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名優の評価は予想外?『007』マチュー・アマルリック、俳優よりも監督業に意欲!

第26回東京国際映画祭

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俳優としての名声が予想外だったというマチュー・アマルリック
俳優としての名声が予想外だったというマチュー・アマルリック

 フランスの俳優マチュー・アマルリックが21日、第26回東京国際映画祭コンペティション部門出品作『ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム』の公開記者会見に出席、自身を俳優ではなく映画監督であると宣言した。

マチュー・アマルリック、フォトギャラリー

 本作は、スイスの山麓にある大学で起きた女子大生の失踪事件を発端に、女好きの大学教授(マチュー)をめぐる謎を明らかにしていくミステリードラマ。この日の会見は、一般客も観覧可能なスタイルで行われ、会場には多くの女性ファンが集まった。笑顔で登壇したマチューは「日本にまた来られるのは本当にうれしいこと。最初の来日はアルノー・デプレシャン監督と一緒だったけど、そのときと同じ感動を覚えているよ」とあいさつ。

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 そのマチューは、現在監督として最新作の撮影中。今回はその撮影を中断しての緊急来日となったこともあってか、「朝起きると、まず自分の監督作品について考えるんだ。僕の人生は監督としての人生だと思っている。それがデプレシャン(『そして僕は恋をする』)によって俳優として知られるようになってしまったのは、自分では想像もつかない出来事だった」と切り出した。

 そのため『007/慰めの報酬』『ミュンヘン』などで、俳優として世界的に評価されている現状についても「俳優としてのキャリアには全く興味がない」とキッパリ。その上で「僕の人生にとっては監督をすることが一番大切なんだが、その時間を友人(の映画監督)たちは盗んでしまうんだ。きっと僕があまりにも良い作品を作ってしまうので、ジェラシーを感じているんだろうね。僕を(俳優業で)忙しくさせておけば、監督作品が作れなくなってしまうから。僕は彼らを恨みに思っているんだよ」と笑顔でジョークを発し、会場を沸かせた。

 とはいえ、本作のメガホンを取ったアルノー・ラリユージャン=マリー・ラリユー兄弟もマチューの盟友であり、「彼らと時間を過ごすのは好きだ」と仕事は満喫した様子。「彼らは、僕をまるで女優のように撮影してくれるからね。肉体、官能、欲望といった日常生活では表現しにくいようなことを描き、非常に興奮させられるような作品を作っているんだよ」とその魅力を語っていた。(取材・文:壬生智裕)

第26回東京国際映画祭は10月25日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催中

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