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原爆と原発を地続きで考察する、渋谷で原発・原爆テーマの作品集中上映

原爆と原発を地続きで考察する、渋谷で原発・原爆テーマの作品集中上映
なぜ被爆国が原発大国になったのか?その過程を見つめなおす-『はだしのゲンが見たヒロシマ』より - (C) 2011 シグロ、トモコーポレーション

 都内イベントスペース、オーディトリウム渋谷では、広島に原子爆弾が投下された日で、広島平和記念日とされている8月6日から、原爆・原発をテーマにした映画4作品が上映されている。また、同スペースを擁する複合施設「KINOHAUS(キノハウス)」内の映画館ユーロスペースでは『あしたが消える どうして原発?』の上映も開始され、原爆と原発問題を地続きで考察することのできるラインナップとなっている。

 『あしたが消える どうして原発?』は、チェルノブイリ原子力発電所の事故から3年後の1989年に、福島第一原発の関係者を取材した作品。製作会社の元に眠っていたフィルムが発掘され、急きょユーロスペースでの公開が決定し、福島第一原発事故を予言するかのような内容が話題となっている。そんな中、オーディトリウム渋谷では、『はだしのゲンが見たヒロシマ』『ひろしま』『ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード』『原発切抜帖』の4作品の上映が開始された。

 オーディトリウム渋谷によると、これら4作品は、それぞれ別の会社が配給を手掛ける作品だが、どの作品も終戦記念日のある8月の上映を希望していたという。そこで同館では、本来別のものである原爆と原発について、地続きで考えることができるラインナップとして、これら作品のスタート日をそろえることに。終戦を迎えて以降、被爆国である日本の原発に対する姿勢がどのように変化し、なぜ原子力大国となっていったのかを確認できるようになっており、現在から見た原爆のあり方や、原発について考える上で、観るべき作品郡になっているという。

 『はだしのゲンが見たヒロシマ』は戦争や原爆をテーマにした作品を多く発表する漫画家の中沢啓治が、世代を問わず、戦争の悲惨さと原爆・放射能障害の恐怖を多くの人々に訴え続ける代表作「はだしのゲン」を創作した経緯について語ったドキュメンタリー。『ひろしま』は原爆の投下からわずか8年後の1953年に製作された作品で、広島の市民ら約8万8,000人がエキストラ出演し、原爆が投下された直後の惨状を再現。原爆を直接体験した者も多く、地獄絵図と化した広島の惨状を描き出す。一方の『ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード』は2009年が舞台の長編ドキュメンタリー作品。アメリカ西海岸を南下しながら、在米被爆者の記憶の奥底に刻まれている広島、長崎をめぐる2人の青年を追うロードムービーとなっている。

 そして、ラインナップの中でも一風変わった作品となっているのが1982年の作品となる映画『原発切抜帖』だ。本作は広島・長崎への原爆投下から、製作当時までの新聞記事の切り抜きや資料を通して、原子力発電所や政府の姿勢の変化を読み解く。小沢昭一の語りと新聞記事だけで構成された、作風が特徴で、映画としては実験的な内容だが、シンプルな構成から、被爆国である日本がなぜ原子力大国の道を歩んでいったのかが、順序だって浮き彫りになっていく。原爆と原発のあり方を結び付ける、重要な一本といえるだろう。

 これら4作品、そしてユーロスペースの『あしたが消える どうして原発?』の上映が重なったのは偶然だったということだが、現在、これらの作品が集中して上映されることには、大きな意味があるはず。全作品を鑑賞するのは難しいかもしれないが、『はだしのゲンが見たヒロシマ』と『原発切抜帖』は、それぞれの半券を提示することで、リピーター割引の利用が可能となっている。(編集部・入倉功一)

映画『ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード』は6日の上映後8月10~13日まで、『はだしのゲンが見たヒロシマ』『ひろしま』『原発切抜帖』は8月26日まで、オーディトリウム渋谷にて上映。

映画『あしたが消える どうして原発?』はユーロスペースにて上映中


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