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ベトナム戦争中に撮影…実に40年越しの公開!『ナンバーテンブルース さらばサイゴン』監督が感慨

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左から、磯村建治、川津祐介、長田紀生監督、きくち英一
左から、磯村建治、川津祐介、長田紀生監督、きくち英一

 ベトナム戦争中に撮影された映画『ナンバーテンブルース さらばサイゴン』の初日舞台あいさつが26日、テアトル新宿で行われ、主演の川津祐介長田紀生監督、きくち英一磯村健治が登壇し、同作が世に出るまでの話を熱く語った。

映画『ナンバーテンブルース さらばサイゴン』フォトギャラリー

 同作は、日本人商社マンが弾みでベトナム人を殺害してしまったことから追われる身となり、次第に暴力と犯罪にまみれていくさまを描いたハードボイルドアクション。1974年から75年にかけて戦時中の南ベトナムで撮影されたものの、さまざまな事情から完成されず、2012年にようやく完成した。

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 長田監督は「当時90パーセントくらい完成した段階だったが、それ以降いろいろな事情で完成できず、フィルムもどこにいったかわからなくなった。この作品のフィルムと再会したのは2012年の国立博物館だった。残っていたフィルムのは、映像は乱れ、音も悪いというとても見られない状態だった」とフィルムとの再会時を感慨深げに語った。

 「しかし残ったものから、デジタル化し完成させた。2012年の仕上げ作業が終わった段階でもこうして皆さんに見てもらえるとは思ってなかった。この作品は出来の悪い、でも生命力のある子。われわれが完成や上映を諦めても、『まだ終わってない、上映できる』と主張していたように感じた」と長田監督。

 これを受けて、主演の川津も「決していい状態でスタートしていない映画。今回もロードショーといわれながら、朝の1回しか上映できない。でも全国で上映する予定。今、全国にいる知り合いに、近くで公開されたら観てねと手紙を送っている」と実に40年越しの公開となった心境を明かした。

 最後に長田監督は「この映画の話をぜひ知り合いに伝えてほしい。映画の話題が食卓などに上ることが、映画業界を元気にすることだと思う」と映画業界全体の活性化のための願いを口にしていた。(取材・文/波江智)

『ナンバーテンブルース さらばサイゴン』は公開中

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