無双状態で優勝したのは本当に楽しかったです!

Q:仕事への向き合い方もそうですが、一つ一つを完璧に仕上げて事に臨むという新田さんの完璧主義は、昔から貫かれているようですね。

そうなんです。僕、面倒くさいほど完璧主義なところがあるので、いろいろな人から「何事も、もう少し抜いて生きないと疲れちゃうよ」と言われます。僕自身もそうしようと思っているのですが、すごく不器用なので、ちょっと抜くということがなかなか出来なくて……。


新田真剣佑

「不器用な上に完璧主義」と自分を評する新田は、自身の情熱や感情を言いにくそうにするが、「終わるのが寂しかった」と漏らしたように、本作に懸けた熱い思いは、言葉の端々に滲み出ていた。桶狭間の戦い前夜、高校生アスリートの前に立ちはだかる織田信長ら名だたる戦国武将を相手に、彼らはどう戦うのか……。座長を務めた新田の「思う存分、映画作りに没頭した」熱さが、シーンごとにみなぎっている。

(C)2021「ブレイブ-群青戦記-」製作委員会(C)笠原真樹/集英社

映画『ブレイブ -群青戦記-』は3月12日より全国公開

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