見どころ:テレビドラマ「湯けむりスナイパー」などの遠藤憲一とSKE48/乃木坂46の松井玲奈がダブル主演を務め、愛知県から東京を目指す感動的なロードムービー。妻子を捨て、友人もいない男が、愛されずに育ったキャバクラ嬢に100時間で100万円のアルバイトを持ち掛け、ある贈り物を届けるために旅をするさまを映し出す。監督は、本作がデビュー作品となる宮岡太郎。孤独な二人が旅を通して、少しずつ心を通わせる様子が印象深い。
あらすじ:輸入食品会社を一代で築き上げた篠崎(遠藤憲一)。一方、母親の愛を知らずに育ち、ホストにだまされて借金を抱えてしまったキャバクラ嬢の沙織(松井玲奈)。スリ未遂の被害者と加害者として思いがけない出会いを果たした二人だったが、篠崎は沙織に100時間で100万円のアルバイトを提案。孤独で偏屈な彼らが愛する者に贈り物を届けるため、一路東京へと向かう。
「マジすか学園」のエキセントリックなゲキカラから始まった“女優・松井玲奈”。今や陰のある役を演じさせれば、48グループ内で右に出る者はいない演技派が、「家族狩り」でもいい味出してる遠藤憲一とガチでぶつかるだけに、ハンパなアイドル映画やご当地映画には仕上がっちゃいない。
よくあるハートウォーミングなロードムービーでもなく、ウィル・スミスの『7つの贈り物』にも似た“gift”の正体が判明するまで、かなり謎めいた展開は興味深く、松井演じる姉と弟の関係性やトラウマなどは、宮岡太郎監督が大学時代に撮ったサスペンス『エコーズ』と被る部分も大きい。だからって、追っ手の演出までホラーにしたのはやりすぎ。