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中井貴一、役者の仕事に悩んだ過去…落語や歌舞伎を見続けてたどり着いた答え

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モントリオールで取材に応じた中井貴一
モントリオールで取材に応じた中井貴一

 第40回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で主演映画『グッドモーニングショー』(君塚良一監督)が上映された中井貴一(54)が、俳優業への思いとキャリアの分岐点について語った。

【画像】馬車で映画祭会場に登場した中井貴一

 番組メインキャスターの男が巻き込まれる災難だらけの1日をテレビ業界の裏事情を盛り込みながら描いた同作を、モントリオールの観客は大きな声で笑ったり驚いたりと存分に楽しんでいた。初の海外映画祭参加でそんな様子を目の当たりにした中井は「僕らのやってきたことが理解してもらえるんだって実感できました。それは自信がつくっていうより、これから先もやっていけるって思う気持ちです」と口にする。

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 「38歳くらいのとき、役者という仕事の意味ってなんだろうって悩んだ時期があったんです。今のままで仕事をしていたらそれなりにはなるだろうけど、そこに安住したくないって思ったことが、悩み出したきっかけだったと思う。庶民の気持ちがすさんだ時代に、少しでも楽しませようと河原に小屋を建ててお芝居をしたのが出発点だとしたら、そういう感覚に立ち戻ってみようと思った」とキャリアの分岐点を振り返った中井。そして落語や歌舞伎といった日本の伝統芸能を見続けて、「映画も含めて日本の文化を伝えていくこと、残していくことは、日本が国際的にならないとできない」という答えに行き着いた。

 そしてその後、中米合作の映画『ヘブン・アンド・アース』に出演して体験したことも大きかったという。「難しいセリフばかりの中、突然長回しすることになって、久々に手が震えるんですよ、緊張で。日本人は僕一人だったので、とにかく体当たりで頑張った。その充実感はあったのですが、日本に戻って出演した『壬生義士伝』で、日本語で意味がわかってセリフを言う素晴らしさを感じたんです。自分の中のハードルを越えたことで、考え方が変わったんだと思います。それで日本で作った映画を世界に伝えていきたいと思うようになったんです」。

 中井貴一という一人の役者として映画を捉えるか、映画界として映画を捉えるかの違いがある、そんな思いを持っていると自ら語る中井。映画に対する熱い思いを持つ役者は、軽やかに国境を越えた活躍をしていくのかもしれない。(取材・文:芳井塔子)

映画『グッドモーニングショー』は10月8日より全国公開

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