シネマトゥデイ

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相馬 学

相馬 学

略歴: アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況: ローリング・ストーン誌で、ピーター・バラカンさんに音楽の話を聞く仕事が続いております。最新号のお題はジョージ・ハリスン「バングラデシュのコンサート」。

相馬 学 さんの映画短評

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  • IT/イット “それ”が見えたら、終わり。
    スリルとリアルに満ちたジュヴナイルの傑作
    ★★★★★

     大人時代と子ども時代のエピソードが分かちがたく絡み合っている原作の、後者のみを抽出。映画化困難と言われた小説をベースにするうえで、これはまさに英断。

     ピエロ姿の怪物ペニーワイズが子どもの恐怖心を利用するという設定が活き、肉親の死やイジメ、虐待等に対する少年・少女たちの思いが切実に伝わる。とくに、ヒロインの初潮を象徴した血まみれバスルームの清掃シーンはザ・キュアー「Six Different Ways」の愛らしい響きも手伝い、忘れ難い。

     ホラー色よりジュヴナイル性が強く、シリアスな『グーニーズ』といった感じ。ペニーワイズは現代社会の闇の象徴のようでもあり、そういう意味でむしろ怖い。

  • シンクロナイズドモンスター
    一見、奇想天外、しかし意外にシリアス!?
    ★★★★★

     地球の裏側で大暴れしている怪獣の正体はアタシだった!…という奇想天外な設定。しかし、物語自体が導く先は意外にシリアスで、考えさせるものがある。

     自分が都市を破壊して人を殺してしまったと反省するヒロインはチャーミングだが、反比例するかのように、彼女の幼なじみのバーテンダーが巨大ロボットに自身を託して暴走。一見いい人でも内部にはストレスが蓄積している。ロボットはその象徴だ。

     バーテンダーは“やっと俺にも主役がまわってきた”という。それは捨てたり、諦めてきた夢が、歪んだかたちで噴出したもの。重くないコメディ・タッチは最後まで貫かれるが、都市破壊という行為には悪意の生々しさが見えてくる。

  • ゲット・アウト
    人種差別のストレスが意外な恐怖に発展する快作
    ★★★★

     ひと言でいえば、アメリカ社会の人種差別の根深さを見据えたスリラー。しかし社会派の要素は根底にあるに過ぎない。その面白さは、意外性に尽きる。

     白人の恋人の実家に赴いた黒人青年が体験す恐怖は、レイシズムすれすれの周囲の言動によってストレスとなって積み重なる。とはいえ単なるサイコスリラーでもなく、催眠術の逸話が語られるや話は意外な方向へ。鮮血の後半にいたり、何やらトンでもないモノを見てしまった…という感覚に襲われる。

     こんな犯罪が現実的に可能かどうかはわからないが、そういう点を含めて足元の不確かさにゾクゾクさせられる快作。意外性を満喫したいなら、前情報をシャットアウトして臨むべし。

  • ブレードランナー 2049
    レプリカントに孤独な“人間”をみる
    ★★★★★

     レプリカントが現代の人間のように思える場面は前作にもあったが、この続編はそれがより強い。理由は、主人公Kの内面が表現されているからだろう。

     バーチャルにロマンスのような慰安を求めたり、落胆したり、意志によって行動したり。そこにいるのは、もはや感情のないマシンではない。劇中では“奇跡”と表現される進化の賜物か。ともかく、差別され、疎まれるこのキャラに、人間的な孤独が見えてくる点がいい。

     もちろんこれは一面的な見方で、創造主の哲学をはじめとする思想性や、圧倒的な映像美など見どころは多い。が、不覚にもラストに涙した身としては、この豊潤な傑作の“人間ドラマ”の部分をアピールしておきたい。

  • アトミック・ブロンド
    ある意味、フュリオサ様以上の存在感
    ★★★★

     シャーリーズの“男”性をアクション・ドラマに活かす、という点で『マッド・マックス/怒りのデス・ロード』的。今回はピンの主役なので、ヒロインのキャラはより際立った。

     痣だらけの裸身を氷風呂に浸す冒頭からして、エロチックと言うよりはスゴみを感じさせる。笑顔のないクールな表情はハードボイルドだし、ムダのないしなやかさは肉食獣的。

     アクションのスゴみは言うまでもなく、長回しによるビル内の格闘は最大の見せ場。オッと思ったのは、格闘が進むほどダメージを受けたヒロインの動きが鈍り、最後はヨレヨレになる点。リアリティを踏まえたこのヒロイン・アクション、なかなか硬派なのだ。

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