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閉鎖された炭鉱町の人々が競走馬の馬主となった奇跡のストーリーとは?

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ルイーズ・オズモンド監督
ルイーズ・オズモンド監督

 昨年のサンダンス映画祭ワールドシネマ部門で観客賞を受賞したドキュメンタリー作品『ダーク・ホース(原題) / Dark Horse』について、ルイーズ・オズモンド監督と、ブライアン&ヤン・ヴォウクス夫妻が、4日(現地時間)にニューヨークのAOLで行われたイベントで語った。

 本作は、炭鉱が閉鎖された英ウェールズの田舎町で、バーテンダーとして働く妻ヤンと炭鉱夫だった夫ブライアンが競走馬の繁養に乗り出し、その競走馬ドリーム・アライアンスをウェルシュ・グランド・ナショナルに出場させた奇跡を描いた作品。映画『運命を分けたザイル2』のルイーズ・オズモンドがメガホンを取った。

ルイーズ・オズモンド
ヤン・ヴォウクス

 製作経緯について、ルイーズは「この実話を新聞で読んだときは、成功に至るまでの紆余(うよ)曲折が記されていて、素晴らしいストーリーだと思った。でも読んだ時点では、あまりに話が出来すぎていて、わたし自身は彼ら(ヤンとブライアン)への電話さえ恐れていたの。でも今作のプロデューサーが電話で彼らを説得してくれて、ようやく会えた。彼らに会ってすぐに映画になると思ったわ」と語った。

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 一般人のヤンが競走馬の繁養をすることになった経緯について、「これまで競走犬、レース用の鳩も育てたから、犬、鳩、馬を育てることにそれほど違いを感じなかった」とヤンから驚きの言葉が返ってきた。さらに彼女は「競走馬の繁養は大きなビジネスよ。わたしたちのような労働者階級が関わることを彼ら(金持ちの人々)は恐れ、あのビジネスに関わってほしくないと思っている」と語り、「ただわたしは二つの仕事をしながら、1週間に7日間働いてようやく競走馬の繁養ができたの。それに他の22名のシンジケート(ヤンと共に分割払いで競走馬を繁養するシステムに参加した馬主たち)がいなければ、競馬のコースにも出場できなかった」と明かした。

ルイーズ・オズモンド
ブライアン・ヴォウクス

 競走馬は町に新たな息吹をもたらしたようだ。「炭鉱が一つ一つ閉鎖され、ほんのわずかな職しか残されず、以前のようにパブやクラブに行けず人々は引きこもった。でも競走馬が現れたことで、パブに皆が集まってレースを鑑賞するようになったわ。だから競走馬はこの町を再起させたと思う」とルイーズは笑顔で答えた。完成した映画についてブライアンは、「僕自身は競走馬の繁養に関して疑っていたし、それができるとは夢にも思わなかった。でもヤンは決して諦めることはなく、競走馬を予想もできないような場所に連れて行ってくれた」と語っていた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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