『LUCY／ルーシー』続編はナシ！リュック・ベッソン誤報に抗議！＜コメント全文＞
スカーレット・ヨハンソン主演のアクションスリラー映画『LUCY／ルーシー』（2014）の続編が進行していると先日報じられたが、監督のリュック・ベッソンはこれを「フェイクニュース」とし、ジャーナリストに向けて抗議文をFacebookで発表した。
事の発端は、米Varietyが「リュック・ベッソン率いる映画製作会社ヨーロッパ・コープは、昨年の会計年度で、1億3,500万ドル（約148億5,000万円、1ドル110円計算）の記録的損失を出したことを受け、野心を縮小し、赤字から脱出するための戦略を再検討している」とし、パリで行われた同映画製作会社の株主総会のレポートを掲載。
その戦略として、『96時間』シリーズや『LUCY／ルーシー』『レオン』『フィフス・エレメント』などのように、同社が得意とするアクションスリラーやSF映画に専念し、公開作を少なくすることで、ベッソンが全てのプロジェクトにクリエイティブ面でも関わることができるようにすると伝えた。そこには「CEOのマーク・シュミューガーが、同社は『LUCY／ルーシー』の続編を積極的に進めており、その詳細こそ明かさなかったものの、ベッソンがすでに脚本を執筆済みであると認めた」ともつづられていた。
この報道を受けて、様々な媒体が『LUCY／ルーシー』続編進行中と紹介していた。すると、6日になってベッソンは長文をFacebookに投稿。文中で「私は『LUCY／ルーシー』の続編を準備していません。昨日も明日も」ときっぱり否定し、「このフェイクニュースはあなた方（ジャーナリスト）のおかげで世界中に広まりました……私に『それは大きな問題ではありません』と言うでしょう。それは本当で、あなたは正しい……しかし、それは “偽”であり、通常このような言葉が、ジャーナリストの語彙の一部であってはなりません」と報道のあり方に苦言を呈した。
ベッソンは、およそ1億7,720万ドル（約194億9,200万円）というハリウッドの大手スタジオ作品以外ではありえないような莫大な製作費をつぎ込み完成させた超大作『ヴァレリアン・アンド・ザ・シティ・オブ・ア・サウザンド・プラネッツ（原題） / Valerian and the City of a Thousand Planets』が興行的に失敗したことなどもあり、『LUCY／ルーシー』続編はそれを挽回するためなどと伝えられていた。（数字は Box Office Mojo 調べ）（編集部・石神恵美子）
リュック・ベッソン監督が掲載した抗議文＜全文＞
親愛なるジャーナリストたちへ
あなた方は立派で有益な仕事をしています。調査し、情報を相互参照し、それから真実が伝わるように再編集するのです。あなたに（情報を）知らせてもらったり、差し止められたり、教えてもらったり、解読してもらう、ということは、なんて名誉なことでしょう……しかしそれは以前までのことでした。
インターネットが登場する前までのことです。スクープのために繰り広げられる、抑えのきかない馬鹿げたレースのせいです。最初に情報を発信さえすれば、その情報が正しいか、間違いか、なんて関係ないのです。倫理観やと道徳観もないクソ。外国の記事を取り上げて、考えや識別もないままに単純に翻訳しただけ。いつから信念を失ったのか？ いつから諦めてしまったのか？
あなた方が好きではない映画をつくるかもしれませんが、私たちは（映画製作を通して）自らの愛と信念に応えるために、何年も費やすのです。あなた方も尊厳、高潔さ、そして勇気を取り戻そうとしてください。この非常に困難な時期に、私たちはあなた方を大いに必要としています。落ち着いて。あなた自身を尊重してください。
記録のために：いいえ、私は『LUCY／ルーシー』の続編を準備していません。昨日も明日も。しかし、このフェイクニュースはあなた方のおかげで世界中に広まりました……あなたは私に「それは大きな問題ではありません」と言うでしょう。それは本当で、あなたは正しい……しかし、それは “偽”であり、通常このような言葉が、ジャーナリストの語彙の一部であってはなりません。だって、あなた方を信じられないなら、私たちはどのように民主主義を保持するのでしょうか？ 私たちの自由はあなた方の誠実さにかかっているのです。
