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今年のサンダンス映画祭オープニングナイトに選出された話題の作品は夫婦共作

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(左)脚本家サラ・コスコフ、(右)トッド・ルイーソ監督
(左)脚本家サラ・コスコフ、(右)トッド・ルイーソ監督

 今年のサンダンス映画祭でオープニングナイト作品に選考された話題の新作『ハロー・アイ・マスト・ビー・ゴーイング(原題) / Hello I Must Be Going』について、トッド・ルイーソ監督と脚本家サラ・コスコフが語った。

 同作は、夫に浮気され離婚したばかりのエイミー(メラニー・リンスキー)は、目標もなくコネチカットの実家にしばらく身を寄せていたが、ある日両親(ブライス・ダナージョン・ルビンスタイン)が開いたホームパーティーで出会った19歳の俳優志望の青年(クリストファー・アボット)と恋に落ち、新たな人生の目標に目覚めていくというドラマ作品。実の夫婦でもあるトッド・ルイーソ監督と脚本家サラ・コスコフのタッグが魅力的な作品。

 主人公エイミーについて「エイミー自身は実家に戻ってきたいとは思ってなかったし、実家に居る状況がまるで悪夢のようだとも思っているんだ。だが、そんな底辺の状態から、彼女はまた新たな恋愛を探していくんだよ」とトッドが語ると、サラは「わたしの周りには、プロフェッショナルに仕事をこなす女性がたくさん居るけれど、もしそんな女性たちの夫たちが、彼女たちのもとを突然去ってしまったらということを考え、さらに自分にもそういった状況を当てはめて考えてもみたの」と実際に周りの環境からキャラクターが発案されたことを語り、さらに「女性がフェムニズムを主張したことで、文化が変わってきたことも、エイミーを通して描いているの」と明かした。

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 ピーター・ジャクソン監督の映画『乙女の祈り』でデビューした女優メラニー・リンスキーは、その後助演や脇役で出演することが多かったが、そんな彼女を今回主役に抜擢した経緯について、サラは「よくプロデューサーは、『次に挙げる知名度のある5人の女優のうち一人をキャスティングすれば、製作資金の調達ができる』と薦めてきて、たいていのインディー系のフィルムメイカーならば、それを信じたりもするわ。ただ、わたしたちは、それが何なの?とずっと思っていたのよ! そして、自分たちの要求だけで製作を進めることにしたの! つまり、わたしたちはメラニー・リンスキーを主役にして、今年の夏に撮影したいという風にね」と語った。これまで女優としても活躍してきたサラは、直感からメラニー・リンスキーを選択し、強い意志で押し切ったようだ。

 サンダンス映画祭でオープニングナイト作品を飾ったことについて「確かにオープニングナイトを飾ったことで、次回作がより製作しやすくなると思われがちだが、常に映画を製作することは難しいんだ。実際に多くのプロデューサたちは、サンダンス映画祭の後、今取りかかっている脚本を読んでみたいと言ってきて、それを実際に見せると、大概は製作しようと思っていた映画ではないと断られるんだよ……(苦笑)。特に、人が思っているものと違ったアプローチをした映画を作ろうとするとね……」とトッドが話してくれた。

 最後にサラは、知名度のある女優を使っていなくても、映画内で中年の女性が若い男性と付き合ったりするような映画を欲している人たちがたくさん居ることを、各地で行われた試写会の観客の反応を見て知ったそうだ。映画は、大人の女性の消えかけた恋の灯火を、徐々に再燃させていく過程を、現実的に、時には繊細に描いている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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