大林宣彦バイタイリティー衰えず!常盤貴子から「やんちゃな監督」

第30回東京国際映画祭

常盤貴子と大林監督
常盤貴子と大林監督

 昨年肺がん第4ステージで余命宣告を受けたことを明かしていた映画監督の大林宣彦が28日、都内で開催中の「第30回東京国際映画祭」内で行われた最新作『花筐/HANAGATAMI』の舞台あいさつに出席。大林監督の最近の作品でマドンナを務めることが多かった常盤貴子は撮影を振り返り、バイタリティー溢れる監督の姿を「自由にやんちゃに好き放題」と表現し、大林監督を照れ笑いさせた。

大林監督&常盤、寄り添う姿も【他写真】

 檀一雄の小説「花筐」に基づき、1941年の佐賀県唐津市を舞台に戦禍を生きた若者たちの青春群像を描く本作。壇上には大林監督と常盤のほか、出演者の窪塚俊介長塚圭史矢作穂香山崎紘菜村田雄浩岡本太陽も登壇した。

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 常盤は撮影前、台本に目を通した当時を振り返り、「はじめに原作を読ませてもらって、撮影台本を読んだ時に、あの短編が監督の脳内のフィルターを通すとここまで行間が広がるんだって。純文学って幅広いものなんだって」と驚いていたというが、完成したものを観て大林監督の挑戦心旺盛な演出にさらに驚いたといい、「撮影が始まるとなんてやんちゃな監督なんだって。ここまで好きに自由に広げてくる監督って世界にいるのかなって。自由にやんちゃに好き放題。すごく感激しました。映画の可能性を広げていただいた気がしました」と大絶賛。

 窪塚は「35歳の僕が16歳の役。キャスティングひとつもこんなに自由度があるのかって」と監督の思い切った役者の起用方法に驚いたエピソードを披露。これに大林監督は「かつて青春を経験したことのあるベテランの少年。だからこそ痛みや悲しみを十分に表現できる。いい演技をしてくれました。16歳の少年を演じつつ、30代の青年の心を持っていてくれという難しい注文をしました。それをこなしてくれた。最高の選択でした」と説明した。

 戦争を題材にした作品とあり、大林監督にとっても本作は非常に熱を込めて作った作品である様子。「40年前はこういう映画を撮っても誰も振り向いてくれなかった。戦後、暮らしもよくなって、みんながとにかく豊かになれればいいと思っていた頃だったからね」としみじみと切り出し、「子どもの頃は遊ぶことが好きで戦争ごっこが一番楽しかった。平和ごっこなんかしたら犯罪人だったので。でも子供ながらにどこか窮屈だと思って遊んでいました。自由に遊べることが子供の明かし。戦争が終わった後、せめて自分が平和に役立つことをするなら、映画くらいは自由に作ろうって思ってやってきました」と本作に込めた思いを語った。

 「でも、どうもこういう映画をまた作れなくなる時代か来るかもしれないと恐れております」と社会情勢への懸念も口にし、「3年後はこんな映画を作ることが許されるだろうか。今のうちに自由と平和を表現したいとの思いでこの作品を作りました」とも話していた。(取材・文:名鹿祥史)

映画『花筐/HANAGATAMI』は12月16日より有楽町スバル座ほか全国順次公開

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