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スペインの独裁者の政権下で抑圧され、公開できなかった映画を公開!アントニオ・バンデラスを直撃!

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アントニオ・バンデラス
アントニオ・バンデラス - Photo:Nobuhiro Hosoki

 映画『デスペラード』、『マスク・オブ・ゾロ』などで知られるスペイン出身の人気俳優アントニオ・バンデラスが、スペインの独裁者フランシスコ・フランコの政権下で規制され、海外に公開できなかったスペイン映画10作品を、ニューヨークのインスティチュート・セルバンテスで公開している。

 このイベントは、5月10日から19日までニューヨークで開催され、1951年から1963年に制作されたスペインのリアリズム作品を、アントニオ自ら選択し、公開するもの。当時フランシスコの政権下で、社会的、また政治的な主張が強く、反政府的と見なされた作品や、投獄されてしまったフィルムメイカーの作品も対象になっていて、カルロス・サウラ監督、ルイス・ブニュエル監督などの作品も含まれている。

 「フランスやイタリアの戦後作品はアメリカでは広く知られているのに……」と嘆くアントニオは、インスティチュート・セルバンテスからアドバイザーに選ばれたとき、真っ先にスペインの戦後のリアリズム作品を観てもらいたいと思ったのだそうだ。

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 アントニオは、ブラックコメディーなどを駆使して、うまく検閲を逃れた映画もあったと話したが、「この当時は、映画だけでなくスペインのアートが、エックス線で見るように監視されていて、フランコ政権が左右する文化的な負担は大きかった」とその厳しい検閲を例え、「これが、僕の母国スペインの歴史で、僕の両親の暮らしなども反映しているんだ」と悲しい過去に言及した。

 そんなアントニオは、近年のスペイン映画では「フリオ・メデムの作品で『ルーム・イン・ルーム / Room in Rome』(英題)が良かった」と明かしてくれた。「二人の女性の関係を新たな視点で描いたセクシーな映画だった」そうだ。ペドロ・アルモドバル監督の映画『セクシリア』でデビューしたという彼は、「それと、アルモドバル監督の映画『抱擁のかけら』もかなり気に入っているんだ」と話し、21年ぶりに再タッグを組むことが決まっていると教えてくれた。「自分のルーツに戻る良い機会になりそうだよ」というアントニオだが、デビュー当時はアルモドバル監督に結構しかられたこともあったそうだ。

 映画『ダリ / Dali』(原題)で、スペインの画家サルバドール・ダリを演じることも決まっているアントニオ。今後もアメリカ作品と両立させながら、母国スペインのルーツを忘れないよう活動していくと話してくれた。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)

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