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南京虐殺映画4本一挙上映に警察が会場を厳重警備!新右翼団体鈴木氏が盾になる?

南京虐殺映画4本一挙上映に警察が会場を厳重警備!新右翼団体鈴木氏が盾になる?
(左から)鈴木邦男氏、武田倫和監督-「南京・史実を守る映画祭」にて - Photo:Harumi Nakayama

 日本ではなかなか上映されない南京大虐殺事件をテーマにした「南京・史実を守る映画祭」が13日、東京・世田谷区民会館ホールで行われた。日本初公開となる、ジョナサン・リス=マイヤーズが英国人ジャーナリストにふんし、命懸けで中国の戦争孤児を救った実話の映画化『チルドレン・オブ・ファンシー 遙かなる希望の道』(08年、豪・中・独合作)など4作品が上映された。

 また記念シンポジウムも行われ、同映画祭実行委員会の荒川美智代さん、ドキュメンタリー映画『南京・引き裂かれた記憶』の武田倫和監督、新右翼団体「一水会」顧問の鈴木邦男氏が登壇し、約200人の観客が詰め掛けた。

 今回の映画祭は荒川さんたちが「待てど暮らせど公開されないのなら、自分たちで上映するしかない」と企画したもの。いまだ史実をめぐって論争の絶えない題材だけに、この日は万が一に備えて所轄警察署などが会場を警備。しかし抗議や妨害などのトラブルはなく、むしろ「参加したいという方から『当日は覚悟して行きます』という電話をいただいた」(荒川さん)という。

 そのエピソードを聞いた鈴木氏は「最初にこの企画を聞いたときに『命は惜しくないのか?』と思ったけど、4本もまとめて上映してしまうと大丈夫なのかもと思っちゃいますね。そもそも右翼の人たちは第一次情報がないんです。どういう形で抗議活動に出るかというと、週刊新潮と産経新聞の記事。特に週刊新潮で『反日だ』と記事が出ると(右翼は)天の声だと思い、おれたちが動かざるを得ないと思ってしまう。でも今日は護衛隊もいるし、客席の前3列は関係者席にしてある。これで(ステージの)左右の階段も取っちゃえば、なかなか(抗議者は)壇上に上がってこれないですよ。僕もかつてやったことがあるからわかるんです」とユーモアを交えて語った。武田監督も「映画公開のとき、抗議よりも先に警察官が来て下さった(苦笑)。そして『(スクリーン前に飛び出せないよう)席の一列目に客を座らせるな。それと壇上に本を並べておくように』とも指導をいただきました」と公開秘話を明かした。

 まず南京大虐殺事件を語る際、大きな問題として日中間や右派左派で歴史認識の違いがある。武田監督は中国の被害者と元日本軍兵士という両方を取材した体験の中で、「今回、元日本軍兵士はご高齢なので最期に(真実を)語っておきたいと言う人もいたが、一方で、話に熱が入るとまるで青春の1ページとしてすごく楽しそうに語られる。(インタビュアーの)松岡環さんが中国人に対する現在の心境はどうかと水を向けられると『あのとき、自分の心はすさんでいた』とは言うけど、そこには中国人のことをシナ人と表現したり、どこかで蔑視(べっし)が残っているのではないか」と指摘した。

 その話を受けて鈴木氏は「(武田監督の)映画を観て思ったのは、(元日本軍兵士の)証言者が加害者ではなく、自分も被害者であると思っているんですよね。自分たちはあの戦争で兵にとられ、悪魔的な時代の中で命令されてやったのだと。被害者として安心してしゃべっているから見ていてちょっとムカッとした。息子に母親を強姦(ごうかん)させたり、銃弾がもったいないからと一つの建物に人を集めて蒸し焼きにしたとかひどすぎる。さらには、若い兵隊が集まっているんだから(強姦は)当然だろうみたいなことも言っている。それは今の保守派の人たちの理論と同じですよね。その一方で左翼の人たちが、犠牲者は30万~40万人いたと、一般の人の理解を得るために話を誇大にしますよね。僕はそんなに多くはないと思うけど、例え1万人でも虐殺は虐殺です。でも武田監督の感想を聞いて安心しました。右派も左派もこうしてもっと本音で話し合うべきなんです」と訴えた。 だが、タブー視されている問題ゆえ、実際に何が起こったのか? こうして公の場で語られる機会もないのが実情だ。すると鈴木氏は「確かに『南京・引き裂かれた記憶』のように、戦争の暗黒面や恥部を見せられるのはキツイですよね。学校の授業でも、(このあたりの)近代史は教えないでしょう。でもそれ以前の歴史はテレビで見ればいい。その分、日清・日露・大東亜戦争をきちんと学んだ方がいいと思う。そしてなぜ、こういうくだらない戦争をやったのか? 二度と起きてはいけない事だと思うので、何度も検証すべきではないかと思うんです」と歴史教育における持論を展開した。

 シンポジウムは、昨年の映画『靖国 YASUKUNI』をめぐる上映中止問題などにも触れ、騒動沈静化に尽力した鈴木氏が「映画を観てから抗議すべき」と改めて呼び掛けるなど、約1時間にわたって熱い討論が続いた。最後に司会者が「実はシンポジウムを開催するにあたりいろんな方に声を掛けたが断られました。なのに、鈴木さんの立場でよく参加して下さいました」と感謝の言葉を述べると、鈴木氏は「僕だって(参加するのは)怖いですよ。右翼にとって僕は裏切り者になりますからね。ヤケになって出てきてます」と苦笑い。しかし続けて「勇気ある企画を立ち上げてくれた人、そして覚悟をもって参加してくれた観客に皆さんに感謝します。こうやって安全に開催できるノウハウを蓄積し、もし何かあったら僕を呼んでいただき、盾にして下さい。そして、もっともっと健全で自由な議論ができる、自由な日本にしていきたいと思います」と語ると会場から大きな拍手が沸き起こっていた。(取材・文:中山治美) 

『南京・引き裂かれた記憶』は東京・渋谷アップリンクで公開中


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