『ハリー・ポッターと謎のプリンス』よく見ると微妙に変化してる風景を美術さんが暴露!

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『ハリー・ポッターと謎のプリンス』撮影中の風景 - (C) 2009 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R.

 J・K・ローリング原作による世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの劇場版第6弾映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』でセットや美術を担当したスチュアート・クレイグに撮影の裏側を聞いた。彼はシリーズを通して美術を担当している。『ハリー・ポッター』の世界観を作りだしているといってもいい重要な仕事だ。

映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』写真ギャラリー

-今回も新しくデザインされたセットがたくさんあると思いますが、その中でどれがあなたにとっての自信作なのでしょうか?

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今回、難しかったセットは実は2つある。まず1つ目はホークラックスを見つけた秘密の洞窟(どうくつ)だった。毎回必ず難しいセットがあったけど、本作では明らかにそれが最大の難関だったね。これは今回初めて登場したもので、この世のものとは思えないマジカルな感じにしなければならなかったから、どうやったらいいか時間をかけてアイデアを練った。鍾乳洞や石灰岩の洞窟(どうくつ)をいろいろ見て、じっくり考えてみたほか、結晶形成についても調べ、クオーツクリスタルなどさまざまな種類のクリスタルを試してみた。

そうしているうちに、ドイツのフランクフルト郊外にある、300年もの歴史を誇るヨーロッパ最大の岩塩坑の中に塩のクリスタルがあることを知り、そのような塩のクリスタルを大々的に使用するのは素晴らしいのではということになったんだ。そのクリスタルは角張っていてとにかく大きいということだったから、ドイツのその岩塩に行き、その様子を写真に撮って、インスピレーションとしたんだ。そういう画像を基にして、マジカルな世界を人工的に作ることができると思ったわけだ。

セットは、塩に見せかけたクリスタルを人工的に作り、それを用いて実際にセットを作った。とにかくとても大掛かりなセットで、洞窟は全長2000フィート(約600メートル)にもなる。これをCGに加えていくわけだ。このほかに注目すべきセットは、ダンブルドア校長とハリーのクライマックス場面のものだ。天文台塔の側という設定だったが、これもホグワーツにこれまで出てこなかった場所だった。

-J・K・ローリングにラフスケッチを見せて、そこでダメ出しされたりということはありましたか?

ホグワーツにはこんなのがあってもいいかなどといった疑問があれば、いつでもその段階で彼女に相談する。デヴィッド・ハイマンが窓口となって、彼女に確認をするわけだ。原作はとても細かく描写してあるので、彼女の意向はそれでほとんどの場合わかるし、それ自体が方向付けにとても役に立っているけど、時には相談しなければならなかったこともあったね。

-新しい原作が出てそれを初めて読むときは、仕事のことを考えながら読まれるのですか? それとも一読者となって楽しまれるのですか?

わたしのような仕事をしていると常に恐怖感がつきまとうものでね(笑)。読みながら、「ここはどうしよう」とか、「ここはいったいどういう方法で対処すべきか」なんていつも不安な気持ちで読み進んで行くんだ。

-それでは7作目を読んでいて、一番「どうすればいいのだろう」と思ったところはどこですか?

一番難しい部分は最初の方に出てくるハリーが7人飛んでいる場面だろうね。とても重要でかなり長いシーンであるにもかかわらず、建築的な背景がまったくなく、ぼんやりした雰囲気があるだけなので、美術的には難関だね。実際にはブルースクリーンをバックにハリーがハグリッドのバイクのサイドカーに乗って撮影するわけだけど、実際にそのブルースクリーン上には何を映したらいいんだろう。そこが難しいところだね。何とかして地上に近いところを飛ばして、煙突や木のてっぺんなどを見せることによって、エネルギーや躍動感を出し、真実味を出さなければならない。

-例えば1作目、2作目を見直して、実は同じ場所なのに本作ではここが変わっているなどというような隠しネタみたいなものがあれば教えてほしいのですが。

数え切れないほどあるよ(笑)。常に手を加えていっているからね。

-何かいい例はありますか?

ハグリッドの家は1作目では1部屋しかなく、そこで生活のすべてを過ごしていたのだが、2作目では突然家の横に寝室ができたんだ。これは明らかな違いだね。外観を見ると、どれだけ変わっていったかがわかるよ。ほうきで空を飛ぶレッスンを行ったところ一帯はすべて消えてしまった。ホグワーツの高架橋の先に尖塔があったんだが、それらは今ではそれまでの面影がまったくないほど変わってしまったよ。それぞれのストーリーで求められるものが違うかた、変わっていかなければならなかったんだ。映画製作中は次の原作はまだ出版されていないということが多かったから、それを避けることはできなかったわけだが、それによって常に新鮮でいることができ、改善し続けることができたんだ。

大広間はほとんどそのままだけれどね。それとダンブルドア校長室もそうだ。この2つはずっと変わらず、外側から見てもこれらの部屋がどこにあるかを想像することができるし、インテリアも変わっていないから、見た人がどこだかすぐにわかるというわけだ。それ以外は変えても大丈夫だと思うし、悪影響はないはずさ。(取材・文:シネマトゥデイ)

映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』は全国公開中

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