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『スラムドッグ$ミリオネア』のチームが結集!自らの腕を切り離して生還した男の実話

『スラムドッグ$ミリオネア』のチームが結集!自らの腕を切り離して生還した男の実話
(左から)脚本家サイモン・ボーフォイ、プロデューサーのクリスチャン・コルソン、主演ジェームズ・フランコ、ダニー・ボイル監督

 インドの大都市ムンバイを舞台にした映画『スラムドッグ$ミリオネア』で、アカデミー賞作品賞を獲得したダニー・ボイル監督が、再び同じ脚本家と制作者で最強タッグを組んだ新作『127 アワーズ / 127 Hours』(原題)について、主演ジェームズ・フランコ、脚本家サイモン・ボーフォイ、プロデューサーのクリスチャン・コルソン、そしてこの映画の題材となった実在の人物アーロン・ラルストンらと共に語った。

 同作は、2003年にアメリカ人登山家アーロン・ラルストンが、ユタ州のブルー・ジョン・キャニオンを登っている際に落石に腕を挟まれ、自分の尿などを飲みながら5日間以上過ごした後に、自らの腕を切り離して生還したという実話を基にしたサバイバル・ストーリーだ。

 製作経緯について「この話を聞いたのはロンドンに居たときで、この間起きたチリの落盤事故のように、人々の心をつかんだ話だったのを覚えている。それから2006年にアーロン・ラルストンが執筆した本を読んだんだ。そして、製作会社パテ・フィルムズのフランソワ・アイヴァネルを介して、アーロンに初めてオランダで会った。そのときは、情熱的な会話をしたが、映画製作できるような共通点が見つからなかったんだ。それが2度目に会ったときには、アーロンが僕のアイデアをオープンに受け入れてくれたんだよ。そのアイデアというのが、この映画を完全に1人の俳優の手に委ねることだった。もちろん、観客がこの俳優に同情しなければ、この映画は成立しないと思っていたから、脚本はまるで観客が初めて体験するような感覚を味わえるような書き出しにしたのが、製作の始まりだった」とダニー・ボイル監督は語った。

 主演のジェームズ・フランコは、アーロンが落石に右腕を挟まれているときに、彼が当時の状況を自ら撮影した映像を観たそうだが、「もの凄くパワフルな映像だと思ったよ! もちろん、彼が生還したのは分かっているけれど、そのビデオには、生き残れるか分からない状況にあるアーロンの姿があった。その映像では、彼が家族や友人に残したメッセージだけでなく、自分が亡くなった後に火葬したその遺灰を、自分が好きな所(山頂など)にまいてほしいとまで言っていたんだ。ただそんな環境でも、威厳や強さを持ってメッセージを送る彼を見て、今後どうやって僕が演じれば良いか、理解することができたんだ」と目に焼き付いた映像であったことをジェームズは明かした。ちなみに、このアーロンの衝撃の映像は、プライベートな映像として保管し、今後もDVDの特典映像などに含むつもりはないとアーロンは述べていた。

 実在の人物アーロン・ラルストンは、独りでゆっくりとした時間(大きな騒ぎであったため)を確保できるまで、どれだけ時間がかかったのかという質問に、「入院当初は、愛する人々とできるだけ会っていたかった。ただ、僕は1か月間病院に入院していて、その間は鎮痛剤をずっと打っていたから、ほとんどぼーっとした状態だったんだよ。それでも、僕のために友人や家族たちが、飛行機で僕が入院しているコロラドの病院まで会いに来てくれた。そして、体力が回復してから、ようやく1人の時間を作ることができて、新たに与えられた生命(生還できたこと)に感謝することができた」と奇跡の生還を遂げたアーロンが笑顔で答えた。

 脚本家のサイモン・ボーフォイは、これだけ映画製作できるいろいろなストーリーが世の中にあるなかで、一箇所に挟まれた1人の男を描く映画なんて、とても無理だと思ったらしいが、ダニー・ボイル監督がアイデアを記したドキュメントを見せてくれて、意見が変わったそうだ。プロデューサーのクリスチャン・コルソンは、この映画を2ユニットに分けて撮影していたことと、『スラムドッグ$ミリオネア』のチームと再び仕事ができたことを喜んでいた。映画は、1箇所に挟まっていた男を描いた作品とは思えない演出が施され、一挙に加速していくペースのままエンディングを迎えるというダニー・ボイル監督特有の映画に仕上がっている。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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