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タランティーノ作品の常連俳優に新作のSMシーンについて聞く

タランティーノ作品の常連俳優に新作のSMシーンについて聞く
「ラブシーンを演じることは複雑」

 アメリカ映画で常にタフガイを演じ続け、クエンティン・タランティーノ監督作の常連俳優でもあるマイケル・マドセンが、意外にもフランスの俊英オリヴィエ・アサヤスの新作映画『ボーディング・ゲイト』(原題)に出演し、新境地を開拓しようとしている。同作は、セクシーな元売春婦(アーシア・アルジェント)が、借金のカタに元カレ(マイケル・マドセン)とのSMシーンを繰り広げていたが、いつしか暴力へと転じてしまい、思わぬ事態に陥ってしまうというもの。この男気を醸し出す怪優に役にかける意気込みを聞いてみた。

−オリヴィエ・アサヤスのどのような点に、アメリカの監督との違いを感じましたか?

(マイケル・マドセン)まず、アメリカの俳優がパリで仕事すること自体がいいことなんだ。特にオリヴィエは、すべての物の考え方や芸術の均整の取れた人で、もの静かで協力的で、いつも何をしたらいいか内面でしっかりわかっている。形式張ったアメリカの監督とは違う。彼はほとんどおれに即興で、まるでタランティーノと同じようにいろいろとやらせてくれた。ベルトを使ったラブシーンは、ふざけ半分にやった即興だった。映画『レザボアドッグス』で警官の耳をそぎ落とした後に、おれが耳を持っているシーンがあるだろう? あのときは、どうしていいかわからなかったんだ、カメラは回っているし、タランティーノは、おれに耳を投げ捨てろって言っていたが、とっさに口元に耳を近付けて「聞こえるか?」と言って、恐怖心をあおるアイデアが思い浮かんだんだ。タランティーノはいったん、「なんでそんなことするんだ」言ってきたが、後でデイリー(その日撮ったフィルムを試写すること)を観て気に入ってくれたんだ。オリヴィエは、いつもこんな感じなんだ。

-SMシーンのあったアーシア・アルジェントとの共演はいかがでしたか?

(マイケル・マドセン)こういうシーンを映画で演じるときは、あまりエロチックじゃないんだ。クルーに囲まれているしね。ポルノじゃないからラブシーンを演じることは複雑なんだ。特に、それぞれ共演する女優によって違ってくるわけだから、お互いに信頼を置くことができなければならない。アーシアは演技面に関してまじめだが、普段の物事に関してまったくシリアスな素振りを見せないクールな女なんだよ。この点はおれとウマが合っているし、共通点が結構あるんだ。これが映画に必要だったと思う。

−あなたはずっと俳優になろうと思っていたのですか?

(マイケル・マドセン)おれはいつもリチャード・ペディのようなNascar(ナスカー)のドライバーになりたかったんだ。レースカーを作りたいと思っていて、自動車整備士だったり、ガソリンスタンドで働いていたこともあった。車は当時のおれにとってすべてだった。このほかにも、建築業や塗装業、病院で働いていたこともあるが、いつも悪い連中とばっかり付き合って刑務所にも何度か入った。けれど遅かれ早かれ、大人になった自分に気付かされて、海軍に入隊しようと思ったんだが許可されなかった。その理由が、小さいころから持っていたぜんそくとよく再発する偏頭痛があまりにひどく左目が良く見えなかったこと、フットボールでケガした膝にあったんだ。もう首をつる以外に何も自分に残っちゃいなかったよ(笑)。実際、何度か考えたこともあった。だがいつもおれの頭の中にばかげたアイデアがあったんだ。それは、ジョン・ヒューストンが監督したロバート・ミッチャム主演の映画『白い砂』で彼が女優デボラ・カーと島に取り残されてしまうんだ。なぜだかわからないがあの映画にいつも自分を当てはめていた。このときに、こんな俳優の仕事ができたらどれほどいいだろう……って妄想をめぐらせていたんだ。

しゃがれた声は、小さいころからずっとそうだったと語ってくれたマイケル。俳優の魅力は、しぐさと表情で表現されると言う人がいるが、彼もその一人ではないだろうか? 物腰だけで、何かを感じさせてくれる素晴らしい人だった。


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