見どころ:「別冊マーガレット」連載の咲坂伊緒のベストセラーコミックを実写化した青春ラブロマンス。中学生のときに同じ学校だった高校生の男女が、思いも寄らなかった再会を機に改めて惹(ひ)かれ合っていく姿を追い掛ける。メガホンを取るのは、『ソラニン』『陽だまりの彼女』などの三木孝浩。テレビドラマ「ショムニ2013」などの本田翼、『クローズEXPLODE』などの東出昌大が、主人公のカップルを快演する。ロマンチックな物語に加え、オールロケを敢行して捉えられた富山と長崎の風景も見もの。
あらすじ:中学時代、お互いに特別な思いを抱きながらも何も進展させることができないまま、離れ離れになった双葉(本田翼)と洸(東出昌大)。それをどこかで引きずりながら高校2年生になった双葉だったが、洸とまさかの再会を果たす。しかし、以前の彼からは想像もつかないそっけない態度や言動に戸惑いを覚えてしまう。それでも洸と向き合ううちに、ふと見せる昔のままの優しさに安堵(あんど)する双葉。やがて彼女は、自分の気持ちが再び洸に向き始めていることに気が付き……。
「恋より友情派」などと心の声で叫びつつ、走って登校する本田翼の冒頭シーンだけで王道学園青春ものを期待させるが、そのままその道を歩む今どき珍しい映画だ。漫画的なクリシェで役割分担された友情クルーにもそれぞれ個性がしっかりあるのは、さすが手練れの三木孝浩。だが最大の美点は『ニシノユキヒコの恋と冒険』でも快演した本田翼の存在感、キラキラ目まぐるしく表情を変えつつシーンをパワフルに引っ張っていくさまに名コメディエンヌとしての未来を見る。ただ本作ではややオーバーアクト、もう少し演技をコントロールできる監督に鍛えられればさらに化けるはず。その点、病んだ異分子キャラ高畑充希がまだ上を行っているかな。
『陽だまりの彼女』『ホットロード』と、高いハードルをクリアした三木孝浩監督が、ついに最高傑作を放った! しかも、少女マンガの実写化作品としてもベストの仕上がりだ。主人公2人の恋愛だけでなく、彼らを取り巻くクラスメイトの友情物語という原作の最重要ポイントを抑えながら、リーダース研修、文化祭といった、おなじみのエピソードがテンポよく展開。そして、クライマックスには脚色を加えながら、長崎での修学旅行を用意するという、既刊11巻まで網羅。恐ろしいほどキラキラしたキャストの好演も胸キュン要因だが、そんななか『僕等がいた』の有里にも匹敵するヒールキャラ・成海を演じる高畑充希のメンヘラ的演技に圧倒される。
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