シネマトゥデイ

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相馬 学

相馬 学

略歴: アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況: 『ファナティック ハリウッドの狂愛者』他の劇場パンフレットでお仕事中。「映画の巨人たち リドリー・スコット」(辰巳出版刊)に寄稿。

相馬 学 さんの映画短評

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  • KCIA 南山の部長たち
    ビョンホンのストイシズムが光る、スリリングな力作
    ★★★★

     大統領暗殺事件の実話を基に、憶測を交えながらサスペンスを構築。なおかつ、政治とは?革命とは?を考えさせる力作。

     魑魅魍魎の政界事情をシンプルに整理した、政治に詳しくない人にもわかりやすいドラマ構成。中盤からの諜報戦はスリリングで、食い入るように見入った。

     最大の功労者はイ・ビョンホンだろう。国のため、国民のために最高権力に歯向かう主人公を、ストイックな個性とともに好演。同時に映画のテーマである国家の理想を体現しているのだから、主演の重責を果たしたことにケチの付けようがない。政敵へのジェラシーがやおいっぽく見えるのも、ある層には喜ばれる!?

  • キル・チーム
    親と子のつながりを通して問う、戦争の無益
    ★★★★

     この戦争ドラマで何より注目すべきは、父と子の関係。内勤の軍人だった父のために、あるいは父を超えるためにアフガンに赴任した主人公の若き兵士は、その象徴だ。

     一方には、息子を祖国に置いてきた上官がいる。非道も軍人の仕事と割り切り、進んで手を汚していく殺人マシン。主人公の仲間たちもこれに倣い”キル・チーム”ができあがる。それに反感を抱く主人公の苦悩が物語を動かす。

     軍人の仕事は人を殺すこと……という思想はある意味では正しいが、別の意味では誤り。本作では米軍に殺される人間もまた、誰かの父であり誰かの息子であることを強く意識させる。親子という最小限の人間関係を通して戦争の無益さを見つめた秀作。

  • 恋する遊園地
    多様性のストライクゾーンぎりぎりを突く現代の寓話
    ★★★★★

     遊園地のアトラクションに恋心を抱く、鉄や機械油に性的なものを感じる……という設定はJ.G.バラードの『クラッシュ』を連想させるが、こちらは変態チックではなくメルヘンに近い。

     闇夜を照らす遊具のカラフルなライトは美しく幻想的。最初は地味に見えたヒロインのファッションの変化も効果的。『燃ゆる女の肖像』も記憶に新しいN・メルランの官能的な熱演が映える。

     多様性の受容というテーマを含んでいる点では、おとぎ話というよりはむしろ寓話。多様性の際どい部分を狙っているので物語の好き・嫌いが分かれるだろうが、テーマにはブレがない。そういう意味で一見の価値がある。

  • ズーム/見えない参加者
    ステイホーム・ホラーの定番化を予感
    ★★★★

     コロナ禍を反映した昨秋の邦画『真・鮫島事件』の製作の瞬発力には驚いたが、イギリスでも同様の作品が作られていた。これは嬉しい驚き。

     PC画面上のみで展開するビジュアルは今や珍しくはないが、ロックダウンによる若者の閉塞感が加わると鮮度を増す。男子ひとりが出たり入ったりするものの基本的にはオンライン女子会で、オカルトはもちろん真面目vs不真面目のガルーズトークの危うさもスリリング。

     困難な状況下にあっても、スリラーを愛する若き映画人たちが工夫を凝らして長編を撮ろうとする、そんな事実が素直に嬉しい。ステイホーム・スリラーは今後、世界のトレンドになるか?

  • アンチ・ライフ
    『エイリアン』シリーズへの愛情を買う
    ★★★★★

     宇宙船内に紛れ込んだ強暴な未知生命体からのサバイバル……という展開はSFホラーの定石。そこにウイルスによる地球の終焉という基本設定を加味した本作。

     新たな安住の星に向かう人類に異星生物が襲いかかり、人間は後戻りできず、生き延びるために戦うのみ。限定空間のサバイバルという基本を、まずはきっちり押さえている。

     人間の愚かさへの風刺や船内の冬眠設定などのディテールが浅く、丁寧に組み立てていれば……という歯がゆさはあるが、『エイリアン』シリーズへの愛情が詰まっていて、それだけでお腹いっぱい。近年Bの線でイイ味を出しているB・ウィリスの『アルマゲドン』的アンチヒーローぶりも好意的に受け止めた。

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