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日本にも支店を持つ、フランスを代表する料理人ミシェル・ブラスに聞く!伝統的レストランを息子に引き継がせる苦労とは?

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日本にも支店を持つミシェル・ブラスとその息子セバスチャン・ブラスを描いたドキュメンタリー
日本にも支店を持つミシェル・ブラスとその息子セバスチャン・ブラスを描いたドキュメンタリー

 フランス料理界を代表するシェフ、ミシェル・ブラスとその息子セバスチャン・ブラスを描いた新作ドキュメンタリー映画『ステップ・アップ・トゥー・ザ・プレート(原題) / Step Up To The Plate』について、ミシェル・ブラスとポール・ラコステ監督が語った。

 同作は、フランス南部オーブラック地方にあるミシェル・ブラスが経営するレストラン「ミシェル・ブラス」で、15年間父親のもとで働いてきた息子セバスチャンが、父親からレストランを引き継ぐことになり、伝統的なレストランを守るために葛藤していく姿が描かれたドキュメンタリー作品。テレビ界で活躍していたポール・ラコステ監督がメガホンを取っている。

 10年前にすでにミシェル・ブラスを描いた短編映画『インベンティング・クイズィーン:ミシェル・ブラス(原題) / Inventing Cuisine : Michel Bras』が制作されているが、今作はその続編となるのだろうか。「おそらく、そうとも言えるだろう。前作を撮影した際に、まだ30歳前だった息子セバスチャンのプロフィールには興味があったが、当時の彼は父親ミシェルとは全く違った性格だったんだ。ただ、当時も繊細で的確な腕を見せていたことで、すでに彼自身も運命(レストラン)を託されていることが明確にわかっていたんだ。当時、息子セバスチャンは、ある意味では監督のそばに居る撮影監督のようなものだったが、今作では彼の料理人としての表現(腕)が爆発し始めていくんだよ」とラコステ監督が語った。

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 ミシェル・ブラスは一緒に働いていた妻ジネットとともに、だいぶ前から息子セバスチャンと、彼の妻ヴェロニクにレストランを引き継がせることを考えていたそうだ。「僕はこのオーブラック地方が好きで、息子夫婦に引き継いでほしいと思っていた。それは、ある意味ギャンブルでもあり、新たな機会でもあったんだ。だが、僕は彼らにすべて自分たちで模索して、我々に質問してくるな!と言ったわけではなく、最初の短編映画から今作までの10年間息子夫婦を支えてきた。だから、僕らのレストランの引き継ぎは、ある意味映画のディゾルブのように、ごく自然に徐々に行われ、お互い(父親と息子)の居場所を確認しながらできたんだ」と語るミシェル・ブラスは、息子の成長ぶりに満足しているようだ。

 ミシェル・ブラスのシェフとしての伝説を息子の肩に負わせるのは荷が重すぎるのではないか、との質問に「もちろん、僕はその問題をずっと考えてきたし、今も考えている。ただ、それが父親としての責任でもあるんだ。確かに大きな挑戦だが、ビジネスはすでに存在し、(レストランは)健全な基盤も兼ね備えている。僕がこのレストランを始めたとき(1978年、当時のレストラン名は「ルー・マズュック」)は、わずか3人のスタッフで、今のように65人のスタッフも居なかった。それに、典型的なフランス料理から外れ、例えばアジとラズベリーやアカフサスグリを使った料理を作ることが、どれほど大変だったか想像できるだろうか? そのような料理を人々に受け入れられるまで、僕は生涯を費やすことにもなったんだ」と語り、息子にも時間を掛けて熱心に食に関して探求してほしいとも話した。

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 ミシェル・ブラスは、北海道洞爺湖畔に支店「ミシェル・ブラス トーヤ・ジャポン(Michel Bras TOYA Japon)」を開店している。ちなみに、今作ではミシェル・ブラスのもとで働いている中澤敬二さんという日本人シェフも描かれている。映画は、息子セバスチャンが食を知ることで、人生の本質を父親ミシェルから学んでいく過程が描かれ、日本の観客にも共感が持てる作品に仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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