見どころ:終戦直後の1946年から1962年にわたってアメリカが行った太平洋上での核実験について、日本への影響を取材した前作の第2弾となるドキュメンタリー。「第五福竜丸事件」を調査した前作を観た漁船員の遺族による被ばく者捜しの活動を追い、また日本列島にまで及んだ被ばくの実態などを解明していく。監督は、前作と同じく伊東英朗。漁船員の記録や外務省と厚生労働省が発表した文書などから新事実が判明し、これまで明かされてこなかった核実験の真実や放射能の影響について知ることができる。
あらすじ:1946年から1962年の間に、アメリカが行った太平洋上での核実験は100回以上を数え、操業していた日本の多くの船の船員が被害に遭い、放射性物質が広がったことが判明した。そんな中、真実を知った漁船員の遺族が、被ばく者への聞き取り活動を開始。新たに行った土壌調査では、被ばくは海だけではなく日本列島に及んでいたことがわかる。
執念の作品だ。ビキニ水爆実験の真相を探る第2弾。
今回は実験当時に放射性物質が測定された沖縄などに趣き土壌調査を実施。さらに当時の記録や報道を検証し、国が被害の大きさを鑑み汚染地域で捕獲された魚を大量破棄したことも詳らかにする。なのに福島第一原発事故後、汚染水は度々海に漏れているワケだが…。
よく放射能が人体に及ぼす影響に関して「根拠がない」と一蹴される。
だが伊東監督はその論調に確固たる証拠を突きつける覚悟なのだろう。
1作目に触発され、父親の死因に疑問を抱いた元漁師の家族たちも立ち上がった。
いずれ映画史に残る問題作になるであろう期待と、シリーズを続けて欲しいというエールも込めて。星5つ。