アカデミー賞授賞式で自殺未遂の体験を告白した脚本家が、カンバーバッチの名シーンを明かす

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アカデミー賞脚色賞に輝いたグラハム・ムーア - credit: Richard Harbaugh / (C)A.M.P.A.S.

 映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』で第87回アカデミー賞脚色賞を受賞し、授賞式での感動的なスピーチで注目された脚本家グラハム・ムーアが、主演俳優ベネディクト・カンバーバッチのイチオシの名シーンを明かした。

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 アカデミー賞授賞式のスピーチで、「皆より変わっていて、いつも居場所がないと思っていたから」と16歳のとき、自殺を図った体験を告白すると共に、「変わったままでいい。人と違っていい。いつか君が輝く時が来る」と社会に居場所がない人たちにエールを送り、拍手喝采を受けたムーア。

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 14、15歳のときに『イミテーション・ゲーム』の主人公で天才数学者のアラン・チューリングのことを知った彼は、同じコンピューターオタクとして格別なシンパシーを抱いたという。「彼は、どの場所に行っても自分が一番賢いので、人とコミュニケーションが取りにくかったし、政府の指令によりたくさんの機密を隠さなければならず、さまざまな理由で孤立していた。でも、だからこそ人とは違った考え方や物の見方ができて、ああいうことを成し遂げられたんだ」とアウトサイダー中のアウトサイダーであったチューリングの苦悩、偉大さを分析する。

 そんなチューリングがハマり役となり、アカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされたカンバーバッチ。ムーアは「彼が素晴らしいのは実験的なところ。例えば、怒りを表現するシーンで『キー!』と声を上げるだろうと思っていたら、ささやき声で演じたり、またその逆もある。二度同じことはしないし、毎回エキサイティングでスリリングなことをしてくれる」と絶賛。また、本作における彼の演技の中で「何度観ても息をのむほど素晴らしい」シーンとして、チューリングが刑事に“イミテーション・ゲーム”を説明するモノローグを挙げている。「このシーンは63秒もの長いテイクを使っているけど、そんなに長い間カメラも役者も動かないシーンというのはあまり観たことがない。それに、チューリングの脳がものすごく回転しているのが、カンバーバッチの目から感じられる」と批評した。

 また脚色の作業で苦戦したのが、チューリングの話し方。彼に関する録音データが一切残っていなかったため、「彼の話し方は、彼の残した研究だったり、数学的な論理をつづったものを参考にした。チューリングの文章は、割と長い上に緩急のある書き方だったので、それを話し言葉として反映させたんだよ」と説明した。

 第2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号エニグマを解き明かし、現代の情報科学の礎を築くという偉業を成し遂げたチューリングは、にもかかわらず悲しい運命をたどるが、ムーアが自身とこの人物を通して描いた人生賛歌でもある。「時には思いも寄らぬ人物が偉業を成し遂げることがある」というムーアの前向きなメッセージが感じられる一作となっている。(取材・文:編集部 石井百合子)

映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』は上映中

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