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99歳・新藤兼人監督「人生最後の監督作品」と自ら宣言 豊川悦司、大竹しのぶら口をそろえ「次も必ずある」

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(左から)豊川悦司、新藤兼人監督、大竹しのぶ
(左から)豊川悦司、新藤兼人監督、大竹しのぶ

 6日、映画『一枚のハガキ』の初日舞台あいさつがテアトル新宿にて行われ、99歳の新藤兼人監督を始め、豊川悦司大竹しのぶ柄本明倍賞美津子津川雅彦という日本を代表する名優たちが登壇。新藤監督いわく「映画人生最後の監督作」という本作への強い思いを語った。

映画『一枚のハガキ』場面写真

 日本映画の結晶とも言えるような渾身の作品が初日を迎えた。自らの戦争体験に基づき、戦争がいかに愚かで理不尽なものであるかを新藤監督が強い思いで描いた映画『一枚のハガキ』。新藤監督は「これで終わりだという気持ちで作った、戦争反対がテーマの作品。役者の方々がとてもうまく演じてくれた。みなさんの力がとても大きかった」と豊川をはじめ新藤組・俳優部の面々に感謝を述べる。すると豊川は「(監督と一緒に)この壇上に立てることが光栄。監督とは前作(映画『石内尋常高等小学校 花は散れども』)で初めてご一緒させてもらって、今回で2度目。2度あることは3度あるというので、またよろしくお願いします」と監督続行をアピール。すると、大竹も「新藤組のスタッフと一緒に作った映画が、皆さんにまた観てもらえてうれしい。最後と言わず、来年もまた一緒に映画が作れたらいいな」と笑顔で追随。柄本や倍賞も口々に「これで最後なんて……きっとまた次もありますよ」と新藤監督に語りかけると、笑顔を見せる場面も。

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 また、新藤作品に数多く出演している津川は「映画『墨東綺譚』の撮影のときに、監督の戦争体験を聞かせてもらって、なんておもしろい話なんだと感嘆した覚えがあります。それが今回の映画になって……」と感慨深げに語り、涙ぐむシーンも見られた。

 そんな偉大な監督に、大竹から感謝を込めて99本のバラの花束が贈られると「99本のバラは重くて落としそう」とちゃめっ気たっぷりの発言で会場を笑わせたあと「ここまで映画を撮れたのは皆さんのおかげ。いつもお金がなく、つまずくたびに額を打ちつけて泣きたい気持ちになった。でも前を向かないとダメだと思い続けてきました。これが最後ですが『新藤はこんな映画を作っていたんだ』と時々思い出してほしい。それがわたしの望みです」と深々と客席に頭を下げる姿が非常に印象的な舞台あいさつだった。

 本作は、新藤兼人監督の実体験に基づいて製作された人間物語。太平洋戦末期、中年兵として召集され、多くの仲間が命を落とす中、生き残った松山啓太(豊川悦司)が、戦死した友人から託された一枚のハガキをもとに、その後の人生に立ち向かっていく姿を真摯に描いている。(磯部正和)

映画『一枚のハガキ』はテアトル新宿、広島・八丁座にて公開中。8月13日より全国公開

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