永久保存版!インディーズ界の巨匠、ジム・ジャームッシュ監督が自作をたっぷりと語る!

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ジム・ジャームッシュ監督、熱く語って大満足! - Photo:Nobuhiro Hosoki

 日本にも熱狂的ファンを持つ、ニューヨーク・インディーズ界の巨匠ジム・ジャームッシュ監督が、過去作品と新作映画についてAmerican Museum of the Moving Imageが開いたイベントで大いに語った。

映画『コーヒー&シガレッツ』写真ギャラリー

・映画製作前

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 「ニューヨークのダウンタウンに、今はGAPになっているがST.Marks Cinemaというシアターがあったんだ。そこは汚らしくてちっぽけな映画館で、オレは時給2ドル50セントでバイトしてたんだ。ある日マネージャーから、劇場内で喫煙しているヘルズ・エンジェルズ(日本でいう暴走族)たちに注意してこいと言われたんだ。まあ、『時給2ドル50セントしかもらってないのに、そんなことできるか!』って言い返したけどね。それと、上映後にスクリーンの端でセックスしている連中も見たっけ(笑)」。

・映画『パーマネント・バケーション

 「学校の授業料を払うより映画を作ろうと思ったんだ。だからオレは授業料を払わず、奨学金で映画を作った。もちろん金は学校に返したが、修士を得ることはできなかった。オレが在学していたときは学校にスパイク・リーやトム・ディチロらがいて、彼らのほかにも優れた才能を持った友人たちが映画作りを手伝ってくれてね。そしてこの映画が完成したってわけさ」。

・映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス

 「友人同士で気ままに作ったから、日の目を見るとは思ってなかったね。もともと短編がアイデアだったし。ストーリーは主演のジョン・ルーリーとアイデアを練ったもので、最終的にはオレが脚本としてまとめた。当時はミュージック・ビデオなどが流行していて、映画界も早いカット割りの影響を受け始めていたんだ。まるでCMみたいな映画が増えていったよ。オレはそういう風潮が気に入らなくって、長回しをするようになったんだ」

・映画『ダウン・バイ・ロー

 「バスター・キートンにかなり影響を受けたね。ロベルト・ベニーニとはロッテルダム映画祭で友だちになった。その後、ロベルトに出演依頼することになったんだ。ただし、彼は英語が不得意で、知っている単語だけを使って演技させるのは非常に大変だったね(笑)。オスカーでの派手なパフォーマンスから、ひょうきんな人物だと思っている人たちが多いようだが、実際の彼は詩を詠んだり、教養のある男だよ」。

・映画『ミステリー・トレイン

 「批評家からは、オレは型にはまらない映画を作ると解釈されているようだが、実は型にはまった形式が好きで、この3部構成の『ミステリー・トレイン』を作ったんだ。この映画は、カンタベリー物語のような旅をしながら探索するという意図で製作したもので、すべてが同じ時間に起きているが、交錯させずにそれぞれの話が語られる。ただ話しているだけだが、何気なくつながっているんだ。ちなみに、この映画でキャラクターが通っている道の名前は、意図的に詩人の名前のある道で撮影したんだよ」。

・映画『ナイト・オン・ザ・プラネット

 「この作品の前に撮りたい作品があったけど、予算が足りなくて製作できなかった。イライラしながら9日間で脚本を書いたのがこの映画さ。仕事をしたいと思っていた俳優たちを想定しながら、彼らをキャスティングするつもりで書いたんだ。内容は、ほとんどの設定がタクシーだから撮りやすいと思ったけれど、実際は大変だった。ほとんど休みなしの撮影で、5都市を飛行機で飛び回り、メインスタッフ以外は各都市で人材を調達したんだよ。非常に疲れたけれど、オレが仕事をしたいと思っていた俳優たちと仕事ができただけでも、大きな収穫だったと思うんだ」。

・映画『デッドマン

 「この作品まで、オレが作ってきた映画はジャンルわけし難いものばかりだったが、この作品のジャンルはウエスタンさ。それと、何層にも渡るストーリー構成とフレームワークで、アメリカでの立ち位置を示したかったんだ。ただモノクロだったから、なかなか資金が集まらなかったのも事実で、とあるプロデューサーなんか、カラーで撮影するなら資金をプラスしてやるなんて言ってたな。完成後も配給会社とひと悶着あって、大変だったね。まあ、内容からしてとっつきにくい映画だし、むしろ良くしてくれたとは思っているよ」。

・映画『ゴースト・ドッグ

 「もともと、フォレスト・ウィッテカーが持つ同情的で人間味のあるキャラクターが好きで、彼をキャスティングしたんだ。この映画は、戦闘前の武士道精神を説いた『葉隠』をベースにして作られていて、フォレストだけは、脚本の執筆時点で想定して書いたが、それ以外の俳優たちは、マーティン・スコセッシ監督のキャスティング・ディレクターをしているエレン・ルイスが頑張って探してくれてね。彼女のおかげで、この映画がうまく製作できたんだ」。

・映画『コーヒー&シガレッツ』『ブロークン・フラワーズ』『ザ・リミッツ・オブ・コントロール』(原題)

 「すべてビル・マーレイが出演しているね。『コーヒー&シガレッツ』の彼のシーンも、彼を想定してキャラクターを控えめに書いた。実は彼が即興でいろいろやってくれると思っていたからなんだ。彼はかなり脚本を気に入ってくれて、変えることもなかったし、ほとんどリハーサルをすることもなかった。彼のすごいところは、演技の幅が広いんだよ。それに彼ほどリアクション上手な俳優はいないと思うね。それでも毎回彼は演技のアプローチを変えてきて、新作『ザ・リミッツ・オブ・コントロール』(原題)ではリハーサルをしたいと言ってきた。脚本自体は、セリフが少ない上に特定のキャラクター設定のために書かれていたから、内容を変える余地はなかったけれど、彼はいつも通り素晴らしい演技をしてくれているよ」。

 ジム監督は、自分の作品すべての著作権とフィルムを持っている。それだけ、こだわりながら撮り続けている映画監督なのだ。今回は貴重なインディーズ界の名監督の話が聞け、素晴らしい体験をさせてもらった。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

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