シネマトゥデイ

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相馬 学

相馬 学

略歴: アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況: ローリング・ストーン誌で、ピーター・バラカンさんに音楽の話を聞く仕事が続いております。最新号のお題はジョージ・ハリスン「バングラデシュのコンサート」。

相馬 学 さんの映画短評

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  • ハクソー・リッジ
    メル・ギブソンならではの豪快・一点突破の美学
    ★★★★

     一点を見つめ、そこに突き進む、いかにもメル・ギブソンの監督作品らしい力作だ。見つめているのは、実在の兵士の人を殺さずに生かすというポリシー。

     幼少期のほろ苦い体験、キリスト教信仰、看護の現場の目撃など、主人公のバックボーンが丁寧に積み重ねられているので確かな説得力が宿る。ひたすら逆境に置かれる新兵訓練キャンプの逸話もエモーショナルで、気持ちを持っていかれる。

     何よりギブソンらしさが炸裂するのは戦闘シーン。腕や脚がちぎれ、血しぶきが舞う戦場のバイオレンスは『ブレイブハート』『アポカリプト』に引けを取らない。言うまでもなく、主人公の試練の重さを伝えるうえでも効果的だ。

  • パトリオット・デイ
    市井の人間の胸にしっかり響く対テロ群像劇
    ★★★★

     ボストンマラソンを襲ったテロ事件の顛末を追いながら、市民がテロの衝撃とどう向かい合ったのかに迫る。そこから軸がブレない点が、まずいい。

     捜査陣と犯人の攻防はスリリングで、このところマーク・ウォールバーグと組んで実録ドラマを連打してきたピーター・バーグ監督のリアリティ重視の演出がサエる。とりわけ、キャラクターひとりひとりのキメ細かな描写が素晴らしく、息遣いが聞こえてくるようだ。

     ヒーローをひとりに特定せず群像劇のスタイルをとったことが、テロ対市民の構図をくっきり浮かび上がらせる。“テロと戦うための唯一の武器は愛”という、ともすれば上滑りしそうなテーマも、ここでは説得力をもって響く。

  • キング・アーサー
    アーサー王伝説・立身出世篇
    ★★★★★

     シャーロック・ホームズ、ナポレオン・ソロと古典的な題材をアップデートしてきたガイ・リッチーがアーサー王伝説を描くのだから、過去のアーサー王映画と異なるのは必然。

     アーサーが王宮ではなく売春宿で育った……そんな観客目線に近い設定にしたことで、感情移入しやすくなったのはもちろん、キャラに荒々しさも加わり、チョイ悪ヒーロー的な魅力が映える。チャーリー・ハナムのゴツゴツした個性がハマった。

     複数のエピソードがアップテンポで交錯する編集の妙も健在で、リッチー作品らしいスピード感が脈づく。魔法に重きが置かれているためソード・アクションはイマイチだが、そこは割り切ってゲーム感覚で楽しみたい。

  • LOGAN/ローガン
    全米R指定も納得の、大人のエンタテインメント
    ★★★★

     アメコミ映画でヒーローの晩年が描かれるのは珍しい。そこには幅広い年齢層に向けたハッピーなエンタメ感はないが、大人向けのドラマとしての歯応えは確かにある。

     アダマンチウムの爪は往年の伸びを失い、痣や傷だらけのウルヴァリンのやるせなさ。そんな彼がプロフェッサーXの世話をする老老介護の切実さ。オープニングだけで、そんな生々しい現実が伝わる。

     物語はウルヴァリンの最後の戦いへと展開するが、それは劇中でフィーチャーされる『シェーン』はもちろん『許されざる者』のようなイーストウッド作品の西部劇の香りを漂わせる。死闘の壮絶さに加え、去るもの、滅ぶものへの哀感。まさしく大人のためのエンタメである。

  • 20センチュリー・ウーマン
    ナイーブ少年のリアリティにハマる
    ★★★★

     半自伝的な作品を撮り続けるマイク・ミルズの映画の中で、本作がもっとも自分の中にしみこんできた理由は、おそらくは十代のリアリティがしっかりとからめとられていたから。

     不器用な恋と性、理由不明のいらだち、興味のある事柄への熱意など、十代の習性を見つめる、冷静だがユーモラスで温かい視点がいい。ハードコア・パンクにオカマ呼ばわりされるNYパンクのナイーブさも痛いほどよくわかる。

     そんな少年の人生に影響をあたえる女性たちのキャラも魅力を放つ。アネット・ベニングふんする母親も、エル・ファニングの女友達もイイが、パンクロックを教えてくれる間借女性の存在が個人的にはツボ。こんな姉貴が欲しかった!?

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