相馬 学

相馬 学

略歴: アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況: 『アイス・ロード』『マリグナント 狂暴な悪夢』『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』他の劇場パンフレットに寄稿。『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』の劇場パンフレットでは友人の作家、桜井鈴茂と対談しました。

相馬 学 さんの映画短評

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  • シルクロード.com −史上最大の闇サイト−
    複雑化する現代の詰将棋、そのスリルとリアル
    ★★★★

     バーチャルとリアル、デジタルとアナログ、理想と現実、善と悪など、正反対のものが複雑に絡み合う、そんな現代をリアルにとらえた本作。

     サスペンスとして面白いのは、PCに弱い捜査官とオンライン上で生きる悪党の攻防だ。前者は足で動き、後者は知恵で立ち回る。それが詰将棋のように展開され、やがて王手へと至るのだが、その過程が実にスリリング。

     人は善でありたいと思う一方で、退屈なルールに反発し、悪であることを自由と考える。そんな二面性を自覚したとき、何を行動の基準とするべきか?監督が得意とするドキュメンタリー的な手法が生き、ラストではそれを考えさせずにおかない。力作。

  • ブラックボックス:音声分析捜査
    “音”に集中させる演出も巧いタイトなサスペンス
    ★★★★

     まず興味を引くのは、航空事故調査の最前線で働く人々の仕事ぶり。旅客機墜落の真相が、どのようなプロセスを経て追及されるのか? 実際に調査局に取材してリアリティを追求した成果が見て取れる。

     そして主人公の音声分析という仕事にフォーカスしたつくり。ボイスレーコーダーに残されたわずかな音も聞き逃さず、疑問を追求する主人公。その姿にふれると観客の側も“音”に集中せざるをえない。聴覚からもスリルを味わえる……というわけだ。

     人付き合いの悪い主人公は、ざっくり言えばオタク。能力があっても社会性がなければ信用されない、そんなキャラの脆さも活かされ、長尺ながら引き締まったサスペンスが成立する。力作!

  • コーダ あいのうた
    ハンデキャップは“かわいそう”ではない!
    ★★★★

     元ネタの『エール!』はよくできたヒューマンコメディだったが、それをより繊細に描き込み、よりデフォルメしたのが本作。

     家族の絆を強調したドラマはもちろん、キャラのエキセントリックな部分も強調。セクシャルなアメリカンジョークを織り込みつつ、障がいを持つ者を“かわいそう”ではなく、生命力にあふれた人間として描いている点がいい。

     コメディ色は強いが、それでもシリアスに受け止められるのは、生活感のある日常描写ゆえ。漁師の家の子であるヒロインは、自信なげな表情や服装を含めて魚臭さが伝わってくるほどリアル。役者は皆ハマっているが、やはり主演のエミリア・ジョーンズの好演が歌声ともども光る。

  • ハウス・オブ・グッチ
    家名という重荷に耐えるか、それとも利用するか!?
    ★★★★

     名門ファッションブランドのスキャンダラスな実話も、R・スコットの手にかかると狂暴なドラマと化す。

     なにしろ、愛と欲望、野心と猜疑心が交錯する壮絶な物語。華やかな世界を題材にしつつも、それを強調せず、キャラの心理に肉迫する。名門を重荷に感じる男と、それを利用してのし上がる妻らの思いが交錯。グッチという大きな家名を背負った者たちの、それぞれの生き方が面白い。

     主要キャストはそれぞれに大熱演で、草食系グッチのA・ドライバーもイイ味を出しているが、やはり肉食系グッチ、ガガのインパクトが大。そして、このような強い女性にフォーカスしたとき、スコットの映画は狂暴なまでに吸引力を増す。

  • スティルウォーター
    M・デイモンが体現する、その行ないは正しいのか!?
    ★★★★

     アカデミー賞作品『スポットライト 世紀のスクープ』に続くT・マッカーシー監督作品が、このような作品になるとは思ってもいなかったが、見応えのある作品であることに違いはない。

     前作と同様に実話を基にしながらもフィクションに落とし込み、サスペンスという娯楽性を植え付けつつ、文学的に行間を読ませようとする。愛娘を助けようとして異国で暴れまくるアメリカ人の行動は正しいことなのか?

     その答を考えさせることこそ、本作の目指した地平。主演のM・デイモンは『最後の決闘裁判』もそうだったがが、共感と反発を同時に覚えさせる複雑なキャラクターに血肉を与えた。その役者としての円熟ともども、じっくり味わいたい。

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