不愉快と言われても…原恵一監督、劇場版『しんちゃん』流れ変えた作品秘話

第30回東京国際映画祭

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樋口真嗣監督と原恵一監督

 アニメーション監督の原恵一の7本の作品を通じて、その活動の全ぼうを振り返る『第30回東京国際映画祭』の目玉企画「映画監督 原恵一の世界」のトークショーが27日、都内で行われ、原監督と映画監督の樋口真嗣が登壇。この日上映された『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の製作秘話を明かした。

【画像】樋口監督と共に笑顔を浮かべる原恵一監督

 原監督の監督デビュー30周年を記念して行われた今回の特集上映では同作ほか、『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』『百日紅~Miss HOKUSAI~』『カラフル』『河童のクゥと夏休み』『はじまりのみち』『エスパー魔美 星空のダンシングドール』が上映される。樋口監督はこの日、原監督と普段から仲がよく、出会いのきっかけになったのがこの『オトナ帝国の逆襲』だったことからトークショーに登壇。

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 原監督は「名前は知っていたんですけど、あまり縁はないだろうと思っていたんです。でも、この『オトナ帝国』を観た樋口さんが当時僕に会いたいと誘ってくれて、それが今に至るきっかけになった」と2人のなれそめを説明。樋口監督も原監督の印象について問われ「いつもはっちゃけた、好き放題なアニメを撮っている人。しかもその作品はただ大人がやりたい放題やっているだけの作品ではない」と絶賛する。

 その原監督の「好き放題」路線のきっかけ、ターニングポイントが本作だった。「僕自身も大きく変わるきっかけになった。何のマネでもない、一本の映画、作品が出来たという実感が当時ありました」と原監督。本作の製作過程で悪役のキャラクターに感情移入をし、それまでのシリーズとはまったく違った展開を描き、出資者には戸惑われたがファンには大絶賛された作品だと説明。

 「感情移入をしてしまった結果、『しんちゃん』ならではのいつものような結末が描けなくなってしまった。そこを一歩踏み出そうって、これでお客さんも出資者も怒って僕はクビになるな、でもそれでもいいやと思って作った作品」と述べると、「出来上がった時は『これはしんちゃんじゃないじゃん』っていう周りの声もありましたし、僕自身も『しんちゃんじゃないものを作っちゃった』という思いがありました」と当時の心境をしみじみ。

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 さらに原監督は「あるバカ野郎もいて、そいつが僕に言ったのが『こんな不愉快な映画は初めてだった』って」とも。だが「ところがお客さんは喜んでくれた。それを見て、僕はこれでいいんだって思いました」と笑顔。「そこから作る作品も変わっていった。形を決めて作りすぎていたなって。そうじゃないものでもお客さんは楽しんでくれるんだっていうことに改めて気付いた作品でした」と本作を振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)

第30回東京国際映画祭は11月3日までTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか各会場で開催

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