見どころ:世界的ベストセラーとなったセシル・オーブリーの児童文学「アルプスの村の犬と少年」を実写化したドラマ。アルプスを舞台に、山をさまよっていた野犬ベルと少年セバスチャンが育む固い絆を見つめる。メガホンを取るのは、『狩人と犬、最後の旅』のニコラ・ヴァニエ監督。『そして友よ、静かに死ね』のチェッキー・カリョとディミトリ・ストロージュ、『オーロラ』のマルゴ・シャトリエらが出演する。ベルの愛くるしい姿もさることながら、アルプスの雄大な風景にも目を奪われる。
あらすじ:雄大なアルプス山脈を望む小さな村で生活している、孤児のセバスチャン(フェリックス・ボッスエ)。ある日、彼は山の中で一匹の野犬と遭遇する。人間や家畜を襲撃する害獣だとして村人から殺されそうになっていた野犬を懸命にかばい、ベルと名付けて世話をすることになる。お互いに孤独だったゆえに、固い絆を育んでいくセバスチャンとベル。そんな中、彼らはナチスに追われるユダヤ人一家を逃すための道案内を務めることに。雪と寒さで命を落としかねないアルプスの自然と冷酷なナチスに挑むが……。
かつて日本でも『名犬ジョリィ』としてアニメ化されたフランス児童文学の映画化。実の親を知らない孤児の少年セバスチャンと飼い主に捨てられた犬ベルの友情を軸としつつ、ユダヤ人難民をナチスの追跡から救うという原作にはない逃亡サスペンスが展開する。
全体的に予定調和の連続であることは否めないが、単純な善悪では割り切れない人間や社会の不条理をきちんと踏まえた作り手の姿勢は立派。ドイツ兵も決して紋切り型の悪人として描いたりしない。
アルプスを舞台にした映像の牧歌的な美しさを含め、恐らく筆者が子供の頃に見ていれば一生忘れられない作品になっただろうと思う。とても優れたファミリー向け映画だ。
残酷な飼い主に虐待されたピレネー犬と人懐っこい孤児の少年の絆を描く物語で、自然が美しいアルプスを楽しそうに駆け回る彼らの姿を見るだけで顔がにやけてくる。かわええ~。主役の少年はオーディションで選ばれた素人で、自然体の演技と愛らしい顔つきはこの瞬間だけと思うとさらに魅力が増す。物語の主軸は彼らが絆を培うまでと“野獣”と恐れられる犬を村人から守ろうと少年が頑張る展開で、オチはわかるのに「頑張るのよ!」と少年と犬を応援する自分がいるのに気づく。映画的に考えるとドラマはかなり薄っぺらいけど、その欠点を補って余りある少年&犬のキラー・コンビにやられました。反則でしょ!
※数量や販売期間が限定されていたり、劇場によっては取扱が無い場合があります。
ブログなどをご利用の方は以下のURLをトラックバックURLとして指定してください。