見どころ:スペインの漫画家マルエル・バスケス・ガジェゴのコミックを基に、『ゴースト・スクール』などのハビエル・ルイス・カルデラが監督を務めた異色バディムービー。老スパイと平凡な息子が一致団結し、ギャングからの襲撃をかわそうとする姿をギャグを交えて描く。『ペーパーバード 幸せは翼にのって』などのイマノル・アリアスと『ラスト・デイズ』などのキム・グティエレスが父子を熱演。軽快なテンポで進む型破りなストーリーと、笑いがちりばめられた展開に引き込まれる。
あらすじ:ごく普通の人生を送ってきた警備員のアドルフォ(キム・グティエレス)は、ある日突然凶悪犯バスケス(カルロス・アレセス)の標的になる。実は彼の父親アナクレト(イマノル・アリアス)の真の姿はスパイで、以前バスケスを刑務所送りにした張本人だった。バスケスはリベンジを果たすべく刑務所を脱走し、アドルフォに狙いを定める。
初老に差しかかって肉体の限界を痛感するベテラン凄腕スパイが、ボンクラ息子を長年の宿敵から守るため最後の戦いに挑む。スペインの往年の国民的人気コミックの後日譚である。
基本路線はスクリューボール・コメディ。大幅な予算削減で存続すら危うい諜報部は、エージェントもスタッフもジイさんバアさんばっかり(笑)。依然として経済状況の厳しいスペインならではのブラックなユーモアが散りばめられる。
親父の覚悟に触発されたダメ息子がスーパーエージェントへ目覚めていく展開は『キングスメン』風。主演のイマノル・アリアス以下、ロッシ・デ・パルマにカルロス・アセレスと、新旧アルモドバル組の共演が嬉しい。
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