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反原発のキャンドル・ジュン、意外な言葉「原発を推進した人を責めないでください」東京電力の職員を思いやる

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Candle JUNE
Candle JUNE

 恵比寿リキッドルームで行われたLOVE FOR NIPPON救援物資を募るアコースティックCandle Nightのエンディングで、Candle JUNE(キャンドル・ジュン)が、長年反対運動を続けてきた原発への想いを語った。

 あまり知られていないことだが、Candle JUNEはこれまで反原発の活動に積極的に取り組んできたアーティストだ。放射能やエネルギー産業についての真実をドキュメンタリー映像で報告し続ける鎌仲ひとみ監督が、原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場が建てられた青森・六ヶ所村の住民に密着したドキュメンタリー映画『六ヶ所村ラプソディー』を発表した際、六ヶ所村の運動を紹介する、「6(シックス)ペーパー」というフリーペーパーを発行したのもCandle JUNEだった。

 反原発……と言うと、彼からどんな過激な言葉がでたのだろう……と思われるかもしれないが、彼の口から出たのは、「原発を推進した人たちを、電力会社の方々を、どうか責めないでください。今、東京電力の人たちは、放射能濃度が高い過酷な現場で、寝る暇もなく戦っています。一晩眠らなかっただけでも、人は思考回路がぼやけてしまうというのに、そんな過酷な状況の中で戦っているんです。だからどうか彼らを責めないでください」という言葉だった。

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 「僕らは、原発に反対してきたものとして、今、本当に反省しています。何を反省しているかというと、僕たちは結果的に原発を止められなかった。原発に反対していたにもかかわらず、阻止することはできなかったということです」と話し、「原発に反対してきたものとして、福島の人たちだけは、どうしても救わなければいけない」と福島への思いを伝えた。Candle JUNE自身も、これまでのLOVE FOR NIPPONの活動で集めた支援物資を、原発問題で孤立状態となっている福島の避難地域付近を中心に運ぶという活動を続けている。

 最後に彼は「今、皆さんに伝えたいこと。福島原発には、消防隊や自衛隊の方々が行ってくれました。彼らの姿を見ると僕は心が痛いです。彼らは原発のことに詳しいわけではありません。本当に福島原発が必要としているのは、日本全国たくさんのところにある原発で働いている人たちです。彼らは、長い間、反原発のプレッシャーに耐えながら一生懸命働いてきました。そして、彼らは、一番原発のことを分かっています。だから、今日本中の原発を止めて、原発を良く知る人たちみんなに福島を助けに行ってあげてほしいんです。福島を救うためなら、停電だって我慢できるはずです」と訴えた。

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 福島第一原発は、東京の人々が使う電気のために動いてきた原発。都心に住む人々にとっても他人事ではない。これまでも原発の代替エネルギーについて見直していくよう、訴え続けてきた彼は、「これだけの災害が起こり、昨日も大きな地震が来た。いつ、ほかの原発もどうなるか分かりません。セキュリティだけ残して、原発を止めてほしいです」と話した。

 原発に関する意見は賛否両論だが、原発反対を声高に訴えるアーティストはまれだ。日本を襲った未曾有の大地震がもたらした、原発の悲劇。これからのエネルギー案、そして日本のこれからについて反対派、推進派、さまざまな意見を聞き、何を考え、どんな未来を選択していくのか、今こそきちんと考えるときではないだろうか。(編集部:森田真帆)

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