シネマトゥデイ
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相馬 学

相馬 学

略歴: アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況: ローリング・ストーン誌で、ピーター・バラカンさんに音楽の話を聞く仕事が続いております。最新号のお題はジョージ・ハリスン「バングラデシュのコンサート」。

⇒映画短評の見方

相馬 学 さんの映画短評

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  • PARKS パークス
    その公園は、あなたの心の中にある
    ★★★★★

    井の頭公園や吉祥寺はなじみのある街だが、そんな思い入れを越えて、た自然体の匂いが深くシミてくる逸品。

    湧き出る生活感。役者たちの平成顔とも昭和顔ともとれるタイムレスな顔つき、ノスタルジックかつ素朴な音楽。限定された空間に息づく時を超えたファンタジーは、それらに支えられ、見る者のイマジネーションを刺激する。

    日常と非日常。言葉と音楽。物語とミュージカル。ロメールのみずみずしさとゴダールのシュールレアリスム。1960年代のフランス、ヌーヴェルヴァーグが、現代の日本に甦ったなら、こんな作品になるのではないか……そんなことをふと思わせる。面白い!

  • T2 トレインスポッティング
    歳をとるブザマさも笑い飛ばしてしまえ!
    ★★★★

     スタイリッシュと評された前作。確かに絵と音の融合は今回もインパクトがある。が、エッジは消えた。なぜか? 登場人物がオッサンになったから、だ。

     トレインスポッター、すなわち機をうかがい、それに飛び乗ろうとする野心家であった主人公レントンに、もはやその才はない。前作では彼のナレーションが状況を客観視するトレインスポッターぶりを如実に表わしていたが、本作ではそれも希薄だ。

     しかし20年という年月の重みを知る者には頷けるし、笑えもする。ロクな成長もせず歳だけとるのはブザマだが、裏を返せば伸びしろがあるということ。その象徴としてのイギー・ポップ“ラスト・フォー・ライフ”にグッときた。

  • ゴースト・イン・ザ・シェル
    オリジナルと別物と、割り切るべし
    ★★★★★

     最大公約数の観客に向けた映画を発信するハリウッドが『攻殻機動隊』をリメイクするとなれば、オリジナルの哲学性を小難しいと切り捨てることは想像できる。それを踏まえて見れば、これはこれで面白い。

     実写化により未来都市の造型は立体感を増し、場面によっては『ブレードランナー』の猥雑なアジアン・テイストを匂わせる。何より、ヒロインの肉感的な存在が鮮烈さとして機能。スカーレット・ヨハンソンが映るだけで、ハッとさせられる。

     ヘビーな“攻殻”フリークに勧めようとは思わない。が、オリジナルから20年以上を経た今、本作を入口にしてオリジンに触れる若い観客の存在を思うと、やはりこれはこれでアリだろう。

  • ハードコア
    ゲーム世代のDNAを継ぐ刺激的体感アクション
    ★★★★

     完全一人称映像というゲーマー視点でアクション映画を撮る。ありそうでなかった体感アクション。

     走る、跳ぶ、撃つ、飛び降りるといった動作は、主人公が特殊な義手・義足を持つという設定を得たことで、超人的になる。当然、体感レベルも速く、激しく、力強い。そういう意味では十分に刺激的なエンタメだ。

     見ていて思い出したのは、『アドレナリン』のネヴェルダイン&テイラーのような暴走感覚や、『第9地区』のニール・ブロムガンプ的な主観映像の面白さ。クィーンの曲の起用にはエドガー・ライト『ショーン・オブ・ザ・デッド』を連想。この新人監督はゲーム世代の鬼才たちの影響を確実に受けていると思う。

  • ムーンライト
    ブルーに生きるか、ブラックに生きるか?
    ★★★★

     家は貧しく、母は麻薬中毒、学校ではイジメられ、自分はゲイ。生きにくい環境をあたえられた少年の物語ではあるが、悲劇性を押し付けはしない。

     “ムーンライトに照らされると黒人の少年も青色に見える”とは劇中のセリフ。しかし主人公は“ブルー”ではなく“ブラック”として成長する。“お涙頂戴”ではなく“共感”を引く物語になりえたのは、痛みの中で大人になる、そんな人間の強さが常に物語のベースになっているから。

     主人公の疎外感をリアルに伝えるうえで、入れ込まず突き放さず、観察者の視点に徹したビジュアルの効果は大きい。それでいて水泳シーンに代表される詩的映像美も兼備。作り手の繊細な感性が光る逸品だ。

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