VENUS/ヴィーナス (2022):映画短評
VENUS/ヴィーナス (2022)
ある意味アリ・アスター風な現代のラヴクラフトワールド
ラヴクラフト原作の映画を観る度に、その映画化の難しさを思い知る。本作にもそれは感じたが、それでも世界観の取り入れ方には見るべきものがある。
アレンジは現代的で、ギャングに追われるクラブのダンサーが、逃げ込んだ老朽アパートで怪現象に遭遇。そこから宇宙や死、信仰、絶望といったラヴクラフト的な世界へとつなげる展開は、『ヘレディタリー/継承』の構成にも似て引き寄せられる。
『REC』シリーズに代表されるバラゲロ監督らしい屋内撮影シーンの閉塞感は健在で、唖然とするしかないラストまで緊張感たっぷり。好き・嫌いはあろうが、個人的にはお気に入り。
この短評にはネタバレを含んでいます