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惜しくも銀熊賞逃したフランスの名優ジェラール・ドパルデュー「映画はアートだ!」

第60回ベルリン国際映画祭

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コンペティション部門の『マンモス』(原題)の主演ジェラール・ドパルデュー
コンペティション部門の『マンモス』(原題)の主演ジェラール・ドパルデュー - Photo:Yukari Yamaguchi

2月19日、第60回ベルリン国際映画祭コンペティション部門の『マンモス』(原題)の主演ジェラール・ドパルデューと相手役のヨランド・モローらが会見を行った。

 ロシアの男優コンビと寺島しのぶに、銀熊賞の男優賞、女優賞は持っていかれたが、ドパルデュー、モローとも、さまざまな賞を受賞してきているフランスの名優だ。本作では、精肉加工場での仕事を退職した後、マンモスと名付けたマムートのバイクで旅行にでかける男をドパルデュー、その妻をモローが好演している。

 軽いコメディから歴史物、ラブストーリーまでを演じてきたドパルデューは、本作出演を決めた理由を「この映画にはアートがあったからだ」と言う。「映画は、だんだんアートの要素がなくなり、画一的になってきている」と最近の映画の傾向を嘆く。
 
 「今までやった中で、この役が一番自分に近いよ。何もしなくてもよかった」とドパルデューが言う主人公は、妻から買い物を頼まれれば、間違った物を買ってきてしまい、日曜大工でドア修理に励むも、閉じ込められてしまうような男だ。本作では、ドパルデューの巨体がユーモラスで、時に愛らしく見える。

 オートバイ旅行中、男に寄り添うように現れる、若き日にオートバイ事故で亡くしたガールフレンド役でイザベル・アジャーニが美しい幻想的な姿を見せている。ドパルデューの言うアートの香りと、笑い、人生のほろ苦さも味わえる作品だ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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