シネマトゥデイ

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相馬 学

相馬 学

略歴: アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況: 『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』他の劇場パンフレットに寄稿。趣味でやっているクラブイベントDJの方も忙しくなってきました。

相馬 学 さんの映画短評

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  • デッド・ドント・ダイ
    鬼才が痛烈に謳う「バカは死ななきゃ治らない」
    ★★★★

     B・マーレイとA・ドライバーがジャームッシュ作品でゾンビと戦うのだから、ホラーというよりコメディであるのは必然。他にもT・スウィントンやT・ウェイツ、イギーらが登場し、さながらジャームッシュ・オールスターズ。それだけでファンは必見。

     田舎町で展開する終末騒動はノンキなムードにあふれ、オフビート感たっぷり。ゾンビが生前の趣味やこだわりを持っているという設定も笑いを醸すうえで効いている。

     とはいえ笑ってばかりいられないジャームッシュ作品。スマホやPCに囚われている人間がゾンビのよう思えたと彼は語るが、そんな社会への風刺も抜かりない。愚かな人類はゾンビと同等……と言わんばかりの毒気。強烈!

  • CURED キュアード
    完治するくらいなら死んだ方がマシ、、、な世界!?
    ★★★★

     ゾンビ映画はそもそも終末的なものだが、終末を逃れても新たな終末の可能性が待っている。そんな絶望的世界を現実と地続きで描いて見せたユニークな映画。

     ゾンビウィルスを治療可能な病気に設定し、”回復者”が置かれる差別を見つめる。彼らはゾンビ時代の記憶が残っている生者で、”生ける屍=ゾンビ”の公式は成り立たない。これとは別にゾンビに殺された“本当の死者”もいて、それが話を面白くする。

     パンデミックの今となっては回復者差別や感染テロなどの描写が重くも感じるが、それだけ見応えはある。『28日後…』の主人公にも似た、S・キーリーふんする回復者の心のさまよいにもドラマが宿って◎。

  • ナイチンゲール
    恐ろしくパンチの効いた移民&先住民・残酷物語
    ★★★★★

     『ババドッグ 暗闇の魔物』でホラーの形式を借りて女性の狂気に鋭く切り込んだJ・ケント監督が放つ一撃。豪州の移民史&侵略史に切り込んだ本作でも心理劇の重厚さに揺るぎはない。

     冷酷な軍人と、彼への復讐を誓ったヒロイン。前者が生命に対する感受性が欠如しているのに対し、後者はその感受性を捨てきれない。一方では、ヒロインと、そのガイドを務めるアボリジニ青年の対比がある。奪われた物の大きさの違いが、それぞれの怒りに変換される、そんな設定の妙に唸らされる。

     若い頃のレイチェル・ワイズを連想させるヒロイン、A・フランシオンの表情の演技も素晴らしく、バイオレンスを含めて絵的興奮も抜かりなし。大注目!

  • 21世紀の資本
    資本主義は進化したのか? それとも退化!?
    ★★★★

     18世紀の市民革命から現代の格差社会までの資本主義の変遷をたどり、世界の在り方を問う。俯瞰の視点が新鮮だ。

     本作の基になったベストセラーの著者ピケティは、現代の格差の広がりは18世紀の再現と語る。格差解消が実現したのは、ふたつの大戦後のみ。資本を持つ者たちのやり口は、いつの時代も巧妙かつ強硬。歴史を追って丁寧に語られるそれらは経済に疎い自分にも飲み込みやすい。

     興味深いのは、第二次大戦後に台頭した中産階の衰えと、それがもたらす影響。勤労が報われる時代は終わり、労働は資本主義から切り離され、リベラルは衰退した。そんな社会の仕組みも見えてくる。ヘビーな現実だが、直視しないといけない。

  • ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY
    ヴィランでも共感、ヒロイン・アクションはかくあるべし!
    ★★★★

     『スーサイド・スクワッド』と地続きにしつつ、ハーレイ・クインを単独の主人公に設定し、その成長を描く。見ていて大いにワクワクさせられた。

     高い身体能力を活かしたアクロバティックな暴れっぷりは痛快だし、奔放かつパンキッシュなキャラも健在。ヴィランではあるが、それゆえの魅力もあり、悪党なりに善悪の基準が見えることがドラマを面白くする。

     物語の肝は彼女の自立。邪悪王ジョーカーと破局して裏社会での後ろ盾を失った彼女が一念発起するのだが、ギャグを織り込みつつも心情の変化をしっかりと伝え、性差に関係なく共感を引き寄せる。♯metoo以降のヒロイン・アクションはかくあるべし、と言い切ってしまおう!

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